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調査・診断関連用語解説

アセスメント

「アセスメント」とは、英語の「assessment」に由来する外来語で、「評価」「査定」「審査」の意として用いられる。特に、土地などの開発事業において、開発が環境に及ぼす影響を事前に調査、査定、予測し、その対策を講じるための「環境アセスメント」という語として多く用いられていた。
企業における「アセスメント」とは、組織で行われる人材の採用、配属、任用・昇格、昇給、賞与の決定等にあたって、対象となる人材の業績や能力を一定の基準に従って評価することを指す。この場合、特に「人材アセスメント」や「人事アセスメント」などとも言う。
アセスメントでは、さまざまな手法を用いて複合的に 評定し、全体像をより正しく把握することが肝要である。

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センター方式アセスメント研修

「アセスメントセンター方式」とも言う。アセスメントの手法のひとつで、集合研修の形式で実施される。職務場面を想定したさまざまな演習を実施し、その演習結果や研修内での言動を専門の評価者(アセッサー)が観察し、参加者(被評価者=アセッシー)の能力を評価する。
アセスメントセンター方式の歴史は古く、第二次世界大戦下における諜報員選抜にまでさかのぼることができる。
1950年代に、ダグラス・ウエストン・ブレイが民間企業AT&T社に導入し、企業組織における管理職選抜の手法として確立させた。日本にはその後1970年代に伝えられた。
日本においては現在でも数多くの企業が導入しており、主として任用・昇格時の評価に用いられることが多い。
任用・昇格後の職務場面を想定した演習を実施することで、その参加者が将来において成果を上げることができるかを予測する。また、研修内で行われる演習やグループ討議、講師からのフィードバックを通じて、参加者の能力開発を促進する目的で実施されることもある。

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インバスケット

「インバスケット」とは、業務で使用される決裁箱のことで、未決裁書類、決裁済み書類を入れる箱である。これに由来した案件処理演習が、人材開発およびアセスメントにおいて「インバスケット演習」として用いられる。
「インバスケット演習」とは、決裁箱に入っている未決裁の案件を一定の時間内で処理していく演習である。決裁箱には大量の書類(概ね20件前後の申請書、報告書、伝言、連絡票など)が用意されている。それらの案件について優先順位をつけ、何をどのように処理していくかの意思決定を行うことが求められる。
意思決定力、問題解決力、思考分析力、ストレス耐性などを訓練するためのトレー二ングとして研修等で用いられるほか、これらの能力を評価するためのアセスメントの一手法としても用いられる。
インバスケットは、もともとは1950年代にアメリ力空軍の教育研究機関で将校候補生に対して行われたトレ一二ングツールであったが、転じて管理職の教育や選抜のために民間利用されるようになった。

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特性診断

「特性診断」とは、アセスメントのためのツールのひとつで、○×や「はい」「いいえ」、「あてはまる」「あてはまらない」などで質問に回答させる形式で実施し、人材の行動特性や思考特性を把握しようとするものである。職務遂行に求められる能力・性格・興昧などを具体的な特性(例えば、判断力、想像性、忍耐力など)に細かく分けて測定する。
この細かく分類した特性のことを「尺度」と言い、回答者の回答結果を統計的に処理し、各尺度の得点を算出する。
質問紙を配付して回答させることで、多面的な特性について定量的なデータが得られるため、低コストで大勢の対象者に実施できる、豊富な情報が入手できる、客観的な指標で人材把握ができる、といった利点がある。ただし、実施にあたっては、自組織において求められる人材像を明確にし、その人材像にそった特性を測定する診断を選択する必要がある。
また、特性診断の精度は「妥当性」や「信頼性」と呼ばれる指標で表されるが、これらの精度が高い診断を用いることが望ましい。

特性診断の精度を示す「妥当性」と「信頼性」

特性診断の精度を示す指標としてよく使われるのが、「妥当性」と「信頼性」である。

<妥当性>
妥当性(validity)とは、そのテストが、「測定しようと考えている特性」を的確に捉えているかどうかを示したものである。
例えば、身長(という特性)を測定したいときに体重計(測定用具)を使用しても意味がない。身長を測るためには、身長計を使うことが妥当だと言える。
妥当性は、さまざまな側面から見た証拠であり、その「側面」として、メシック(Messick,1995)は以下の6つを挙げている。

側面 証拠の内容
(1)内容的側面 項目の内容が測りたい特性に対応しているか?
十分に代表しているか?
(2)本質的側面 項目への反応が何らかの理論に基づいて説明できるか?
(3)構造的側面 得点の構造が特性の下位概念や次元性などの理論的構造に一致しているか?
(4)一般化可能性の側面 ある特定の測定条件においてだけでなく、他の集団や実施場面、
実施時期などに対しても不変であるか?
(5)外的側面 他の変数との間に想定される相関が示されるか?
(6)結果的側面 テストを使用した結果として生じた事態によって示される証拠。
社会的インパクト。

妥当性の検証には、上記6つのすべての証拠を集めるのが理想的であるが、最初から多くの証拠を満たしたテストを作成するのは不可能と言える。特に「(6)結果的側面」は、テストを運用した結果によってはじめて得られる証拠であり、テスト作成時に示すことは原理的にできない。
妥当性を示す1つの証拠が確認されたからといって、妥当性の検証は終わりではなく、長い時間をかけて、いくつもの証拠を集め続け、妥当性の高さを証明し続けていく不断の努力が重要となる。
アセスメントにおいては、目的に沿った診断を実施しないと意味がないため、妥当性が高く、また妥当性の検証が継続的に行われている特性診断を選択することが必要である。

<信頼性>
精度の高い特性診断は、測定によって安定的に一貫した結果が得られる必要がある。これを「信頼性」と言う(上記6つの妥当性のうち、「(4)一般化可能性の側面」に該当する)。
例えば、今日50kgだった計量結果が翌日90kgであった場合、その重量計は正確で安定した重量計であるとは言えない。同じ物を同じ条件で測った場合、今日も明日も同一かほぼ類似の値が示されるべきである。
つまり、特性診断に照らして端的に言えば、同一人物が同じ診断を繰り返し受検したとき、同じ結果が得られるかどうか、ということである。テストの信頼性を示す指標としてよく使われるものに「信頼性係数」がある。α(アルファ)係数やω(オメガ)係数がよく使われる。
アセスメントにおいて使用される診断は、正確で安定したものであることが望ましく、信頼性の高い特性診断を選択することが必要である。

ダーツの例え

妥当性および信頼性は特性診断をはじめとするアセスメントツールの精度に関する重要な性質であるが、これらについてダーツに例えると理解しやすい。
何度投げても投げ矢がてんでばらばらのところにいってしまい、全く当たる場所が定まらず安定しない場合は、信頼性が低い。結果が安定しないため、当然妥当性も低い(図1)。
一方、信頼性が高いとは、一貫して同じ場所に投げ矢を当てられるような状況をさす。しかし、一貫して同じ場所に投げ矢を当てられるとしても、それが的の外であったとしたら、信頼性は高いが妥当性は低いと言わざるを得ない(図2)。
的の中心に、一貫して矢を当てられた場合、信頼性も妥当性も高いと言える(図3)。

特性診断 ダーツによるたとえ

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素点

試験や評価、測定などで得られた点数そのもののこと。なんらかの数値変換を行う前のもの。生の得点であり、実際の試験や評価、測定において、満点に対してどの程度の到達度であったかが分かりやすい。ただし、個々の試験や評価、測定は、内容や難易度、用いられる物差しなどがそれぞれ異なるため、複数の試験間の得点を単純に比較することができない。
例えば、ある人が国語と数学の能力テストを受け、それぞれ30点、50点であった場合、素点だけを比べて、その人は「国語より数学のテスト結果のほうがよかった」と判断することはできない。仮に、国語のテストの平均点が20点で、数学のテストの平均点が70点であった場合、その人は「国語の結果は平均点より高く、数学の結果は平均点より低い」と解釈する必要がある。
このように、他の受検者や測定対象者との比較、言い換えれば、集団の中のどのあたりに位置するか、という情報を加味しないと、評価や測定で得られた結果を正しく解釈することはできない。この点を解消するために用いられるのが標準得点である。

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標準得点

素点に対して計算処理を行って、全データの中での相対的な位置を示す得点に変換したもの。通常、平均値や標準偏差などの値を用いて数値変換が行われる。簡単に言えば、平均値からどの程度離れているかを表した得点である。どのような試験や評価、測定であっても、集団の中での位置づけを示す標準得点に変換し、物差しを揃えることで、得点の高低の判断や、異なる試験や評価、測定間の得点の比較をしやすくすることができる。
入試等で用いられる偏差値は代表的な標準得点のひとつで、平均値を50とし、50からどの程度離れた得点であるかによって、全体の中での学力の位置が分かるようにしたものである。

標準得点/偏差値

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多面評価

360度評価とも言う。直属の上司の他に、同僚や部下・後輩、他部門の管理職、時には取引先や顧客といった複数の関係者が評価をするものである。人事評価におけるひとつの手法として用いられることもあるが、近年はより幅広い目的のため(アセスメントや能力開発など)に活用されることが多い。
アセスメントで用いられる際は、通常、複数の評価者が対象者の日頃の行動を観察した結果について、あらかじめ用意された質問項目に回答する形式で行われる。対象者自身の自己評価とあわせて本人にフィードバックし、自己評価と他者評価におけるギャップに気づかせることで、能力開発を促す効果もある。

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論文審査

アセスメントツールのひとつとして多く用いられているもので、あらかじめ設定されたテーマに関して、一定の文字数の範囲内で自身の意見や考え方について筋道を立てて論述させるもの。
企業活動全般に対する見解や、所属組織および担当業務などに関連する考え、概念、イメージ、姿勢などを論述させることで、職務を遂行していく上での課題対応能力を見極めることができる。

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面接

実際に対面して会話をし、その中での応答内容や態度などを観察することで対象者を評価する手法。「構造化面接」「非構造化面接」「半構造化面接」の3つに大別できる。

<構造化面接>
質問をあらかじめ決めておき、対象者全員に同じ質問を行う方法。構造化面接は、質問に対する回答についてもあらかじめ評価基準が設定してある。構造化面接によって、面接評価者の習熟が不要となり、また面接の展開や評価結果における主観を排除し、評価の客観性、公平性を高めることができる。しかし、あらかじめ決められた質問しかできないため、面接が硬直的・表面的になり、十分な人物把握ができないこともある。

<非構造化面接>
質問をあらかじめ決めることなく、面接評価者がその場の判断で質問を決め、その評価を行う方法。対象者の回答内容によってより適切な質問を繰り出し、個別の対象者の特徴にあわせた質問を行うことができるため、深い人物理解に達することができる。ただし、面接評価者に高度な面接技法や評価の専門性が求められる、評価が主観に左右されやすい、といった面もある。

<半構造化面接>
上記2つの方法の中間にあたり、質問を大雑把に決めておき、概ね決められた質問を展開しながら、面接評価者の判断で状況に応じた質問を行う。ただし、どの程度構造化し、どの程度柔軟性を持たせるか、そのバランスを適切なものとすることが重要である。

いずれの方法をとるにしても、面接は対面状況においてさまざまな切り口から直接一対一(個別面接の場合)で情報を得ることができるため、対象者についてより多くの事柄を知り、理解を深めることができるといったメリットがある。一方で、面接評価者に高度な面接技法や評価の専門性が求められる、人手や時間がかかるので多人数の対象者に実施するのは困難である、といったデメリットがある。

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作業検査法

心理学で用いられる検査手法のうち、特定の作業課題を一定の条件において行わせ、その作業課題に対する取り組み姿勢や課題の結果から個人の特性を測定する手法を「作業検査法」と言う。
例えば、数字を数行に渡ってランダムに並べたものを提示し、一定の制約時間の中で各行の数字を加算し続ける作業を行わせ、作業量や誤答率、作業効率の変化、休憩の影響等をポイントに評価するといった検査がある。
この手法のメリットとしては、実施が容易で多人数を対象とすることができる、言語を用いないため、言語能力に左右されない、対象者が意図的に回答を操作しにくい、といったことが挙げられる。デメリットとしては、対象者の大まかな特性しか把握できなかったり、対象者が疲労したりといった、検査に対して精神的苦痛を感じる、一定以上の判定や解釈には習熟を要することが挙げられる。

図:作業検査法

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質問紙法

心理検査において質問紙を用いて実施する測定手法である。測定したい事柄に関連する質問項目を対象者に提示し、「はい」「いいえ」、「あてはまる」「あてはまらない」などで回答させ、その結果から対象者の特性を捉える手法である。特定の性格理論に基づく性格特性を測定するものや、抑うつ傾向や不安傾向を測定するもの、精神的健康度を測定するものなどがある。
個別でも集団でも実施でき、比較的短時間で一度に多くの対象者を扱えることが利点である。実施が容易で採点も単純で、標準化(=マニュアル化)もされているため、評価結果に評価者の主観を排することができる。
一方、デメリットとしては、言語を用いているため、対象者の言語能力が結果に影響する、質問項目で尋ねていること以上の特性を知ることはできない、対象者の虚偽や意識的な回答操作によって結果が歪曲されるおそれがある、といったことが挙げられる。

図:質問紙法

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投影法

心理検査の手法のひとつで、あいまいでどうとでも受け取れる刺激(漠然とした形や言語など)を提示して自由に回答させ、その反応態度や回答内容を分析することによって対象者の特性を理解しようとするものである。あいまいな刺激を知覚する際には、その反応の中に、その人固有の人格特性が「投影」されるという理論に基づく手法である。
無作為に作られたインクの染みが何に見えるか回答させる、テーマのはっきりしない絵画についての物語を語らせる、書きかけの文章を提示して、その後半の文章を書かせて完成させるなど、さまざまなものがある。
投影法のメリットとしては、評価の原理が対象者に分かりにくいので、対象者が意図的に回答をゆがめることが少ないこ