【リスキリング企業事例②】トラスコ中山株式会社様「日本のモノづくりのお役に立つためにDX戦略で"ありたい姿"を実現する」
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トラスコ中⼭株式会社 概要
プロフィール
喜多 智弥 氏
採用や教育などの「人」に関わる部門やコンプライアンスに関わる研修を担う部門、中山哲也社長の考えを社員に伝える役割も担う秘書課など、4つの課の責任者を兼任。
堀越 絵梨香 氏
人材育成全般を担当し、社員のスキルを高めてパフォーマンスをあげるきっかけづくりとなる研修の設計、オンライン学習、通信研修などの企画運営を担う。
――DXを推し進める背景や取り組み内容について教えてください。
我々は常に「日本のモノづくりのお役に立ちたい」と考えています。そのための手段の一つとして必要だと考えるからこそ、デジタル化に力を入れています。
当社を取り巻く業界は、かつては紙やFAX、電話が中心の取引で非常に非効率でした。「問屋」としてサプライチェーンの中流にいる当社がITを活用してデジタル化をすることで、サプライチェーン全体の商習慣を変えて利便性を高め、日本の製造業全体に貢献していきたいと考えています。
このような背景のもと、2019年にはあるべき姿やIT投資、人材配置等を策定しました。さらに2020年8月に本部名称を情報システム本部からデジタル戦略本部へと改称し、従来のITの枠にとらわれずDX戦略を推進していく方針を明確にしました。
――リスキリングにはどのように取り組んでいますか?
デジタルに関して、リスキリングに特化した取り組みはデジタル戦略本部が担い、人材開発課としてはデジタルの強化という観点で次世代リーダー候補の研修を行っています。
システムベンダーであるSAP社の中途社員の方々と当社の次世代リーダー候補を集め、デジタルを活用した新規ビジネスの創出を行うという研修です。 当社のビジネスについて他社目線でアイディアをいただいたり、企業文化や考え方の違いを知る機会となったり、参加者がよい刺激を受けていると感じます。勉強会が終わった後もアイデアを磨き上げ新規プロジェクト化を行うケースもあります。
研修に参加することでマインドの変化が起き、「もっとチャレンジしていいのだ」ということに気づく人も多いです。そのような気づきを得る人をいかに増やしていくかが大切だと考えています。
当社はまだまだデジタル化に取り組める余地があり、配属地や年代によって推進度合いに差があるという課題もあります。デジタル戦略本部ではオンライン学習や資格取得に向けた学びを実施しており、人材開発課としても次世代リーダー研修のように社員が社会の変化等に気づくきっかけづくりに力を入れ、社員が「学びたい」と思ったときに学べる環境を整備していくことを重視しています。
――通信研修はどのように活用されていますか?
通信研修は、全社的なデジタルスキルの底上げに役立つと考えています。数年前までは、「ボールペン字講座」が人気でしたが、最近はExcelやプログラミング、MOSなどパソコンスキルに関連するコースを選ぶ人が増え、社員の学びたいスキルにも変化があると感じています。
――デジタル化の加速等に関して人材育成の展望をお聞かせください。
当社でも出荷作業が機械化されたり見積業務をAIが担うようになるなど、デジタル化による大きな変化が起きています。 今後はこうした変化に対応できるヒューマンスキルが重要になってくるのではないかと考えています。当社はデジタル戦略本部長と人材戦略を担う経営管理本部長が兼任となっていることもあり、デジタル化のための教育投資を進めやすい環境があると感じています。また、各支店に「DXオフィサー」を設置し、全社員がデジタル活用ができるような体制を構築しています。
【デジタル推進部の役割】
お客様の利便性向上、サプライチェーンの効率化に取り組んでいます。実現には、お客様の課題把握が大切になります。そのため、お客様の声を一番把握している営業と密接にコミュニケーションをとるようにしています。デジタル推進部が旗振り役となって、会社横断で取り組んでいます。
――最後に、人材育成への思いをお聞かせください。
デジタルに取って代わられる仕事があるということは、今後は人にしかできない仕事にフォーカスできるということですから、未来には希望しかありません。そのような社会の変化に気づいてもらうきっかけづくりを継続していきたいと思っています。
社員がやりたいことを見つけられれば、自発的に仕事に取り組みやすくなり、能力もより発揮できると思っています。社員の意見を取り入れながら、通信研修などの手段も使ってやりたいことを見つけられる環境をつくり、自己成長できるところを一緒に探していきたいですね。
(2021年9月17日オンラインにて取材)
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