大いなる中間層【第3回 Win-Winを超えた「第3の案(R)」~シナジーでチャンスをつかめ!】

大いなる中間層

2つの意見に挟まれ、AかBかという二者択一になったとき、AもしくはBを選択する以外に、もう1つの反応タイプを示す人たちがいます。
それは、どのような論争や組織の争いのなかでも、どちらの側にもつかない、「大いなる中間層」とコヴィー博士が呼ぶ人たちです。

「第3の案」を求めるのでもなく、どちらの側にも距離を置き、評論家のような顔をして、どちらも選択するのをやめ、期待するのもやめるという無気力な人たちです。

一見すると、彼らはチームワークと協力を大切にし、相手の視点も考慮しているように見えます。しかし、現実的な解決策があるとは少しも思ってはいません。解決策を探すことを放棄しているのです。

「もう一緒にはやっていけないね。性格が合わない。価値観が違う。解決策を探すなんて無駄だと思うね」
以前に、どちらかの側についてしまい、大きな痛手を負ってしまったのかもしれません。初めから無気力なのかもしれません。トラブルに巻き込まれるのを嫌がって防御的な対応を「しているのかもしれませんし、無言の抵抗をしているのかもしれません。

その結果、このような「大いなる中間層」の選択肢は、「逃避」あるいは「妥協」となります。

「逃避」は、自ら勝負を投げ出して逃げてしまうことですし、「妥協」は、合意に至るために当事者双方が利益の一部を譲り、犠牲にし、あるいは放棄することです。
いずれもWin-Winではなく、Lose-WinまたはLose-Loseです。
逃避や妥協の結果に納得するかもしれませんが、そこに喜びはありません。
「大いなる中間層」の人たちの多くには、もう1つ特徴があります。
日々コツコツと仕事に励んではいるものの、自分の潜在能力をほとんど発揮できていません。
自分の世界を変えることも、新しい未来を創ることもせず、逆に、意欲的な人や輝いている人を煙たがり、新しいアイデアを軽蔑したりします。

このような人はあなたの周囲にいませんか?
とうの昔に、あきらめて、自分だけで納得し、自分の殻にとじこもり、希望を持たない術を身につけてしまっている人が。