ビジネスに活かす「7つの習慣®」とは 【第5回】公的成功

第5回 「公的成功」

「7つの習慣」の基本的な考え方についてご紹介する第5回目最終回は、「公的成功」についてお話します。

公的成功とは

第一の習慣から第三の習慣までは、「自立(私的成功)するための習慣」でしたが、自立だけが人生のゴールではありません。

企業組織や地域社会、家庭では、周囲の人たちと影響を与えあい相乗効果を発揮することによって、相互依存関係を築きます。そして、自分一人では成しえなかったような大きな成果を周囲の人たちとともに実現することが、ひとつのゴールであり、成功といえるのです。

このような成功を、「7つの習慣」では「公的成功(Public Victory)」と言っています。

私的成功は自分の中だけの話であり、「私」のパラダイムです。
これに対して、公的成功は周囲の人との相互依存の話であり、「私たち」というパラダイムです。

公的成功は、第四の習慣から第六の習慣を身につけることで実現していきます。
それでは、これらの概要をみていきましょう。

第四の習慣 Win-Winを考える

第四の習慣は、「Win-Winを考える」です。

私たちの周りでは、常に競争があります。
しかし、その中で勝ち負けばかりを考えていては、ビジネスも人間関係も長い目で見れば成功しません。

相手を蹴落とすのではなく、相手を尊重し相手と共に満足できる方法を探れば、双方が勝者になれるのです。

常にWin-Winを考え、それがどうしても無理なら、No deal(取引しない、白紙に戻す)を伝えることが、お互いにとって長期的には望ましいと言えます。なぜなら、また状況等が変われば、Win-Winにできる可能性が残るからです。

相手を尊重するときに大事なのは信頼関係です。信頼関係は、毎日の地道な努力を積み重ねることによって醸成されます。

第五の習慣 理解してから理解される

第五の習慣は、「理解してから理解される」です。

相手を尊重し、相手とWin-Winの関係を実現するためには、相手をよく理解することから始まります。

あなたは相手が話し終える前に、話し始めてはいませんか?
話を聞きながら、次にどう話そうかと準備をしていませんか?
それは、相手の話をよく聞いていることになるのでしょうか?

これでは相手は、なかなか理解されたとは感じてくれないでしょう。そんな相手が、あなたのことを理解しようとしてくれるでしょうか?

相手に理解されるためには、あなたが相手をよく理解することが大切です。相手をまず理解しようとすることで、初めて相手もあなたを理解してくれるのです。

第六の習慣 相乗効果を発揮する

第六の習慣は、「相乗効果を発揮する」です。

相乗効果とは、1+1が3かそれ以上になることです。

異なる考え方がぶつかって、新たにできる案は「妥協案」ではなく、相手と自分の相違点を克服した「第三案」です。
相手の相違点は「障害」ではなく、第三案を生むための「機会」
です。

そのため、相違点が大きければ大きいほど、Win-Winとなる創造的な第三案が生み出された時の相乗効果は大きくなります。相乗効果を得るためには、Win-Winの考え方を理解し、相手を理解して理解し合うことが前提となるので、第四の習慣と第五の習慣を身につけておくことが必要となります。

最後にもうひとつ、「第七の習慣」があります。これは、私的成功と公的成功を含めた全体に関わる習慣です。

第七の習慣 刃を研ぐ

第七の習慣は、「肉体」「知性」「社会・情緒」「精神」の刃を研ぎ続けることです。

私的成功・公的成功を継続し、さらに進化させるためには、たえず学び磨き続けることが必要です。
蒔いた種の分しか刈り取ることはできません。インプットした分だけ、アウトプットできるのです。

学び、決意し、実行するといったサイクルを螺旋状に積み上げていくことで、自分自身を再新再生(リフレッシュ)していくことができます。

以上、「7つの習慣」のエッセンスを5回にわたって、簡単にご紹介してきました。

「7つの習慣」には、実際にはまだ様々な内容があり、非常に奥が深いものです。
以前に学習したことのある人でも、一度学習しても何年かしてまた学習し直すと、自分の成長によって感じ方が変わり、新たな発見や気付きがいくつも出てくるでしょう。

ぜひ、通信研修 ~ビジネスに活かす~「7つの習慣®」で「7つの習慣」を学び、仕事ばかりでなく、あなたの人生そのものを豊かで実り多いものにしてくださいね!

※「7つの習慣®」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の登録商標です。

通信研修 ~ ビジネスに活かす~「7つの習慣®」チームリーディングに関連した「7つの習慣」のベースとなる考え方について、5回に分けてご紹介しています。