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【SANNOエグゼクティブマガジン】ビッグデータ時代を生き残る術~ランダム化比較実験のススメ

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

実験のススメ

ビッグデータを賢く活用するカギは実験です。このようなことをいきなり書くと、一体何の話なんだと訝る方も多いことでしょう。
しかし、この実験がビッグデータ時代に大いに注目されているのです。そもそも実験とは、「理論や仮説が正しいかどうかを人為的に一定の条件を設定して試し、確かめてみること」であり、必ずしも科学実験だけが実験というわけではありません。
我々が日ごろ考えている「何か」を試してみる。こんなことも実は実験なのです。実験を上手に実施することでビジネスが大きく展開した例が沢山あるのです。

経験・勘・度胸にオサラバ

「実験」は我々の意思決定を力強くサポートしてくれます。例えば、皆さんの会社である売れ筋商品があったとしましょう。
この商品のスペックに、ある変更を加えると爆発的に売れるのではないかといった意見が社内で発案されたとき、皆さんだったらどのように対応しますか?
変更にかかるコストが少なく、そもそも、万が一見込みが外れたときの損失も他の売上でカバーできるような小規模のものであれば「まあ、やってみようか!」といった判断にもなるでしょう。しかし、変更にコストがかかり、もし失敗したときの損失が測り知れないものになるときには、おいそれと商品スペックを変更するわけにはいきません。
でも、もしヒットすると莫大な利益をもたらすのであれば?と考えると、もはやこれは「賭け」に等しいものになります。
多くの場合は経営層や上級管理職が「経験」と「勘」そして「度胸」で「えいやっ!」と決めることになるでしょう。

でも、この変更が有効かどうか、小規模な実験が可能だとしたらどうでしょう?
試験的に変更を加えた商品をランダムに選んだ地域で限られた期間販売してみるのです。
ここでもポイントは「ランダムに選ぶ」です。ランダムに選んだからこそ、全体の傾向を推定することも可能なのです。もし恣意的な抽出をしたなら、そのときは全体の傾向とは偏った結果になってしまう可能性があるのです。
このような手法は「テストマーケティング」と呼ばれている手法の一つですが、このランダム化が大きな障壁となって、全体の傾向を正確に予測することを困難にしていました。

しかし、今日ではウェブサイトや、データ収集の方法が格段に進化し、様々なパターンを効果的に迅速に比較し、統計学的な手法と相まって判断することが可能になっているのです。
すなわち、テストマーケティングでは、対象を必ずしも「ランダム化」できていない場合があるのですが、近年の技術革新で対象を「ランダムに抽出」することが比較的容易にできるようになったのです。
その結果、より正確に結果を評価できるようになったのです。もし、自社がウェブサイトを使った広告や販売などを展開しているのであれば、スペック変更前の広告、スペック変更後の広告をランダムに見せ、レスポンスの件数などを比較してみれば良いのです。なんと簡単なのでしょう。これは使わない手はありません。
これまで、民間企業、政府など様々な組織が、このランダム化比較実験を行って、ビジネスでの成功を収めています。その代表例がウェブサイトを活用したA/Bテストです。

パワフルなA/Bテスト

ウェブサイトを媒体にして商品の販売や寄付などを募っているビジネスを展開している企業にとって、ウェブサイトの巧拙はその後の実績に大きく影響を及ぼすことになります。
より多くの閲覧者が目的とする行動(商品を注文する、寄付をする、会員登録をする等)を取ってくれるようなウェブサイトのデザインを考えるのはウェブデザイナーの腕の見せ所といってもよいでしょう。では、どのようなデザインが目的をより効果的に達成するのでしょうか。
この点を明らかにしてくれるのが実験(A/Bテスト)です。

A/Bテストがいかにパワフルかを実証してくれたのが、グーグル社元プロジェクトマネジャーのダン・シロカー氏です。
2008年、バラク・オバマ氏のウェブサイトのデザインを任されたシロカー氏は、A/Bテストを実施し、寄付金を6000万ドル、ボランティアを28万人増加させたのです。

シロカー氏が何をやったかというと、極めて単純な「ランダム化比較実験」です。A/Bテストはウェブサイトを活用したランダム化比較実験の一つです。
つまり、ウェブサイトの画像・動画を6通り、メールアドレスの登録ボタンを4通り用意し、それらを組み合わせた24通りのウェブサイトを用意しました。ついで一定期間、ウェブサイトを訪れた閲覧者に対し、24通りのウェブサイトの中から1つをランダムに選び表示したのです。

つまり、その一定期間、ウェブサイトを訪れた人々は、知らぬ間に24種類のウェブサイトに振り分けられたことになります。そして、シロカー氏は、閲覧者がメールアドレスを登録する割合が、ウェブサイトのデザインによってどの程度変化するかを調べました。
登録されたメールアドレスを使って寄付金やボランティアを呼びかけるので、メールアドレスの登録者が多いほど寄付金やボランティアも増えると期待できるのです。そして、もっとも登録する割合の高いウェブサイトデザインを新たなデザインとして採用することで、シロカー氏は、寄付金とボランティアの増加を成功させたのです。

このような対象者をランダムに抽出し、課題となる要因を様々に変化させて試す「ランダム化比較実験」は様々な分野で応用・適用されて成果を挙げています。
アメリカのジョーアン繊維社は、「ミシンを2台買ったら1割引」という突拍子もないアイデアをランダム化比較実験で試してみました。
すると、ウェブサイト訪問者1件当たりの売上が209%増にもなったのです。また、アメリカの大手クレジットカード会社のキャピタル・ワンも効果的な広告戦略を決める際に、また新しい契約条件を決定する際に、躊躇することなくA/Bテストを行い、大成功を収めました。A/Bテストは悩ましい意思決定の際に極めてパワフルなのです。

大掛かりなテストマーケティングはコストも時間もかかります。
しかし、A/Bテストは比較的簡単に、しかも効果的にテストすることができます。どの企業もウェブサイトを持っている現代において、活用してみる価値はありそうです。


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