ビジネスに活かす「7つの習慣®」とは 【第4回】私的成功

第4回 「私的成功」

「7つの習慣」の基本的な考え方についてご紹介する第4回目は、「私的成功」についてお話します。

私的成功とは

「7つの習慣」は、バラバラの習慣を7つならべたものではありません。
成長へのステップを段階的に示し、これを着実に身につけることでビジネスの成果を得ることができます。また、有意義な人生を送ることもできるのです。

第一の習慣から第三の習慣までは、「自立するための習慣」です。

自立と言っても、経済的な自立を意味しているわけではありません。
本当の意味での自立とは、他人のせいにしたり他人に依存したりすることなく、自分自身で強い意志を持ち、原則に基づいて自制しながら、自己の責任で行動することです。

このような真の自立を手に入れることは、個人として大きな成功といえるので、「7つの習慣」では「私的成功(Private Victory)」と言っています。つまり、第一の習慣から第三の習慣は、「私的成功」をめざすための習慣とも言えるということですね。

では、ここで第一の習慣から第三の習慣までの概要をみていきましょう。

第一の習慣 主体性を発揮する

第一の習慣は「主体性を発揮する」です。

自分自身の反応や行動は、すべて自分自身が選択することができます。

これは、第2次世界大戦中のナチスの収容所のような極限状態の中でも、他人をいたわったり助け合ったりした人がいたことでも明らかです。
たとえ物理的にどのような制限が加えられていても、その中で自分が考え、できる範囲で行動できる自由があるのです。

「問題が自分の外にあると考えるなら、その考えこそ問題である」と、コヴィー博士は述べています。

自分ができることは何か。それによって周囲にどのような影響を与えていけるかを考え、行動することから全てが始まります。

第二の習慣 目的を持って始める

第二の習慣は、「目的を持って始める」です。

人は自分が何を大切にして、どのようなことを達成したいのか。それを考え抜き、明確にしてから行動に移すことが大事です。

しかし、私たちは日々の忙しさの中で、どこに行こうとしているのかを忘れてしまいがちです。

そこで、例えば、「自分の葬儀の場で参列者に自分はどのような人だったと言われたいのか」「あるいは余命を宣告されたら、自分は死ぬまでに何をやり遂げたいのか」そんな質問を自分に投げかけてみてはいかがでしょうか。

自分自身のミッション・ステートメント(自分の使命の宣言)は何かを考え書き記すことで、自分の中に揺るぎない方向性を持つことが大切です。ミッション・ステートメントは、後で変更してもかまいません。それを考え、見直し、行動に移すプロセスが重要なのです。

第三の習慣 重要事項を優先する

第三の習慣は、「重要事項を優先する」です。

私たちは、色々な役割を持ち、いろいろやるべきことがあります。「重要なこと」「そう重要でもないこと」「緊急なこと」「緊急ではないこと」・・・。

あなたなら、どの順番で取り掛かりますか?
こう聞くと、「緊急なこと」と考える人が多いのではないでしょうか。

しかし、このなかから最優先すべきは、「重要なこと」です。

「重要であり、緊急でもあること」は、やらざるを得ないので自然に実行していくことでしょう。
でも、「重要だが、緊急でないこと」は、意識的に優先して実行しない限り、何時まで経っても実行されずに後回しになってしまいます。

充実した人生を送るためには、これらをきちんと実行することが必要なのです。
そのためには、自分にとって何が大切で、何を最優先すべきかを明確にしておかなければなりませんし、主体的に実行できるパラダイムを持っていなければなりません。ですから、第二の習慣、第一の習慣がその前に必要なのです。

私的成功は真に自立することであり、自己を高めることでもあります。
それは、自分の人生を自分でコントロールするためのセルフ・リーダーシップを身につけることと言っても良いでしょう。

※「7つの習慣®」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の登録商標です。

通信研修 ~ ビジネスに活かす~「7つの習慣®」チームリーディングに関連した「7つの習慣」のベースとなる考え方について、5回に分けてご紹介しています。