ビジネスに活かす「7つの習慣®」とは 【第2回】インサイド・アウト
第2回 「インサイド・アウト」
「7つの習慣」の基本的な考え方についてご紹介する第2回目は、「インサイド・アウト」についてお話します。
まず自分から始める
あなたは、何かが上手くいかなかった時、「自分以外の○○のせいだ」と考えてしまうことはありませんか?
- ゴルフでスコアが上がらないのは、指導したコーチのせいだ。
- いまひとつ業績が上がらないのは、景気が悪いからだ。
- 商品が売れないのは、ろくな商品を開発しない開発スタッフのせいだ。
物事が上手くいかない理由を自分以外の何かのせいにしておけば、自分は傷つかず、こんな楽なことはありません。でも、こんなことを言っていても、何も状況は変わりません。
「状況を変えたければ、まず自分たちを変えなければいけない」とは、コヴィー博士の言葉です。他の誰かの問題ではなく、自分自身の問題なのです
- ゴルフのスコアを上げたければ、頑張って練習を重ねること。
- 業績を上げたければ、上げるための方策を様々な角度から考えて実行に移すこと。
- 売れる商品が欲しければ、まず自分自身が顧客の要望を聞いて、実現可能な商品の提案にまとめあげ、開発スタッフに働きかけること。
このように、まず自分自身から始めるアプローチを「インサイド・アウト」のアプローチといいます。
他人や環境に依存するアプローチが「アウトサイド・イン」のアプローチと呼ばれるのに対して、「インサイド・アウト」のアプローチでは、他人や環境などに左右されずに、「自立」することが求められます。
「トリムタブ」になろう
でも、「自分ひとりが何かやっても、そう変わるものではないし・・・」と思うかもしれません。
本当にそうでしょうか?
「トリムタブ」というのをご存じですか?
トリムタブとは、船についている小さな舵のことです。トリムタブは小さいものなので、比較的簡単に動かすことができます。

タンカーのような大きな船の進む方向を変えるには、大きな舵が必要です。舵は大きいものだと、10階建てのビルと同じくらいの大きさになるものもあるそうです。このような大きな舵を動かすことは、大変大きな動力が必要となります。
そこで活躍するのがトリムタブ(小さな舵)です。
トリムタブを動かすことによって水の抵抗力をコントロールし、水の流れを利用して大きな舵を動かします。これにより、大きな船の方向を変えることができるのです。
これは、小さな行動が流れを生み出し、やがて大きな転換につながる例えとして、本コースのDVDの映像でも取り上げられています。
この他にも、DVDの映像の中では、アメリカのある荒れた小学校に赴任してきた女性の校長先生の例が紹介されています。
校長先生は赴任するとまず、異臭が取れないトイレを自ら掃除してきれいにしました。すると、そのことは生徒や教職員、親、そして他の地域の人達にまですぐに知れ渡りました。
つぎに彼女は、毎日汚れた服を着てくる生徒が多いことに気付き、「汚れたままで気にならないのでは学習にも影響する」と考え、洗濯機を購入しました。汚れた服を着てきた生徒がいると着替えさせて、スタッフやボランティアが下校時間までの間に洗濯してきれいに畳んで返すことにしたのです。
また、ときには生徒のために食料を調達したり、治療を受けさせたりもしました。
このように生徒の学びを妨げる小さな問題を次々に解決していくと、「行動を起こす」という文化が教員やスタッフに次第に浸透し、学校全体の成績は飛躍的に伸び、学校は生まれ変わりました。
彼女は、トリムタブとなって周囲の人々に影響を与え、方向を変えたのです。
あなたも、行動を起こしてみてはいかがでしょうか。大きな行動ではなく、あなたが無理なくできるところからで構いません。まずは行動を起こすことが大切です。
※「7つの習慣®」は、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の登録商標です。
通信研修 ~ ビジネスに活かす~「7つの習慣®」チームリーディングに関連した「7つの習慣」のベースとなる考え方について、5回に分けてご紹介しています。