ご好評いただいている人事・教育ご担当者向けのセミナーのご紹介 ~「研修運営実務の基本」「研修効果測定法」

ご好評いただいている人事・教育ご担当者向けのセミナーのご紹介 ~「研修運営実務の基本」「研修効果測定法」

人事・教育ご担当者向けのセミナーとして人気のある「研修運営実務の基本」「研修効果測定法」を担当する経営管理研究所 技術経営&コミュニケーション研究センターの山田弘道主幹研究員が、両コースを紹介します。

研修の企画や運営実務ご担当者にお勧めの2コースです。

■研修運営実務の基本
・研修を成功に導く研修運営実務担当者の役割
・良質な学びの環境をどう整えるか

■研修効果測定法
・「学習の転移」を考える
・研修の効果を説明できますか?

学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 技術経営&コミュニケーション研究センター 主幹研究員 総合研究所准教授 山田弘道

両コースを進めるにあたり、担当講師としてこだわっている(大切にしている)点をお聞かせください。

運営実務研修の基本

研修の運営業務は地味な部分が多いですよね?例えば受講生へのメールの案内や会場設営での机の並べ替え・・・。
場合によっては担当者が面白みを感じられず、モチベーションダウンを起こす人もいると聞きます。

でもご存知でしょうか?人間の成長は『経験から生じる』個人の変化を意味します。
つまり良質な経験の場を提供することは非常に重要な意味を持っているんです。良質な学びの環境をどう整えるのか、あらゆるところに工夫の余地があります。
参加者全員でこれを考えていきたいと思っています。

研修効果測定法

こちらのコースにはよく「上司から実施中の研修の効果を説明しろと言われて困っています!」という切実な要望を持って来られる方が多いですね。
そんな駆け込み寺(笑)として、受講者が「研修とは?・効果とは?・測定とは?」という問いをシンプルに理解し、実務者レベルで自信を持って説明ができるような理論武装をご提供しています。

そして一歩進んで、受講生により良い“学び”を提供するために、この効果測定の活動をどのように活かしていくのかを前向きに議論できるような場づくりをしてもらいたいと思っています

両コースの中でぜひ体験してもらいたい演習やアウトプット(シート類含)をご紹介ください。

研修運営実務の基本

良質な経験の場を彩る様々な要素を参加者全員で検討しています。

例えば「受講者のメンバー構成」は研修の成功の重要な要素ですが、具体的には何をどう調整すればいいのでしょうか?
これについて皆で意見を出し合うのですが、毎回模範解答に無い意見が出るので講師としてもいつも新鮮な驚きを感じます。
やはりこういった小さな工夫を凝らしている組織の研修運営には光るものがありますし、その熱意は受講生にきっと伝わるだろうと思っています。

研修効果測定法

D・カークパトリックというアメリカの研究者が提唱している「研修効果測定の4段階」という考え方をご紹介しています。

シンプルな理論なので運用には工夫が必要なのですが、これに本学の独自のノウハウや調査を加味しています。

例えば本学が独自に行った統計分析から分かった“研修満足の条件モデル”というのがあるのですが、これを基に研修の満足度を図りつつ、改善のヒントを得るためにはどのような設問や構成が良いかを話し合ったりしています。
本学独自の味付けは理論を実務で活かすために必須の要素と思います。
Kirkpartrick,D.L.1975のモデルを抜粋して作成
Kirkpartrick,D.L.1975のモデルを抜粋して作成

これまでの受講者の反応や質問、意見として印象に残っていることはありますか。

研修運営実務の基本

大きく2つの意見が聞かれます。

まず先ほどお話しした“研修の運営業務は地味でやりがいがないと思っていたが、実は奥が深そうな気がしてきた”という声です。
「気がしてきた」というあやふやな感じが気になりますが(笑)、実際に現場に戻って自分の担当業務を見直したときに、まだまだ工夫の余地があるという実感を持たれるようですね。

もう一つは、研修の計画から撤収・評価までと業務の流れに沿ってポイントを考えていくので、体系的に業務を見直すきっかけになったという声が上がります。
調べてみると、あまりこのタイプの内容のコースは存在しないようなので、研修運営の経験者でも学ぶ余地のある内容なのだと思います。

研修効果測定法

ある外資系企業の担当者の方が、これまでに掛けた研修費用の総額と、その後の部門業績一覧をお持ちになり、「研修効果は何%でしょうか?」とご質問に来られたのが印象的です。
ここでも本学の実態調査と分析結果をお伝えして、「企業業績と研修費用を直接対比すると矛盾が生じる」という考えをご紹介したところ、ホッとした様子で「やっと納得できる説明が聞けました。
明日は役員に自信を持って説明できそうです!」と明るい顔で帰って行かれました。
役員をはじめ研修に関心を持たれる方と、研修を企画・運営している現場との温度差を感じたエピソードですね。

人材教育ご担当者へのメッセージをお願いします。

研修運営実務の基本

一昔前は研修部門への配属がうらやまし気に語られた時期もありましたが、昨今ではやや会場設営の肉体的負荷などが敬遠されてか人気部署とまでは言われなくなってきました。
しかしこの業務の重要さはいささかも色褪せませんし、逆に人材育成や学習心理学などの知識を持たないままに従事していてはやりがいも半減すると思います。
この機会に研修運営の重要性をいろいろな組織の壁を越えて語り合うのもいいのではないでしようか。

研修効果測定法

研修を企画されるスタッフの皆様は、近年「説明責任」を強く求められていると感じますね。
経営の環境が厳しくなるとコストの使い道に眼が向きがちになるので、研修費用も例外ではないのでしょう。
ところで、研修はコストなのでしょうか?それとも投資?両者の差は?などなど実は私たちは知っているようで知らないことがまだあるようです。
お忙しい毎日の中ではこれを突き詰めて考えるなど、他のメンバーと意見交換する時間はあまり持てませんから、この場を立ち止まり考える場所としてご活用いただければ幸いです。