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【事例紹介】ハウスメイトパートナーズのグループ学習を通じた学ぶ風土づくり

はじめに

株式会社ハウスメイトパートナーズ様では、職場における学習する風土を醸成するために、人事部長の大野氏が中心となり、現場のリーダークラスの人材を集めて通信研修のグループ学習を始めました。

その取り組み・効果・今後の課題等について、人事部長の大野真宏様にお話を伺いました。


【株式会社ハウスメイトパートナーズ プロフィール】

◆設 立:1977年(昭和52年)7月18日
◆本 社:〒170-0013 
       東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 41F 
◆代表取締役:江連 三芳
◆資本金:4億6,000万円
◆事業内容:賃貸マンション・アパートのサブリースおよび
        運営マネジメント、プロパティマネジメント 他
◆従業員:1,177人(グループ総数:1,883人)平成22年6月現在

    株式会社ハウスメイトパートナーズ 人事部長 大野真宏氏

    株式会社ハウスメイトパートナーズ 人事部長  大野 真宏 氏

    学習する組織の風土を醸成したい

    ハウスメイトパートナーズでは、仕事柄必要な資格(宅建・マンション管理士・FPなど)を取得しようと、個人で勉強している社員はおりますが、職場の中で「学びあう」という雰囲気が多少希薄だと感じていました。

    そこで、学習する風土を醸成するために数名のメンバーと一緒に“グループ学習”という方法を通じて、通信研修で学ぶことに挑戦してみました。

    まず目的を『学ぶことの楽しさを、広く社員に認識してもらうこと』と定め、影響力のある人材(各職場のキーパーソン)に声をかけました。もうひとつの意図として、集まってもらったメンバーには、ゆくゆく我が社の事業戦略を策定するコア人材として、実力をつけてもらいたいということもありました。

    共通言語づくり

    学習テーマとしては、戦略やマーケティングの基礎を学習してもらいたいと思い、産能大の通信研修の中から「競争に勝つ極意」コースを選定しました。

    各人、今までの業務経験や書籍を通じて知識は身につけているようでしたが、今回の取組みの中で、同じ教材を使ってグループで学ぶことにより、”共通言語づくり”ができたのではないかと思っています。言葉が通じないことには、会議の席にはつけないというような感じでしょうか。

    この共通言語は、スタート当初にグループ目標として掲げた「新しい市場で勝つための戦略を提言する」を実現するために、通信研修での知識習得後に皆で考えていくためのベースとして有効なものとなりました。

      共通言語作り

      メンバーの多様性と対話することの大切さ

      今回のメンバーは、実に多彩な顔ぶれで、部署・担当業務・年齢・キャリア・国籍も異なります。お互い面識はありましたが、今まであまり深く話したことはありませんでした。

      通信研修教材を使っての学習は、テキスト・リポートとも、各々自宅や通勤時間を利用して個人で進めてもらいましたが、意図的に、1か月に1回は集まって対話する時間をつくりました。対話の内容も、テキストの内容から我が社の進むべき未来についてまで多彩でした。
      人とじっくり話すことで、自分の意見が他のメンバーと異なっていたり、考えに賛同してもらったりと、自分ひとりでは得られない“気づき”が多くあったようです。そこに“学び”がおきていたのかもしれませんね。その対話の後はメンバーで飲みに行き、更にコミュニケーションを深め、結束も強くなりました。

      各部門のキーパーソン同士のネットワーク形成に、私は一役買えたのではないかと密かに自負しています。

        メンバーの多様性と

        ひとりじゃないことで学習のモチベーションを維持

        通信研修で修了を目指すのは、なかなか難しいですよね。日々の忙しさを言い訳にして、ついつい先延ばしにしてしまい、気づいたら除籍になってしまったという方も多いと思います。また、会社の研修として受講を義務付けられた場合でも、とにかくリポートを期日までに提出するだけで精一杯という場合も多いですよね。せっかく受講料を払っているのですから、人事部としては、しっかり学んで、知識やスキルを身につけて、職務に活かして欲しいのは当然です。学習に対するモチベーションを、いかに維持してもらうかも大きな課題と捉えています。

        今回はグループ学習の効果が現れたのか、メンバー全員で決めた締切日や、集合日を前にすると、「自分だけ遅れてはいけない、頑張ろう。」とそれぞれ他のメンバーの顔が浮かび、それが刺激となり一生懸命課題に取り組みました。結果として、1人の脱落者を出すこともなく、モチベーションの維持につながりました。

        旗振り役だった私も、集合日前には「皆に何を話そうかな?」と考えることが楽しく、“やる気”が高まっていました。

          ひとりじゃないことで学習

          グループリーダーの存在が「カギ」

          グループ学習を進めるにあたり、やはりリーダーの存在は“カギ”になるようです。私の考えるリーダーは、どちらかというとグループのお世話役のようなイメージでしょうか。

          スポーツチームのマネジャーのような存在。スケジュール管理をしたり、メンバー全員に召集をかけたり、対話できる“場”を用意すること。
          対話の場面では、私がファシリテートしなくても、自然と皆でテーマについて対話ができていたように思います。

          メンバーからも「大野さんが声をかけてくれるから、参加しやすかった。」という嬉しい声もあがっています。

          メンバー全員が学習を継続し、コースを修了するためには、誰かがリーダーとなり“旗振り役”を担うことが、効果的にグループ学習を進めるコツなのかもしれません。

            グループリーダー

            今後の課題は学習する仲間を増やすこと

            次の目標としては、今回のグループ学習を通して得たことを、少しずつでも社内に広め、学ぶ意欲のあるメンバーを増やしていくことです。少なからず私達の取り組みは、社内における周囲の興味をひいたようです。

            今後は、今回の6名のメンバーそれぞれがリーダー(旗振り役)となり、それぞれの課題にあったテーマとメンバーで、“学習する職場”をつくっていってもらいたいと考えています。

            最終的には、“学びの輪”が広がり、社員みんなが、お互いに学びあうことで、個人の知識や能力が、組織全体の知恵を生み出していければ理想的だと考えています。

            (2010.11月掲載)

            【解説】対話による主体的な学び―それがグループ学習です

            「三人寄れば文殊の知恵」という“ことわざ”の通り、一人よりも二人、二人よりも三人が集まって意見を出し合った方が、より多くのアイデアや知恵が創出さ れることを、私たちは経験から学んでいます。ある目的を実現させるために主体的に集まったメンバーの間には、信頼関係のもとに対話が生まれ、活気がみなぎ るように、“学ぶこと”を目的として集まったグループにも、個人学習だけでは見出せなかったさまざまな効果が生まれます。

            産業能率大学では、このように「数人のメンバーが共通の目標を持ち、他者との対話を通じて理解を深め、実践行動の質向上につなげていく学習方法」“グループ学習”と定義しています。グループ学習をより効果的に進めていくうえで、通信研修は有効な学習媒体になりうると考えています。

            グループ学習の効果性とは

            グループ学習の効果の一つは「モチベーションの維持」です。ハウスメイトパートナーズ様の事例でも、最後まで互いにフォローしあえる“学習仲間”の存在が、学習者の大きな励みとなっています。また、グループの中で少しでも早くリポートを提出する者が現れたり、添削されたリポートの点数がグループ内において優劣がついたりすることは、適度な競争意識を芽生えさせます。

            二つ目は「理解の深化」です。これは、メンバー間の創造的なコミュニケーション(対話)によって、正解の無い問いや複雑な問いに対し、解を導き出す効率よりも、解決のプロセスを通じて、問いや解に対する理解が深まることを意味します。
            他者の視点が存在すること、その視点によって自分自身の考え方の見直しに繋がる、あるいは他者の視点と比較するプロセスから新しい考え方への着眼点が見つかるといった理解の深化が生まれます。

            三つ目は「継続学習への誘引」です。“学習”とは、知識をインプットすることだけではありません。学んだ知識やノウハウによって意識や認識だけでなく、行動が変わる-“行動変容”を伴うものです。
            グループ学習では、個人学習で行うテキスト学習やリポート課題の内容を自身の職場課題に置き換える本来の学習プロセスに加えて、グループ内でその内容を検 討し合うことができます。上記事例のように、具体的な戦略課題をグループの学習目標に掲げて学びあうことも、行動変容を伴う学習として非常に有効でしょ う。
            また、こうした対話による学びの“面白さ” “楽しさ”に気づいた学習者は、新たな知的好奇心を育み、それが継続学習の原動力となり得ます。同時に、学習経験のない者への伝達者となる可能性もありま す。口コミ効果をねらった“草の根的学ぶ風土づくり”といったところでしょうか。

            通信研修によるグループ学習のすすめ

            通信研修をグループ学習に活用することのメリットは、まずグループの共通言語づくりに有用な点があげられます。テキストに記載された知識をベースにグループ内で議論することができ、さらに、体系的で検索性の優れたテキストであれば、理解できていないフレームワークやキーワードなどがあったとしてもテキストを手元に置きながら議論についていくこともできます。

            また、通信研修は学習期間(受講期間)が定まっているため、グループ内のスケジュール管理が必然的に機能します。コースによってはリポート課題の中に、正解の無い問い、例えば、自分の職務に置き換えた場合の課題などもあるので、それらを話題提供としてメンバーで検討してみるのもよいでしょう。

            ※本コラムに関しますご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

            ご参考:学習コースのご紹介

            競争相手に勝つための方策を検討する際に活用するフレームワークを学習し、ビジネスパーソンが遭遇しやすいケースを用いながら、論理的に考える力を養います。

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