ビジネスに活かす「7つの習慣®」とは 【第3回】リーダーシップとマネジメント

第3回 「リーダーシップとマネジメント」

「7つの習慣」の基本的な考え方についてご紹介する第3回目は、「リーダーシップとマネジメント」についてお話します。

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントの違いをご存知ですか?

リーダーシップとマネジメントの違いについては、いろいろな考え方がありますが、『7つの習慣』では、次のように述べられています。

マネジメントは手段に集中しており、どうすれば目標を達成できるかという質問に答えようとするものである。一方、リーダーシップは、望む結果を定義しており、何を達成したいのかという質問に答えようとするものである。

『7つの習慣~成功には原則があった』キングベア出版

組織の進むべき方法を定める、戦略を決める、組織を構築する、メンバーが効果的に働くことができるように考える。このように何をすべきかという「What」を考えていくのがリーダーシップです。

一方、定められた戦略に従って、いかに効率よく仕事を進めていくようにするかという「How」を 考えていくのがマネジメントということですね。

第一の創造と第二の創造

物事を創り上げていくときには、まず頭で考えて計画・設計する段階と、それを実際に実行して創りあげる段階の2つの創造があります。

この2つの創造の前者を「第一の創造」、後者を「第二の創造」といいます。

前者が第一の創造といわれているのは、前者(頭で考えて計画・設計する段階)がなければ、後者(実際に実行して創りあげる段階)があまり意味をもたなくなるからです。
たとえば、設計図なしに家を建てることは難しいですし、シナリオを作らずに映画を作ることは困難ですよね。

この2つの創造をリーダーシップとマネジメントに当てはめると、リーダーシップが第一の創造で、マネジメントが第二の創造になります。

何をすべきかという「What」-リーダーシップ- があるからこそ、定められた戦略に従って、いかに効率よく仕事を進めていくようにするかという「How」-マネジメント- の意味が活きてくるのです。

あなたの組織では、ビジョンは明確になっていますか?
細かな管理資料だけ増えてはいませんか?
皆でめざして行くべき方向性は定まっていますか?

コヴィー博士は『7つの習慣』のなかで、「ほとんどの組織はマネジメントのしすぎ、リーダーシップのなさすぎである」と述べています。

リーダーシップとマネジメントは両方、バランスよく必要です。
あなたの組織ではいかがでしょうか?

マネージャーの2つの過ち

コヴィー博士は、マネジメントについて、「2つの過ちを犯しがちだ」とも述べています。

1つ目の過ちは、「自分自身がマネジメントできていないのに、他人をマネジメントしようとすること」です。

自分自身はさておいて、部下の管理ばかりを強化するようなマネージャーに心当たりはありませんか?
このようなマネージャーは、当然、メンバーの信頼を得ることは難しくなります。

2つ目の過ちは、「メンバー自身にマネジメントさせることをせずに、自分がメンバーをマネジメントしようとすること」です。

メンバーを管理しようと意気込んで、メンバーの仕事にいちいち口をはさみ、指図しているマネージャーに心当たりはありませんか?
このようなマネージャーの下では、メンバーの自主性や主体性が育つことは困難です。また、職場の相乗効果があまり期待できないため、成果においてもマネージャーの能力を超えることがなく、すぐに限界に達してしまうでしょう。

「マネジメントのしすぎ、リーダーシップのなさすぎ」には、十分気をつけなければいけません。

※「7つの習慣®」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の登録商標です。

通信研修 ~ ビジネスに活かす~「7つの習慣®」チームリーディングに関連した「7つの習慣」のベースとなる考え方について、5回に分けてご紹介しています。