大学教授が処方するビジネスパーソンのための英語学習法《TOEICスコア800点以上の場合》

大学教授が処方するビジネスパーソンのための英語学習法《TOEICスコア800点以上の場合》

こんにちは。産能大でビジネスに関連する英語科目を担当している大橋です。

忙しい毎日、なかなか自身の語学力向上に時間を割けないビジネスパーソンのみなさんに、TOEICスコア別の英語学習方法をまとめました。
ご自身の現在のスコアと照らし合わせながら、これからの英語学習の指針にして頂けましたら幸いです!

英語上級者の勉強法 TOEIC 800点以上の人はこちらの処方箋が有効です!

流暢な英語で会話できる人と、できない人で二極化されます!

これがTOEIC上級者の現実です。「スコアは取れるのに話せない人」を脱するためには・・・

TOEIC 800点の人は、とにかくアウトプットの練習をすることが重要です!

これはひとえに、TOEIC対策ばかりをして、アウトプットの練習をしてこなかったことに要因があります。

このレベルですと、リスニング力はかなりあるので、ここでは英語を声に出すことで、話すことへつなげていきましょう。

音読の材料ですと、TOEICの教材ならば、 リスニングのPart 3 とPart 4とリーディングの長文部分もいいと思います(こちらはなかなか音源がないのですが…)。Part 3やPart 4で、まだ聞き取れていない部分がある場合は、ディクテーションで確認しましょう。また、シャドーイング(スピーカーの声に合わせて、たたみかけるようにリピートしていくこと)もいいと思います。

英語を大量にインプットできる環境を作りましょう!

英語の表現力をより向上させるためには、正しい英語の大量インプット、つまり読むことと聞くことがさらに必要です。
特に日常的に英語を使っていない人は、英語環境を自分でつくる必要があります。

 日常の英語環境 その1

スマホやSNS、目に触れるものはすべて英文表記に変更しましょう!

スマホ、PCの設定を英語表示にして、目に触れるもののほとんどを英語にしましょう。
Facebookでは英語のメディアニュースページ(例えば、ABC News、BBC、Time、Newsweek等)にいいね!(Like!)をし、英語の情報が自然と入ってくるようにしましょう。Twitterは英語で発信するのもよし、発信までしなくても、英語の情報をフォローするといいでしょう。
SNS(英語ではsocial mediaという)をやっていない人は、英語ニュースメディアをネットでチェックしましょう。

スマートフォンの画面の写真

 日常の英語環境 その2

TEDでプレゼンテーションとシャドーイングの勉強をしましょう!

TED Talksのプレゼンテーションもおすすめです。
20分程度のプレゼンテーションで、教育、ビジネス、科学、テクノロジー、心理学、言語習得など多岐にわたるトピックが網羅され、無料で提供されています。ご存じでない方は、一度ご覧になるといいと思います。スクリプトもありますし、全プレゼンテーションではないですが、スクリプトの日本語訳や日本語字幕もあります。
TED Talksがいいのは、内容だけでなく、プレゼンテーションの仕方も学ぶことができることです。気に入ったプレゼンテーションがあれば、シャドーイングをするのもいいと思います。

プレゼンテーションの様子の写真

 日常の英語環境 その3

本好きな人には、洋書やaudiobooksがおすすめです!

本好きな人には、ぜひ洋書を手に取ってみてください。洋書の新刊ハードカバーは大きく持ち運びも大変ですし、満員電車には向かないということであれば、電子書籍です。 また耳からの英語として、audiobooksをぜひお試しください。

audiobooksとは本の朗読です。おすすめは著者自身の録音です。大統領、要職経験者、俳優やミュージシャンなど著名人の自伝がなんと本人自身の録音で出ていて、値段以上の価値があります。また、小説なども著者自身のナレーションもありますが、違うナレーターでも、感情豊かな朗読で思わず引き込まれるものが多いです。

評がありますので、チェックしながら購入してはいかがでしょうか。audiobooksでナレーションを聞きながら、本(電子書籍)で文字を追って読むのもいいでしょう。日本のアマゾンでも提供していますが、本家のaudible.comの方が圧倒的に作品が多いです。

洋書の写真

 日常の英語環境 その4

英米の映画やドラマで予告編や原題と邦題の違いをチェック!

映画やドラマがお好きなら、ネットのサブスクで英米の映画やドラマを見るのもおすすめです。
時間がなければ映画やベストセラー本のあらすじ (plot)や批評(review)だけでも英語で読んでおくのがいいでしょう。

また、映画のtrailer(予告編)だけでも見ておけば、ちょっとした話題に入っていくことができます。
そのときに忘れずに原題を調べておくようにしましょう。原題と邦題との違いもひとつの話題になります。

例えば、Frozen ( 2013 ) がご存じ「アナと雪の女王」、1960年代の宇宙開発に携わったアフリカ系の女性たちを描いたHidden Figures (2016)が「ドリーム」、2020年9月に亡くなった弁護士から最高裁判事となったRuth Bader Ginsburgの自伝的な作品On the Basis of Sex(2018)が「ビリーブ 未来への大逆転」です。原題の意味を探ってみるのもいいかもしれません。

室内で映画を見る男性の写真

おわりに

以上で、TOEICレベル別の処方箋は終わりです。
いかがでしたでしょうか。

私が皆さんに特にお伝えしたかったのは、基礎的な文法、語法や語順を押さえたうえで日頃から英語を声に出すこと、ディクテーションによるリスニング力アップが鍵となります。そして、さらに表現力を上げるためには多くのインプットが必要であるということです。

そして、最後にもうひとつ。
コロナ禍でオンラインによるコミュニケーションにも、皆さん、だいぶ慣れてきたのではないでしょうか。

そんなときにおすすめなのが、オンライン英会話です。私も始めました。

それぞれに特徴があるので、無料体験をして自分に合ったところを探してみるのがベストです。
料金もまちまちですが、いずれにしても通学の英会話学校に比べて格安です。時間や場所の制約も少ないので、毎日レッスンを受けることも可能です。

本学の学生にもすすめていますが、男子学生は夜中でも積極的に受講していたのに対し、女子学生はなかなかレッスンを受けませんでした。家ではメークをしていないことが結構ネックだったようです。今回、私も家でノーメークのままオンラインレッスンを受けましたが、まったく問題ありませんでした(笑)。当たり前のことですが、講師が注目しているのは受講生の英語だけですので、メークのあるなしや部屋の様子は気にしない方がいいでしょう。

学習をする女性の写真

Practice makes perfect.  
There is no royal road to learning.

私自身も学習者です。皆さんと同様に一生続けていくつもりです。

この方に教えていただきました!

大橋眞紀子 氏
(おおはし・まきこ)

産業能率大学 経営学部 教授

「外国語としての英語教育(TEFL)」を専門分野に、異文化間コミュニケーションや英語での交渉方法などの英語科目授業を担当。
言語習得は間違いをしながら、練習することで上達するという考えのもと、恥ずかしがらずに英語を使っていく姿勢を日々学生たちに伝えている。

プロフィール詳細はこちら

大橋眞紀子 教授の写真

大橋眞紀子 氏
(おおはし・まきこ)

産業能率大学 経営学部 教授

「外国語としての英語教育(TEFL)」を専門分野に、異文化間コミュニケーションや英語での交渉方法などの英語科目授業を担当。
言語習得は間違いをしながら、練習することで上達するという考えのもと、恥ずかしがらずに英語を使っていく姿勢を日々学生たちに伝えている。

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