課題発見チェックシート
自社の課題の整理に向けて、企業が活動するうえでそれぞれの項目ごとに発生しがちな課題をまとめています。
現状と照らし合わせチェックすることで課題を明らかにすることが可能です。
「経営戦略」「組織・ヒト」「制度・仕組み」「機能(職種)」の4つの分野から、さらに12種のポイントに分類することで自社の課題がどの分野で起こっているのか明確化できます。
「経営戦略」「組織・ヒト」「制度・仕組み」「機能(職種)」の4つの分野から、さらに12種のポイントに分類することで自社の課題がどの分野で起こっているのか明確化できます。

経営戦略
経営理念や中期経営計画、事業計画など企業活動全般の方向性を定める
1. 経営理念・ミッション
- 自社の理念が形骸化している
- トップの想いや信念が伝わってこない
- 理念が漠然としていて、現場が理解できていない
- 理念をわかりやすくしても、解釈にばらつきがあり、浸透しない
2. ビジョン
- 社会や市場に対して、企業としての貢献内容や責任が不明確である
- トップから現場に向けたメッセージや発信が無い(乏しい)
- 経営理念・ミッションとビジョンが連動していない
3. 中期経営計画
- 中長期的視点が欠け、短期的視点に偏っている
- 市場における自社の強み・弱みを見失っている
- 外部環境要因を勘案した計画を策定できていない
- 内部環境要因を勘案した対応を計画に盛り込めていない
- 自社の機能や事業と連動した計画を立てられていない
- 計画の達成状況を検証していない
- 人的資本経営の潮流や要請に対し十分な対応ができていない
- ビジョンと中期経営計画が連動していない
4. 単年度・事業計画
- 短期的視点に陥りやすい
- 単年度で利益を確保するための活動/行動計画が示されていない
(在庫調整、人件費の抑制、設備投資の圧縮、利益率の管理など) - 毎期終了時点で検証をし、次年度に活かす計画立てができていない
- 外部環境要因を勘案した計画を策定できていない
- 内部環境要因を勘案した対応を計画に盛り込めていない
- 中期経営計画と事業計画が連動していない
組織・ヒト
階層に応じた役割認識やスキルの獲得、マネジメントやキャリア観を醸成する
1. 役割認識(立場・役割)
- 経営層~現場の社員まで、各立場で発揮すべき行動認識または資質が乏しい
- 会社の理念や計画に、現場がコミットできていない/理解していない
- 物事を広い視野で捉えることができない人が多い
- 役割を理解していても実践が伴わない
- 他部署と連携しての調整や取り組むような活動が少ない
2. 能力・スキル
-
トップ(経営を担う者)として発揮/期待する力が乏しい(強化すべきである)(例:柔軟な視点、独自の洞察、潮流の把握、多角的な分析、決断力、挑戦する想い/信念、発信力など)
-
上級管理職層として発揮/期待する力が乏しい(強化すべきである)(例:自部門の革新力、ビジョン設計力、戦略的思考力、次世代リーダーの発掘と育成など)
-
初級管理職層として発揮/期待する力が乏しい(強化すべきである)(例:自職場の問題形成力、目標を設定する力、人事考課、評価する知識と技術、メンバー能力開発、活力ある職場づくりなど)
-
中堅・リーダー層として発揮/期待する力が乏しい(強化すべきである)(例:リーダーシップ/フォロワーシップ、部下/後輩指導(OJT・コーチング)、論理的思考力、問題発見/課題形成解決力など)
-
若手・新入社員として発揮/期待する力が乏しい(強化すべきである)(例:仕事を進める基本力、物事を我が事と捉える当事者意識、仕事に臨む主体的思考、コミュニケーション力、フォロワーシップなど)
- DX人材の育成や活用のための知見が乏しい
3. マネジメント領域
- 管理職がマネジメントに専念できていない(プレイングマネジャーとして活動している)
- 年上部下や年下上司など、年功や経験だけではマネジメントが機能しづらくなっている
- 様々な雇用形態(例:再雇用、派遣、パートなど)のメンバーに対するマネジメントに適応できない
- 職場の目標や課題が、メンバー全員に共有されておらず、各人に委ねられている
- 現場の意見や考えを吸い上げる場や機会がない
4. 働く意識(キャリア・価値観)
- 自らのキャリアを描けていない/描こうとしない(=会社から与えられるものと、思っている)
- 働く意識として、安定的で年功序列的な働き方を求める人が多い
- 成果主義的で、働いたことに対するリターンを求める人が多い
- 社員の動機/モチベーションを高めるための施策や対応が取れていない(それらをとる必要を感じていない)
- メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に意識が移行している
- 管理職昇進への忌避傾向がある
- 離職率が高い
- キャリアパスやキャリア開発支援の仕組みがない
- 価値観の多様化に対応できていない
- 新規プロジェクトのメンバーは、自ら手あげ式の公募よりも上長推薦によるものが多い
- 休みを取った人の仕事をフォローしようとする意識が薄い
- 社員がいまの仕事の進め方に満足してしまい、新しいことを起こそうとする空気がうまれにくい
制度・仕組み
時代の変化に対応した人事制度や必要な人材育成の仕組みづくりを再構築する
1. 制度(人事/評価など)
- 女性社員の管理職への登用が進まない
- シニア人材の活用が進まない
- 昇進、昇格の基準があいまい
- 雇用形態の多様化、多岐に渡る業務内容の変化から、評価制度を見直す必要性を感じている
- 評価基準マニュアルなどが整っていない
- 育休、産休などを支援する制度が整理されていない/制度があっても活用されている割合が低い
- 成果や結果を残した社員へ表彰するなどの制度がない
2. 人材の育成
- 上位概念からブレイクダウンされた「人材像」を育てる体系的育成システムが整っていない
- 組織のフラット化が進み、リーダーシップやマネジメントの経験が乏しくなっている人が多い
- 育成した次世代の幹部候補の現場での活用(活躍)ができていない
- 教育体系がない
- 等級定義がない
- 評価制度の運用が形骸化している
- 賃金制度の見直しを迫られている
- ダイバーシティに対応した人事制度への見直しが求められている
- 複線型キャリアパスがない
- 自己啓発支援の仕組みがない
- OJTに依存している
- 選抜人材育成の仕組みがない
機能(職能)別
組織の機能(職能)別の専門性の発揮や効率性の向上を実現する取り組みを支援する
1. 営業・販売
- 商流の変化が激しく、営業・販売戦略が立てづらい
- 一部の営業パーソンが個人商店化し、組織全体の販売機能が高められない
- 営業メソッドが形式知化できず、共有する仕組みがない
- 販促活動が非効率である(メディアの活用が機能しない)
- データサイエンスを用いたマーケティングができていない
2. 生産・製造
- 環境影響を踏まえた生産・製造計画~実施~検討ができていない
- 現場における管理技術の伝承がなされていない
- 後継者の育成不足
- 利益/コスト管理の意識が現場で浸透できていない
- 「生産工程の改善」が進まない
- 品質にばらつきがある
- 安全管理に問題がある