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【SANNOエグゼクティブマガジン】困難な状況を乗り越え、目標達成する力を育てる ~逆境力を高める働きかけとは~

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

 研修講師として様々なビジネスパーソンに接する中で、課せられた仕事が非常に困難だと感じ、仕事への意欲が持てない人が増えているように感じています。そうした受講者を「何とかサポートすることができないだろうか…」という思いが、本テーマについて考えるきっかけとなりました。

研修で感じた3つの異変

漢字一文字

 私はどんな研修でも開始直後に受講者に“今の自分の仕事に取り組んでいる心境を漢字一文字で書いてください”とお願いします。その答えのうち、「疲、眠、辛、苦、孤、不、未、哀…」といったネガティブワードの占める割合が、以前はおよそ全体の1割程度でしたが、最近の傾向では約3割、多いときには4割に届くことも珍しくありません。

研修で終わらない1日

 以前は、「研修のおかげで、いつもより早く帰れます!」と受講者に感謝されることが少なくありませんでした。しかし、最近はその様子が一変し、研修終了後、再び職場に戻る受講者が多く見られるようになり、翌日の疲れた表情から、かなり遅い時間まで仕事をしていた様子が窺い知れます。

最後の言葉

 時間が許せば研修の最後に、受講者に今後に向けたひと言を語ってもらうようにしています。これまでは、「研修で得た気づきをこれからの仕事に活かしていこうと思います」という、やや予定調和的とはいえ、前向きな言葉が大半でした。
 それが、「明日から仕事だと思うと、本当に落ち込みます」「研修の間だけは、自分らしくいられたので、この後がシンドイです」など、日常に戻ることへの抵抗感を示す言葉が研修内容の感想に加えて次第に語られるようになってきました。

ビジネスパーソンを取り巻く環境変化

 では、なぜこのような異変が起こったのでしょうか。
 組織を取り巻く激しいビジネス環境変化の影響が職場、個人にまで及び、以前より厳しい状況、例えば、急な人員削減や納期の前倒し、より高い品質要求等が求められるようになりました。その結果、そのような状況の中で課せられた仕事に「不安・不満」を抱くようになり、意欲が持てなくなったのではないかと考えます。

求められる「心理面」からの支援

 では、自分の置かれた状況を困難と感じ、課せられた仕事に「不安・不満」を抱いているメンバーにはどう働きかけていけばよいのでしょうか。
 メンバーのやる気を引き出し、成果に導く指導方法に「ビジネスコーチング」があります。それは、どちらかというと “仕事面”を中心に、ゴールに向けた見通しをつけ、仕事に取り組む中で直面するさまざまな問題を解決しながら、確実に目標達成するために支援するものです。しかし、意欲が低下しているメンバーには、仕事面から働きかけるだけでは十分とは言えません。
 まず、メンバーの「不安・不満」を軽減した上で、取り組み意欲を高め、成果が出てきたら、やればできるという成長実感を持ってもらい自信をつけさせる、といった“心理面”からの支援が不可欠となります。

心理面(不安・不満の軽減、取り組み意欲の向上、成長実感の醸成)
 
仕事面(見通しづけ、問題解決、確実な目標達成)

 そのプロセスで、メンバーはさまざまな気づきを得ながら、“非常に困難だと感じる状況を乗り越えて確実に目標を達成する力”を獲得し、この先、同じような状況に遭遇しても乗り越えられる自信を持つことができます。その力を私は、「逆境力」と呼んでいます。コーチには、自分の置かれた状況を困難と感じ、課せられた仕事に「不安・不満」を抱いているメンバーの「逆境力」を育てることが求められるのです。

「逆境力」を育てる関わり方とは

 では、「逆境力」をどう育てていけばよいのでしょうか。「逆境力」を育てるビジネスコーチングにおいて、支援者(コーチ)の関わり方のポイントについて紹介します。

基本的な進め方は、以下の通りです。
 ① 準備する
 ② 説明する
 ③ 実行を支援する
 ④ 総括する

 その際に重要なのが、同じ状況で同じ仕事を課せられても、人により、また同じ人でも置かれた状況によってその感じ方は異なるということです。つまり、どの段階においても、メンバーの状況を把握し、それに応じた支援をすることが求められるのです。

① 準備する
 支援者がコーチとして任命されたら、メンバーと対面する前に十分な準備をすることが必要となります。準備とは、一つは、メンバーに関する情報の収集です。これまでの経験やそれを通じて身につけてきたものだけではなく、メンバーならではの強み・弱み、動機の源泉、ストレス発生源などの情報です。もう一つは、今回依頼する仕事について、目標、内容、制約条件、想定される障害などを整理することです。
こうした準備をしておくことで、メンバーに合わせて効果的な支援をするためのポイントを押さえておくことができます。いずれも、「カルテ」のような一定様式に情報を一元化し、随時加筆・修正していくことをお勧めします。

② 説明する
 準備ができたら初回ミーティングの実施です。ここで支援すべきことは以下の2つです。 
 ・不安・不満の軽減
 ・仕事の見通しづけ

 この段階でのメンバーの心理は、「何をどう進めたらよいのか分からない」とか「何で私が?いくらなんでも無理」といった不安や不満でいっぱいの状態です。まずは、その気持ちを吐き出してもらいましょう。不安な気持ちを抑えこませたまま仕事を依頼しても、どこかで頓挫する可能性が高くなるからです。丁寧に傾聴し、気持ちに寄り添います。その上で、今回の仕事の意味づけをします。そして、進捗計画をともに考え、書き出し、仕事の見通しづけをします。こうすることで、メンバーは少しずつ安心感とポジティブな意識を持てるようになるでしょう。また、今回のビジネスコーチングについて、職場メンバーに周知し、周りからも支援を得やすい体制を作ってください。

③ 実行を支援する
 メンバーが仕事に着手した段階では、メンバーの言動の変化を見逃さず、気になった点は放置せずにケアしてください。また、仕事を進める過程で問題が発生した際のポイントは、問題を一人で抱え込ませず、解決に向けて一緒に考えたり、周囲を巻き込むことです。併せて、プロセスを承認したり、メンバーに自身の強みが生かせることを意識させるとよいでしょう。
 少しずつ仕事に慣れて、出口が見えてきた段階では、主体的な試行錯誤を促すように支援の仕方を切り替えていくことをお勧めします。メンバー自身で獲得したことを明示化させ、自己効力感を刺激します。特に、動機の源泉に即したフィードバックをしましょう。

④ 総括する
 仕事が完了したら、メンバーと一緒にプロセスを振り返り、仕事の成果とメンバーの能力面、意欲面での成長を確認します。振り返りを通じて、今回の仕事で得た教訓を導き出させ、今後への橋渡しをすることが特に重要です。

 このように、困難な状況を乗り越え、目標を達成する力を高める「逆境力」は、支援者の丁寧な関わり方によって徐々に育っていき、メンバーは主体的に行動できるようになっていきます。メンバーの意欲を引き出すため、従来とは異なる関わり方が求められているのです。心理面、仕事面の両方からの支援によって、メンバーが“逆境”を“機会”と捉え、自分の成長に繋げていくことができるのではないかと考えています。

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