セミナーレポート 「オンラインセミナー映像で学ぶ人事考課」

セミナーレポート 人気セミナー「オンラインセミナー 働き方改革のためのマネージャー研修 各論編」の内容とは?セミナーレポート 人気セミナー「オンラインセミナー 働き方改革のためのマネージャー研修 各論編」の内容とは?

本学では、「オンラインセミナー映像で学ぶ人事考課」を開講しています。今回は、実際に行われたオンラインセミナーをレポート!
セミナーがどのように進められるのか、オンラインにおけるPOINT、登壇講師がオンラインセミナーを行う際に意識していることなどをご紹介します。

担当講師

中拂美樹

学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 研究員
中拂美樹

プロフィールの詳細はこちらから

(オンラインセミナー)映像で学ぶ人事考課 について

管理者には、業績向上による組織の成長と、それを持続化するための人材育成が求められています。このため、多くの企業は、「成果創出までのプロセスを評価する行動評価」と「成果そのものを評価する業績評価」の2つの制度を導入しており、管理者はその運用の中核を担っています。
本セミナーでは、臨場感のある映像教材の活用し、目標設定の方法論や部下との信頼関係を築く面談の進め方、人事考課の原則に基づく評価の判断を分かりやすく学習します。

セミナー内容のご紹介

以下の3点を本セミナーの「目的」としています。

1.人事考課の原理原則を身につけ、評価の納得性を高める
2.演習を通じて、目標設定面談のポイントを理解し、行動評価を模擬体験する
3.他の参加者との情報交換を通じ、学びを共有することで、自社の人事評価を見つめ直す

一般的な人事考課演習では、文字情報で表現されたケースに基づいて行動評価を行いますが、本セミナーでは実務で遭遇しやすい生々しい事例を収録した映像教材を活用します。
また、Zoomの投票機能を用いることで、全受講者の評価の判断状況を瞬時に把握し、全体に共有することが可能です。
評価結果とその根拠、結果と根拠をつなぐ考え方について、自分と他の参加者間の認識の違いを確認することに加えて、講師の解説を聞き、事実に基づく納得性の高い評価結果を導くためのスキルを磨きます。

■実際に行われたセミナーをリポート!  

【オリエンテーション】
3名のグループに分かれて自己紹介を行いました。
〇プレイングマネジャーで忙しく時間がない中で、評価の時間がとれない ・・・
〇テレワークが開始されたが、評価の判断材料となる部下の行動を把握できない・・・
〇数値化が困難なため言葉で表現する質的な定性目標を具体化できない ・・・
などなど…抱えている悩みや問題意識を参加者同士で共有しました。

【セッション1】人事考課の基本
人事考課の3つの目的、「人事考課」と「人事評価」の違い、人事考課の原則など、人事考課の基本的な考え方や押さえるべきポイントを事例を用いてわかりやすく解説いたしました。

【セッション2】組織目標の設定
課題設定の2つのアプロ―チ、目標に求められる5つの要件、定性目標の具体化など、目標設定の方法論や取り入れるべき工夫について演習を通じて理解を深め、
ご自身の目標設定シートの記載内容の妥当性を検証し、改善点を洗い出していただきました。

【セッション3】個人目標への展開(目標設定面談)
目標設定面談の目的や位置づけ、進め方について確認した後、「映像教材を活用した目標設定面談のポイント確認演習」を実施しました。

最初に望ましくない面談事例を視聴し、考課者の問題点についてグループで討議・検討しました。
その後、要点を押さえた望ましい面談事例を視聴し、講師の解説を交え、目標設定面談のポイントの習得に取り組んでいただきました。

【セッション4】期中の行動観察と評価
「映像教材を活用した行動評価の実務演習」を実施しました。
知識の吸収だけでなく、演習を通じた実践の中で行動評価の3ステップを体感し、行動評価に対する理解を深めていただきました。

<行動評価の3ステップ>
〇ステップ1:評価根拠とする行動事実の選定
〇ステップ2:行動事実を評価項目別に分類
〇ステップ3:評価項目毎の評価ランクを決定

【学習内容の振返りとまとめ】
研修で学んだことを踏まえて、これから改善に取り組むことをチャット欄に入力し、受講者間で共有しました。
「記憶」ではなく「記録」に基づいた評価に向け、講義の中で紹介した「部下の行動記録シート」を作成したい!という方が多数いらっしゃたことが印象的でした。

■担当講師に聞く!このセミナーのPOINT

――Q.オンラインセミナーでしたが、登壇された感想はいかがでしょうか?

オンライン研修で使用するコミュニケーションツール「Zoom」の操作に慣れていない場合、
申し込みに際して不安を感じられる方が多いのではないかと思います。

今回のオンライン研修では、受講者に高度なソフトウェアの操作を求めない範囲内でZoomの機能を最大限に活用し、情報交換や討議が充実したプログラムを設計しています。
対面の集合研修と同等の学習効果が得られる研修を実現することができたと認識しています。

――Q.特にオンラインでセミナーを実施する上で、事前に工夫した点や研修中に特に意識した点は?

オンライン研修において口頭説明による情報伝達に頼る場合、受講者の負担が増加し、結果として集中力の低下や飽きを招きやすくなります。
このため、映像教材をプログラムに組み込むことに加えて、講義資料のスライド枚数を対面の集合研修時よりも倍増させ、伝達情報を可能な限り明文化・図解しています

――Q.セミナーをオンラインで実施することのメリットは?

従来の集合型の研修では、受講者が研修会場に出向き、研修に参加する必要がありました。
場合によっては、往復の移動時間だけで半日を要するケースもあり、地方に勤める受講者にとっては移動の負担が大きいことが問題となっておりました。
これに対し、オンライン研修ではPCやスマートフォンがあれば自宅からでも受講できるため、移動時間にかかる時間的コスト、交通費や宿泊費等の金銭的コストの削減が可能になります。

――Q.講師として、このオンラインセミナーのお薦めのポイントは?

オンライン研修というと一方通行の情報伝達をイメージされる方が多いのではないかと思います。

今回のオンライン研修では、講義と演習の時間配分を4:6とし、演習が多めの構成としています。

受講者の集中力を維持することに加え、日常業務でも活用できる実践的なスキルの習得に結びつけるためにも、「知識の吸収」→「個人演習」→「グループ演習」→「知識の吸収」…の流れを繰り返すプログラム構造としています。