株式会社NTTデータ ユニバーシティ 様「IT時代であっても普遍的に求められる "人"の基盤スキルをいかに高めていくか」

株式会社NTTデータ ユニバーシティ 代表取締役社長 冨岡 洋子氏
自社で人材育成に関する企画・開発を行うとともに、自社グループ内外に研修サービス提供をしているNTTデータ ユニバーシティ。多数の研修事業会社とのアライアンスによって、最適な研修の提案およびアウトソーシングを実現している。同社が取引する多くのパートナーの中で、産能マネジメントスクールは2017年度に「Excellent Service Quality Award」を受賞、本学の提供する公開セミナーに対し高い評価をいただいた。3,000を超える研修を扱う同社が考える、いまの時代に求められている人材育成とは。代表取締役社長 冨岡氏、サービスディベロップメント部の鍋島、志村、中村の諸氏にお答えいただいた。

人材育成のすべてを ワンストップで提供できるケイパビリティ。

─ 御社は日本でも数少ない「マルチベンダ型」で人材育成研修を提供されています。どういう背景があって、こうした 独自のサービス展開をされることになったのでしょうか。
冨岡 もともと私どもの会社は、NTTデータの人材開発部が前身で、2001年に設立されました。当初はNTTデータおよびグループ会社の人材育成の基盤を形成することが主であり、長年にわたって多くの人材を育ててまいりました。その中で培ってきた実績とノウハウは非常に特徴があり、いわば当社の強みです。この強みをさまざまな企業様から高く評価いただき、近年はNTTデータグループ以外の企業様からも研修のご相談、ご依頼をいただくようになりました。
─ その強みとは具体的にはどのような領域にかかるものなのでしょうか。
冨岡 私どもの強みと特徴は大きく二つあると考えております。まず一つは、ITという領域です。NTTデータグループそのものが、現在、売上高として当期2兆円を超えており、国内だけの人員も3万5千人を数えております。IT技術はもちろんですが、例えば、大規模なシステム構築の際には、プロジェクトマネジメント力が非常に重要になってきます。システム構築そのものに対しても、ソフトウェア工学などさまざまな教育が必要です。多くの社員に対する人材育成を担い、ITに関わる分野のナレッジやクオリティを磨き続けてきた実績は、私たちにとって非常な強みとなっています。
 もう一つ、人材育成のカリキュラムをコーディネートし、実際に企画運営して、なおかつその結果を分析してPDCAを回していくという人材育成のプロセスそのものも非常に大きなソリューションと考えております。企業パフォーマンスを最大化するために、お客様に寄り添い、人材育成の上流の工程から企画運営、さらにその先までを含めてワンストップでご提供できるケイパビリティを持っているということも、私たちの強みになっているのではないかと考えています。
─ 今後、拡充していくテーマや領域、サービスなどがあればお聞かせください。
冨岡 私たちは、人材育成業務全体を支援するため、3つのサービス領域を定めています。教育コンテンツ開発やコンサルティングを行う「エデュケーション」、研修の実施運営や人材育成に関する業務プロセスを支援する「オペレーション」、そしてその基盤となるラーニングマネジメントシステムやファシリティを提供する「プラットフォーム」です。EdTechなどのトレンドも加味しつつ、これらのサービスそれぞれに磨きをかけていこうとしています。
 また、個別のテーマとしては、どの企業様にとっても組織を強くするというのは共通の課題でありますが、そのために必要不可欠なリーダーシップやマネジメントなどは、ここ最近でかなり潮流が変わってきていると感じています。私たちもその変化をしっかりとキャッチアップしていかなくてはなりません。その分野では貴学のご経験や深い知見は非常に心強く感じております。
─ 最後に冨岡社長個人でお感じになられている人材育成の魅力についてお聞かせください。
冨岡 社としても私としても目指すところは、“人”と“組織”のパフォーマンス向上をご支援することを通じて、お客様の発展に貢献していくことです。昨年就任して以来、日々、人材育成の面白さや難しさに直面していますが、私たちが向かい合う”人”という存在は、常に変化し、成長していく可能性を持っています。そうした成長にいささかなりとも関われるということが、人材育成の醍醐味だと感じているところです。

NTTデータ ユニバーシティにおける サービスディベロップメント部とは。

(左)サービスディベロップメント部 課長 志村 康行氏 (中)同 部長 鍋島 七月氏 (右)同 中村 和美氏
─ サービスディベロップメント部の概要とそれぞれの仕事の内容について教えていただけますか。
鍋島 サービスディベロップメント部では、人材育成を支援するサービスを全般的に開発しています。先ほど冨岡が触れましたが、人材育成の方法は研修だけではないと私どもは考えておりますので、エデュケーション、オペレーション、プラットフォームという形でさまざまなサービス開発を行っています。

志村 私が主に担当しているのは、研修事業会社であるパートナー様がお持ちの各研修と連携する「提携研修」と言われている領域と、人材育成のコンサルティング、そしてテクニカル系の研修開発になります。

中村 私も同じく、約50社の外部パートナー様が持っていらっしゃるおよそ3,000コースの研修との連携を担当しております。いま一番ニーズがあるものや、どういったものを各パートナー様が強みとして持っていらっしゃるかというところを情報共有しながら、当社に取り入れて提供しています。

普遍的に求められる ビジネススキルとヒューマンスキル。

─ 外部のパートナー、教育団体を選定するにあたっての基準や目的について教えていただけますか。
鍋島 まずわれわれが急務と考えているのが、デジタル人材育成に関わる研修コース群です。これだけ大きく世の中がデジタルにシフトしていく中で、技術はもとより、組織風土・改革や思考法、マネジメントのあり方といったものまでが変わり、IT業界のみならず産業界全体が大きく変わる時期に差し掛かっています。ここを強化すべきテーマとしてとらえているのですが、領域が多岐にわたるため自社研修だけではカバーできないと考えています。やはりスピードと品質を重視する観点からも専門性の高い貴学のようなパートナー様と組んで、ニーズにお応えするという形がベストだと考えています。

志村 ニーズで言えば、コミュニケーションやロジカルシンキングといったカテゴリーは長年変わらず人気があると思います。単にITやテクニカルな部分だけでなく、それを支えるベーシックなものとして論理的思考やコミュニケーション能力は時代の変遷に関わらず求められているのだと思います。

鍋島 技術がどんなに進んでも人との関わりはなくなることはなく、より重要性は高まってきています。

しっかりと体系的に学ぶとき 選ぶのは産能。

─ 本学のセミナーを受講されたご感想はいかがでしょうか。
志村 長年、研修を提供されてきた強みだと思うのですが、品質が安定していて、お客様の声としてドキュメントがかなりしっかりしているというような評価を聞くことが多いですね。安心して受講できるというのはよく聞くところです。

中村 最近特に印象的だったのが、貴学の研修を受けに行った翌日、さっそく受講したことがすぐに活用できたという声があったことです。現場で活用できたというような声が評価としてよく上がってきています。

鍋島 代官山というロケーションも貴学の魅力の一つだと思います。学ぶということは、ふだんの仕事を離れた非日常になりますので、どういうロケーションで学ぶかということは意外と受講される方たちには重要なのではないかと感じています。昨今、学び方は多様になってきていますが、きちんとした方法論で、しっかり時間をとって学びたいときは産能マネジメントスクール様を選んでいます。貴学は、長年にわたって人材育成に携わっていらっしゃったというバッググラウンドもあり、きちんと体系的に学びたい、しっかりと骨太に学んでいきたいときにふさわしい場だと思っています。
 また貴学のコース名は一見しただけで、誰のための何のコースなのかということが明確に分かります。これは大事なところで、こういう研修だと思っていったら違ったというのは避けなくてはいけません。名は体を表わすではないですけども、貴学はそういうところも誠実に取り組まれているという印象があります。

ライブでしか伝わらないものがある。 それが集合研修(セミナー)の魅力。

─ 最後に、私どものセミナーに対する評価をひと言で語るとすればどのような言葉になるでしょうか。
そしてどんなことを期待されますか。
鍋島 他流試合の良さということですね。他社の方々と一緒に研修を受け、グループディスカッションをすることによって気づくというスタイルが、いまニーズとしても高まっているのではないかと思います。社員にもう少し視野を広げ、普遍的な力を身につけて欲しいというのは人材開発担当の方からよくお聞きすることです。そういう意味でもオープンコースというのはとてもいいと思っています。
 テクノロジーが進んでいますので、e-ラーニングで事が足りてしまうようなこともあるでしょう。しかし、それでは伝わらない、ライブでしか伝わらないものがありますし、他社の方とディスカッションする中で自分で気づきを得るというのは集合研修(セミナー)ならではの良さだと思います。

中村 いまの時代は、学ばないと業界についていけないという危機感を持っていらっしゃる方も増え、継続的な人材育成を行わなくてはいけないと考えていらっしゃる企業も多くあります。そのとき、研修メニューの充実や受講環境の整備などが大変重要になります。貴学は大学もお持ちでいらっしゃいますし、非常に多くの知見を持たれているので、その点でも一緒にいろいろなことができるのではないかと期待しています。これからの人材育成をともに牽引していきたいと願っています。

株式会社NTTデータ ユニバーシティ 事業内容

・IT に関する教育・研修
・社員、管理者、役員などの育成、能力開発並びに業務知識、専門知識に関する教育・研修
・能力開発、教育・研修に関する調査研究およびコンサルティング
・教育・研修に関するコンピューターシステムの開発、販売および運用管理
・講演会、シンポジウム、セミナーなどに関する企画、運営
(2018年7月取材)