ニューノーマルで変わる、大人の学び~リモートでグループ学習をやってみた~【導入編】

ニューノーマルで変わる、大人の学び~リモートでグループ学習をやってみた~【導入編】

ライフが変わればワークも変わり、ラーニングも変わる?!

緊急事態宣言も解除されつつも、いまだ先行きが見えない状況が続いています。
そんな中、世の中を見渡せば、ソーシャルディスタンスやフェイスシールド、オンライン飲み会など、Beforeコロナには無かったものが、生活の中では“あたりまえ”になってきています。
働く私たちも在宅勤務やオンライン会議などがどんどん導入され、ワークスタイルそのものが大きく変化してきています。

では、学習のスタイルはどうなったでしょうか?

自身のキャリアアップや目標に向けて、普段はひとりで行う勉強。それをオンライン上で何人かで集まってやってみたら、一人で学習するよりも、効果もあってきっと楽しいはず!
そんな思いから、『遠隔グループ学習』をやってみることにしました。

遠隔グループ学習に必要なツール類

まず、遠隔グループ学習に必要なツール類とそのポイントをご紹介します。

  • 使用した教材
    通信研修「デザイン思考入門」
  • オンラインツール
    ・Zoom(オンライン会議システム)
    ・Slack(複数人での情報共有ツール)
    ・miro(オンラインワーク作成ツール)
  • 今回使用した通信研修は…

    今回使用した教材は、産業能率大学が提供している通信研修「デザイン思考入門」です。
    選定したポイントは、比較的「ワーク活動」が多いコースであること。知識のインプットに加え、グループで学習することで議論などのワークが活発化し、アウトプットの質が高まると考えました。
    また、通信研修はリポート課題に対して添削講師が評価するので、そのフィードバックも学習の効果性を高める上で重要です。

    オンラインのコミュニケーションツールは必須!

    複数名がリアルではなくオンライン上で集まり、ディスカッションできるツールが理想です。その他にも、取り組んだ課題を紹介したり、アイデアを出し合ったりするときに有効な、画面をリアルタイムで共有できる機能などがあると更に便利です。

    また、学習を進める上では、各自でテキストを読んだり、課題を解いたりする作業を伴います。
    そんな時に、ちょっと気になるポイントやみんなに伝えたい事柄があった時に、いつでも情報を共有できるツールも合わせてあるとよいでしょう。

    参加メンバーは5名 (営業部門1名、管理部門1名、業務部門1名、マーケティング部門2名)

    グループ学習を“誰”と行うかは一番重要なポイントといえます。今回の教材のメインは「デザイン思考」という、最近ビジネスパーソンの間でも注目されているテーマです。さまざまなアイデア出しの場面が想定されるため、部門や職種、年齢に偏りがないよう多様性を重視しました。そして何より、「このメンバーならきっと楽しく学べそう」という期待感があるかないかも、成果を大きく左右しそうです。

    遠隔グループ学習の進め方

    ここでは、遠隔グループ学習の進め方とそのポイントをご紹介します。

    取り組みスケジュール

    1. キックオフミーティング
      学習をスタートするにあたり、参加メンバーの学習目標を共有したり、学習スケジュールを確認し合ったりする場です。各自の家からオンライン上で繋がり、飲み物や食べ物も用意してリラックスした雰囲気で楽しみました。
    2. テキスト学習
      各自でテキストを精読し、印象に残った点や不明点、気づきなどがあれば、Slackを使ってメンバー間で共有します。
    3. リポート課題
      今回受講したコースは、1回目のリポート課題をWeb提出すると即時回答が出るので、メンバー間で提出期限を決めて取り組みました。もちろん、ここは個人で取り組みます。ただし、リポート課題の取り組み方は人それぞれ。テキストをすべて読んでからリポート課題をやる人もいれば、1章ごとにテキストを読み終えたら、すぐにリポート課題に取り組むという人もいました。こういった学習スタイルの違いをオンラインツール上で共有できたことも面白い発見でした。
    4. シェア会
      1週間に1度程度、学習のふり返りや次週の進め方を確認するためのオンライン・シェア会を開催しました。今回のメンバーは土曜日夕方6時という時間帯が集まりやすいということで、土曜の夕方は学習タイムという習慣ができあがりました。ちょうど英会話などのスクールに通う感覚に近いかもしれません。
    5. ふりかえり
      学習のまとめとして、ふりかえりの場面を設定することをおススメします。
      「当初掲げた学習目標に対して、実際やってみてどうだったのか」、「学習した内容を仕事で活かすためにはどうしたらよいか」など、他の人の発言から自分では気づかなかった新たな視点や発見があるはずです。

    オンラインでのグループ学習で中だるみしないポイントは、シェア会に向けて“ファシリテーター役”を決めること。ファシリテーターが率先して発言することでメンバー間の学習意欲が高まるのはもちろんのこと、「早くやらなきゃ!」という焦りも生まれます。迷惑をかけられない気持ちもあいまって、何とかスケジュール通りに進めることができてしまいます。一人での学習では考えられない威力です!

    遠隔グループ学習のエピソード集

    (Aさんのケース)

    仕事に育児に忙しいAさん。勉強したくても普段はなかなか時間が取れません。しかし、緊急事態宣言下で自宅にいる時間が増えたので、“これはチャンス”と、今回のグループ学習に参加。でもスタートしてみて気づいたのは…。とにかく、家にいると、家のことが気になって仕方ありません。いつもなら絶対にやらない冷蔵庫の掃除をはじめたり、カーテンを洗濯してみたり。やりだしたら切りがありません。テキスト学習もままならない中、オンラインツール上では、リポート課題を提出したメンバーがいるではありませんか!我に返り、必死で遅れを取り戻したAさんでした…。


    (Bさんのケース)

    普段は広報関連に携わっているBさん。遠隔グループ学習を始めてから、以前よりも上司や同僚の言動を注意深く観察するようになりました。今回受講した「デザイン思考入門」ではプロジェクトや企画開発をすすめるにあたり、「ユーザーの視点に立つ」「ユーザーの本音とタテマエを考える」といった内容が多く紹介されています。メンバーで毎週テキストの内容について話し合っていると、日常の中で学んだことが活かされる!そんな場面がひとりで学習するよりも多く感じられました。

    オンラインでグループワークをやってみよう

    遠隔グループ学習をスタートするにあたって、オンラインでのグループワークの実施は当初からの必須事項でした。
    オンラインで画面を共有しつつ、ディスカッションをし、何らかの形でその痕跡をアウトプットする。
    職場内でもオンラインミーティングはすでにある程度普及していましたが、オンラインでグループワークをするのはメンバー全員が初めての経験です。果たしてうまくいくのでしょうか?

    気になる続きは「ニューノーマルで変わる、⼤⼈の学び~リモートでグループ学習をやってみた~【実践編】」をご覧ください!

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    (イラストレーション:北村早紀)