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~とっさに役立つ英会話~ インバウンド対策English!「vol.6 日時や場所の説明フレーズと、お客様をご案内する準備」


年々高まり続けているインバウンド(訪日外国人旅行)の需要。外国から来た人々とどのようにコミュニケーションを取ればいいかについては、日本に住む多くの人にとって関心の高いトピックといえるでしょう。

本コラムでは、外国の方とのとっさのコミュニケーションに役立つ実践的な英会話フレーズをシリーズでご紹介!
今回は、本コラムシリーズの集大成として、東京オリンピックをイメージした道案内の英会話フレーズをご紹介します。とっさに使える実践的な英語ばかりですので、ぜひ参考にしてください!

vol.6 日時や場所の説明フレーズと、お客様をご案内する英会話

いよいよ今回のメルマガコラムも最終回になりました。
これまで、海外からのお客様へのおもてなしに関連する英語表現や心得をお話ししてきましたが、最後ですので、すぐに来るおもてなしの舞台例として、オリンピックやパラリンピックを意識しつつ、なかなかぱっと表現が出てこない“日時や場所、ルートの案内”における具体的表現を補足しておきます。

「新国立競技場」付近で言われたと想定した道案内例。

We want to see Badminton Women's Singles Quarterfinals.

「バドミントン女子シングルス準々決勝」を見たいです。

It's July 31, from 9:00 to 12:30 at Musashino Forest Sport Plaza.

7月31日、9時~12時半、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」です。


ルート案内では、簡単なストーリーの骨組み作りをしましょう。
私の場合は「❶現在地 → ❷目的地 → ❸距離 → ❹行き方」の順序で案内しています。会話にすると以下のようになります。

❶ Now, we are here.
(地図を指しながら)
今私達はこちらにいます。

Musashino Forest Sport Plaza is here.
(地図を指しながら)
「武蔵野の森総合スポーツプラザ」はこちらです。

下線部は、The venue「会場」としても良いです。

❸ It takes about thirty minutes by train. 電車で30分ほどです。

下線部には10、20などの所要時間を表す数字を入れます。


Please take the Sobu line for Shinjuku at Sendagaya station.

千駄ヶ谷駅で、新宿方面の総武線に乗ってください。

Next, at Shinjuku station, please change to the Keio line for Hashimoto.
次に新宿駅で、橋本方面の京王線に乗り換えてください。

Finally, at Chofu station, please change to the Keio line for Takaosanguchi, and get off at Tobitakyu station.
最後に、調布駅で高尾山口方面の京王線に乗り換え、飛田給駅で降りてください。

案内する内容に合わせて、各下線部に利用する駅、電車名、方面を入れてください。

乗り換え案内に関しては、すべての情報を覚えていただくのは大変なので、「出発駅名」→「乗り換えの駅名1」→「乗り換えの駅名2」→「最終下車駅名」と、各駅で「乗車する電車名・方面」を明記したメモを手渡すことをおすすめします。私も海外のお客様への電車案内の際は、必ずそうしたメモを手渡しています。
総じてルート案内をする場合、あなたがどの「現在地」にいるかで使うべき言葉が異なります。自分の活動場所を起点に、案内の展開を確認しておきましょう。

さて、英語でのボランティア活動や案内業務に興味のある方は、普段から「体調を整える」、「混雑に慣れる」、「地理を十分に理解しておく」、「短くシンプルな言葉で表現する」よう心がけてください。どうしても、英語の方に力が入りがちですが、ガイドや案内といった活動は、なにより体力第一です。立った状態での活動も多くなるからです。
また、イベントでのボランティアガイドなどを行う場合、いざ実際の現場では、国内(日本語)・海外(英語)を問わず、不特定多数のお客様をサポートすることになります。英語であっても日本語であっても、案内はできるだけシンプルな言葉で伝え、一人当たりの接客に時間をかけすぎないことが、スムーズな応対につながります。

執筆者からのメッセージ

佐野なおこ

横浜サワディーブリッジ代表
タイ・バンコク元ホテルコンシェルジュ。


これまで長きにわたりコラム連載をお読みいただきありがとうございました。
私自身、英語を使う接客現場での経験が長いが故に、現場中心のお話が多くなってしまいました。皆さんの中では「ここまで外国人に説明するの?」と驚かれたり、「大人になっても訓練次第で発音は身に付くのね」と希望を抱いたり、いろいろな感情が沸き上がったのではないかと思います。

参考書などでの学習も大切ですが、海外旅行、海外ホテルの予約、SNS投稿、お店に勤務など、皆さんには「相手がいる場で英語を使う機会」をぜひ増やしていただきたいと思っています。「相手のいる場で英語を使う」ことは、とても自由度が高いものです。与えられた宿題をやる、傾向や範囲の決まったテストに備えるような勉強のしかたではなく、「自分の人生の中で英語をどこで、何のために使うのか?」を自ら考えた上で、準備をする必要があるのです。

例えば私の場合は、「どこ=タイのホテルで」、「何のために=世界各国のゲストをもてなす仕事のために」でしたが、「どこ=ニュージーランドで」、「何のために=ラグビーの試合観戦と、美しい自然の動画撮影、英語で配信するために」のような方もいらっしゃるでしょう。特に「何のために」が明確になると、「どの単語や表現を」、「どんな方法で」、「どのくらいの日数で」準備したらよいかを具体的にデザインできるようになりますよね。

日本は英語がなくても暮らしていける国です。日本において英語を学び続けることは、日常生活に不要な負荷を背負うことなのかもしれません。その反面、失敗を覚悟でチャレンジする、異文化や多様な生き方に理解を示す、日本で知り得ない海外のニュースを知るなど、生きていく上でプラスになる要素を得られることも多いのです。英語との関わりをきっかけに、英語以外でも何か一歩を踏み出せるようになったら生きていくのが楽しいだろうなと思います。「英語と関わってよかった」と思える人が増えることを、願ってやみません。

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2か月 4か月 15,400円(税込)