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シニアのモチベーション向上が組織活性化の鍵だ~社会動向から世の中を見る

SANNOエグゼクティブマガジン


シニアをとりまく状況

貴組織のシニア社員のモチベーションは高いだろうか。

シニア社員とは50代以上の社員だ。経済成長期には50代になるとのんびりムードで余生を過ごすというのが一般的だった。当然ながら今日はそんな時代ではない。
 
今日のシニアはますます厳しい環境に置かれている。最大の環境要因が年金問題だ。

65歳定年延長がスタートしたが、大手企業以外で実質的に運用されている企業は多くない。中小企業では一部の高業績企業を除き、再雇用後に用意する仕事はないのだ。ハローワークでもシニアに用意出来る仕事はすでに枯渇状態だ。

定年延長された社員にも、厳しい現状が待っている。定年延長後は、従来の業務とは違った軽作業や補助業務を付与する企業が多い。従来は営業部長だった人が、倉庫の清掃をやらなければならない。

精神的な苦痛というのは肉体的な苦痛よりもはるかに辛い。人は自己重要感を失っては生きていけないのだ。定年再雇用後に鬱になるという状況が起き始めている。

企業として、いったいどうすべきなのか。

長期的には年齢に関係のない労働環境を作っていくべきであることに異論はないだろう。そのために政府も同一職務同一賃金の職務給を改めて推奨している。
仕事に見合った賃金を支給するという制度だ。コンセプトどおり運用できればいいが、成果給において成果把握が困難なように、職務価値の把握も困難であり簡単にはいかない。

しかも今後は再雇用といったレベルでなく、70歳定年制の時代が確実にやってくる。欧米では年金支給開始時期が67~68歳の国が多い。超高齢国家の日本は最低でも70歳定年にしなければ、年金制度は破綻する。70歳までシニアが活き活きと現役で働ける環境を整えなければならない。

すでに一部の高業績企業は70歳定年、あるいは定年廃止に踏み切っている。社会全体がそうならなければならないが、経済が伸び悩んでいる今日、簡単にはいかないだろう。

一方、個人の問題を忘れてはならない。70歳定年という話を聴くと、多くの会社員は、へきえきとした反応を示す。60歳までですらモチベーションが持たない現状で、70歳まで働けといわれれば当然だ。

シニアのモチベーション向上は企業だけでなく、日本社会全体にとって極めて重要な課題なのだ。今後、超高齢社会の日本が活力を維持できるかは、シニアの労働意欲をいかに高められるかにかかっている。

シニアへの期待と現実

ビジネスモチベーショントレーニングが専門の私は、近年はシニア社員のモチベーショントレーニングの依頼が急増している。定年前の社員のトレーニングと定年後の社員のトレーニングだ。

シニア教育は50歳から先のビジネスキャリアをもてるかどうかにかかっている。生涯現役で仕事をするくらいのキャリアプランを描けるかどうかが鍵なのだ。

先に説明したように、60歳以降の社内の再雇用には明るい希望が見えない。会社で後輩に命令されながら、仕事をしたくないという人は多い。そもそも軽作業であれ、再雇用後の仕事があるのか、という不安を感じている人も多い。

だから新しいキャリアパスが必要なのだ。定年起業というキャリアパスだ。起業といっても大きな投資をして会社を作るわけではなく、専門職としてフリーランスで仕事をしてもいいし、販売代行をしてもいい。道はたくさんある。

一部の高業績企業以外、会社としても出来ることならば再雇用に応募して欲しくないという企業が少なくない。定年後は会社を卒業して別の道で活躍してくれれば、御の字だという。再雇用をフルに活用しても結局は65歳までだ。