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今こそ、研究開発等技術部門の組織を変えよう!~社会動向から世の中を見る

SANNOエグゼクティブマガジン

[RD++からRDO++]へ

私は、研究開発部門の役割を「(1)お客様の役に立つこと」「(2)他社との競争優位を築くこと」であると考えています。これは、ここ10年ほど夢中になってやってきた企業の経営戦略・技術戦略、あるいは製品戦略の分析から得られたものです。

その結果、研究開発等技術部門のコンサルティングや研修では、この2つを実現することを根本の方針としています。この考え方を伝えるため、数年前から「RD++」という言葉を使ってきました。

これは、研究開発の「RD」に「戦略」と「マーケティング」の2つを足したものです。RD++の本質を分かりやすくいうならば、“お客様の役に立つことを見つけ出し、賢く実行する”ということになります。

しかし、どのようにして戦略やマーケティングを研究開発業務に取り込むのかという具体策になると、たいへん難しいことです。なぜなら、市場・顧客研究組織が研究開発部門には置かれていないという企業がほとんどであり、そこにいる研究開発者も技術の価値を顧客視点で捉えることに慣れていないという状況です。

研究開発等技術部門の役割は、技術的活動ばかりに捉えられがちですが、技術構造の変質によって製造力の差(品質差や設計差)が出にくくなっている昨今、「何をつくるのか」を考えるところに企業の競争力の差が顕著に出てくるようになってきています。

そのよい例が、最近のアップルなのではないでしょうか?

アップルは、技術力も優れていますが、顧客に対する使い方と使い勝手のよいICTギアーの提案力で他社の追随を許さない存在になりつつあります。アップルの製品のヒットを偶然としか思えないようでは駄目なのです。彼らの持つ市場・顧客の研究力や実行における戦略こそ、今、私達が学ぶべき点であるように思うのです。

しかし、最近になって、「RD++」では十分ではなく、さらにもう1つ「+」を付け加える必要が出てきたように感じています。それは、“組織や職場”です。

なぜかというと、研究開発や技術開発において、従来、日本企業は“すり合わせ”が得意で、海外企業は“組み合わせ”が得意であると言われてきました。

ところが、最近になって、随分と事情が変わってきたように思われるのです。

それは、アジアの製造業(特に、部品メーカーやEMSメーカー)の方が、日本企業よりもはるかに設計や試作のスピードが速く、上手にすり合わせを行い始めているという事実です。

ある日本のセットメーカーによると、
日本の部品企業が試作品を1回持ってくる間に、アジアのメーカーは3回持ってくる
-それだけ試作が早いと、いろいろな注文ができ、アジアの部品メーカーの方が都合良いのだ-
と言うのです。

また、アジアの大手製造業は、既に各国の大手セットメーカーの設計部門に入り込むだけではなく、商品企画段階、つまり、デザインインではなく、アイデアインと呼べるような関係を築き始めています。

これを日本企業が真似しようとしても、残念ながら簡単にできません。仕事の進め方が異なるからです。
アジアの製造業は、業務の進め方がオープンで研究開発業務を三交代で進められるようになっているようです。

一方、日本企業の研究開発部門の仕事の進め方は、属人に拠っており、クローズプロセスになってしまっています。その結果、優秀な一部の人間に仕事が集中し、先輩が後輩の面倒を見られなくなっているなど、現場の力が低下しているのです。

特に、研究者や技術者の能力バラツキが広くなり、平均点も落ち始めています。現実問題として、受注したくても受注することが出来ないというボトルネックが研究開発部門に発生し始めています。また、これが、将来の深刻な事態を引き起こす要因であることは、誰にでもご理解いただけることだろうと考えます。

つまり、仕事のやり方や情報流通のあり方など、これまでの成功体験にとらわれず、今後を考えた組織デザインが必要となってきているのです。
この面では、最近になって世界的にOD(組織開発)ということが見直され始めておりますが、殊に日本企業の研究開発等技術部門では重要になってきているのです。

研究開発力を高め、差別化された分野で逞しく戦っていくためには、研究開発等技術部門は、お客様の役に立つことを見つけ出し、賢く実行することが大切です。
そのためには、戦略・マーケティング、そしてその根幹にある組織・職場というものの活動のあり方を変えていく必要があるのではないでしょうか。


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