シナジー(相乗効果)【第2回 Win-Winを超えた「第3の案(R)」~シナジーでチャンスをつかめ!】

シナジー(相乗効果)

私の考え・私の意見といったものを「第1の案」とすれば、あなたの考え・あなたの意見は「第2の案」となります。

「第1の案」で問題を解決しようとすれば、私のパラダイムを相手に納得させるか、押し付けるしかありません。
私は勝って、あなたは負けるのです。v 同じように、「第2の案」で問題を解決しようとすれば、あなたのパラダイムで自分が納得するか、それで押し切られるかしかありません。あなたが勝って、私は負けます。いずれにしても、Win-Loseの関係になるのは同じです。

では、何とかWin-Winの関係に出来ないものでしょうか?
そのためには、「私の考え・私の意見」でも「あなたの考え・あなたの意見」でもない、お互いがWin-Winとなる「私たちの意見・私たちの考え」を協働で探していくことが求められます。
「お互いが考えてもみなかった、新しい案を、あなたと私とで一緒に探してみませんか?一緒に考えてみませんか?」と問いかけるのです。

これによって出来る、「私たちの意見・私たちの考え」が、「第3の案」なのです。
この「第3の案」を生み出す考え方を仕事や普段の生活に意識的に取り入れることができれば、仕事や生活はどれほど充実することでしょうか。今まで気づかなかった成果がきっと生まれるはずです。

「第3の案」の秘訣は、シナジー(相乗効果)です。
シナジーとは、簡単に言えば、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということです。2本の木材を重ねれば、1本で支えられる重量の合計をはるかに上回る重量を支えることができます。これと同じことが、人間にも当てはまります。何人かで協力すれば個々人の強みが相まって、誰も予想しなかったことが成し遂げられます。同様に、ひとりで考えるよりも、2人、あるいはそれ以上で協力して考えれば、個々人の強みが相まって、誰も予想しなかったような素晴らしい案が生まれる可能性が高まるでしょう。1+1が2ではなく、3にも100にも1,000にもなり得るのです。
シナジーの最も身近な例は、音楽です。楽器を奏でたことがある方ならすぐにわかるように、オーケストラや音楽のバンドでは、1人ひとりの力を合わせることによって、素晴らしいパワーを発揮します。
また、シナジーはスポーツにおいても欠かすことはできません。野球やサッカー、バスケットボール、あらゆるチームプレーは、各個人がしっかりと役割を持ち、力を合わせることで大きな力を発揮します。個人レベルで高い能力を持つチームほど、高いシナジーを生み出します。
ここで重要なのは、皆それぞれが明確な個性を持っており、その違いがあって初めて大きな成果に結びつくということです。違いが大きいほど、「第3の案」が生まれたときのシナジーも大きくなります。

「第3の案」とは、継続的な改善のプロセスとは異なります。人と人との対立を解決するだけでなく、画期的な新しいアイデアをもたらすものであり、さまざまなものを創造するための原則です。

シナジーは、そのための鍵であり、真の創造性を支え、動かす知力なのです。