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初めての方のためのTRIZ講座

革新的問題解決実践理論-TRIZ-について、簡単にご紹介します。

ここでは、ツールとして現存する TRIZ が私たちにとってどういうものかという視点から「 TRIZ とは何か」を考えてみます。

なお、現在 TRIZ を非技術分野に活用する試みが盛んに行われていますが、煩瑣になることを避けるため、ここでは技術分野での TRIZ について考えることにします。ただし、ここで議論されることのほとんどは非技術分野についても適用できるはずです。

一言で言って TRIZ とは

定義(案)
現在までの技術者の経験と技術と製品の歴史から、多くの分野に共通する考え方と法則性を抽出して、具体的な問題を解決し課題を達成する独創的かつ実際的なアイデアを得るために応用する方法。


TRIZ は発展途上にあります。 TRIZ 自体を進化させるための研究と、 TRIZ をもっと上手に活用するための努力とが続けられています。その意味で、 TRIZ を1つの定義で決め付けることには無理があるのですが、 TRIZ を理解していただくためには一言で説明することも必要です。そこで、上のように言えば、現在使われているの TRIZ の 90 % 位はカバーできます。この定義では、TRIZ の TRIZ らしさが表現できていないと考える人がいると思いますが、上に書かれたことがTRIZの幹で、これ以外は例え太い枝ではあっても、やはり枝葉と考えるべきでしょう。もちろん、TRIZ を実際に使うために大切なのはその枝葉の方ですから、その枝葉について、以下に取り上げていきます。

まず、幹の部分について、少し補足説明をしておきます。
具体的な問題を解決し課題を達成する独創的かつ実際的なアイデアを得ることは多くの企業と組織とにとって不可欠だと思います。独創的でなければ組織の存在意義が無いし、実際的でなければ競争に勝てないからです。

現在までの技術者の経験

TRIZ がユニークなのは膨大な量の特許情報の分析から得た知識が方法の基礎となっていることです。数学が数や図形を、物理学が物の動きや力を、生物が生き物を対象として研究してきたように、 TRIZ の先達は人間活動のアウトプットの1つである技術を研究してそこに「法則性」を発見して TRIZ の財産としてきたのです。

技術と製品の歴史

TRIZ 研究者は特許情報以外に、「技術と製品の進化」に焦点を当てて歴史の研究を行ってきました。その成果は TRIZ の2つ目の財産です。

多くの分野に共通する

TRIZ は機械分野では使えるが、化学分野では役に立たないという人がいます。確かに、 TRIZ ソフトウエアを見ると説明に使われている例は機械系が多いように感じます。しかし、ベテランの TRIZ コンサルタントがアメリカでやっている仕事の相手には多数の化学品会社が含まれています。 TRIZ 自体の特性というより、化学分野の業務の特性を理解する能力を持ったコンサルタントの数がまだ少ないのではないでしょうか。

考え方と法則性を抽出して

TRIZ で言う法則は物理学の法則に比べると厳密さが少ないと思いますが、それでも、極めて高い再現性を持った傾向です。この観点から上の定義(案)を補足すると次のように言えます。

● 個人の経験と直感とを頼りに行っている試行錯誤に方法的な裏づけを与え、試行の数を大幅に削減しようとする試み。
● 試行錯誤の繰り返しによって、いつか出現する「技術的突然変異」を待つ仕事のやりかたを変え、先人の知恵を活用して目的達成に最善をつくす方法。

さて、 TRIZ を使うとどんな問題を解決するアイデアを得ることが出来るのでしょうか?詳細については、この講座の終わりの方で触れるつもりですが、 TRIZ の定義を補足する意味で結論だけここで挙げておきます。
現在 TRIZ が実際に使われている用途として次の 4 つを挙げることができます。

1.  技術や製品の進化の妨げとなっているボトルネック問題の解決
2.  製品や工程に発生した不具合の発生メカニズムの解明
3.  製品や新技術に潜在するリスクの予測
4.  商品の企画、技術開発の戦略の立案

次回は、TRIZ はどんなものから成り立っているのか、どんな風に使うものなのかについて、考えたいと思います。                     


TRIZ の特徴

ここまでは TRIZ の定義、TRIZ で何をするかについて考え、TRIZ は独創的で実際的なアイデアを得るための方法だと説明しました。ここからは、アイデアを得る方法としてのTRIZはどのような特徴をもっているかについて触れたいと思います。

実はアイデアを得るための方法というのは世の中に随分たくさんあります。日本で使われている方法だけでも数十あると思われます。本学が日本の企業を対象に行った調査では、ブレーンストーミング法、KJ 法、チェックリスト法、特性列挙法、親和図法、欠点列挙法、希望点列挙法などがよく使われているようです。特性要因図もある意味ではアイデアを得る方法と言えるでしょう。

これらの方法に共通した着眼点は人がものを考える時には様々な制約が働いたり、人の脳の持つ限界があったりする。こうした制約を取り払い、脳の限界を補ってやることにより、得がたいアイデアを得ることが出来るという点です。 TRIZ でもこのような視点は取り入れられていますが、同時に他の全ての方法がもっていない特徴がいくつかあります。


これまでにも簡単に触れましたが、TRIZ ではアイデアを得るために歴史の分析から得た知識、先人の知恵、他部門の知識を使うことが方法の一部として組み込まれている点です。

このような視点は企業活動の現場では断片的に活用されています。実は、具体的な問題に直面して、先輩が後輩にものの考え方や、コツを教えるところが TRIZ 的発想の萌芽した場面と言えます。

このような、先輩から後輩に伝承される以外では活用されていないノウハウや、歴史を分析することで初めて判ってくる法則性などの中で、色々な技術分野に共通するところを抽出して、アイデアを得るための方法の重要な要素として取り入れたところが TRIZ の大きな特徴です。

2つ目の特徴は、必ずしも TRIZ だけの特徴ではないかも知れませんが、大切な要素としてはっきりと取り上げられているところが TRIZ の特徴といえると思う点です。

それは、問題解決に活用できる「資源」(以下 TRIZ 的な資源という意味で「リソース」とします)という視点です。 TRIZ では出来るだけ余分なモノやエネルギーを動員しないで問題を解決しようとします。新しい材料や、部品を採用することによって問題がきれいに解決されることはたくさん有りますし、それはそれで問題はないわけですが、既存の要素(リソース)の範囲内で問題を解決しようとする視点を導入することによって、原理的に新しい発想の捜そうという姿勢が生まれますし、現状打破の観点が発見されるチャンスが出てきます。

この視点は、より良い材料を求めることが困難になり、大きな投資をしてもこれ以上部品を改良することが困難になった時点では大きな武器となります。このような改善のアプローチが限界に達する以前に、あるいは改善的アプローチによる費用対効果が悪化しつつある段階で他社に先駆けて、原理的に新しい改善策を採用するチャンスが得られるといえます。


TRIZ の3つ目の特徴は発想を得るいくつかのテクニックです。こうしたテクニックこそが TRIZ の最大の特徴と考えている人も多数います。 TRIZ のテクニックで最も有名なものは TRIZ 的矛盾の発想です。 TRIZ 的矛盾とは以下のような考え方です。

● 製品や技術が進化してゆく過程で、それ以上の進化を達成することが極めて困難な、限
 界的な状況が出現する。これは、それまでの進化を可能にしてきたリソースが使い尽く
 されることによる。このような状況とは「特性 A を改善しようとすると特性Bが悪化す
 る」とか、「同じ特性Aについて、ある条件下では A が高いことが必要であり、他の条
 件下では A が低いことが必要である」ということである。(この二律背反的な状況を
  TRIZ では「矛盾」とよんでいます。)

● 重要な技術的進歩はこのような矛盾をうまく解決することによって達成される。

● 現実に解決しようとしている問題の中から TRIZ 的矛盾を見つけだして、これに対する
 解決策を発見することによって、技術的な革新を成し遂げることが出来る。

この考え方は、技術的な問題に限らず、極めて広い場面で有効ですが、詳細は後の方でもう一度触れることにしたいと思います。


この他、TRIZ の特徴となっているテクニックは、問題を命題の形で記述し、この命題を論理的に読み替えることにより問題解決の糸口を探すアプローチ、具体的な問題を一般化して標準的な問題に読み替え、そこで得られる標準的な問題の解を、類推思考によって具体的なケースにおける解に読み替え直すアプローチなどなどですが、ここでも触れたように類推・連想によってアイデアを得たり、チェックリストを活用したりする様々な一般的なテクニックも多用されています。

一般的なテクニックに関連しますが、 TRIZ の4つ目の特徴は方法としてオープンであり、他の方法の長所をどんどん取り入れてきた点だと思います。現に VE の「機能」という視点や、QC の「特性要因図」の発想は TRIZ に取り入れられて活用されていますし、アメリカでは TRIZ を QFD タグチメソッドと連携させて使う人たちが多数います。また、最近ではシックスシグマの活動の中で TRIZ を活かす動きも広がっています。


ここで取上げる TRIZ の特徴の最後は、筆者の最も大切だと考える TRIZ の大きな利点です。それは TRIZ がアイデアを得るための方法を統合するためのプラットホームとなりうる、大きな可能性を秘めているということです。今までに触れた 4 つの特徴を整理しなおして、 TRIZ がどんな要素から成り立っているかを示すと以下の 5 つの要素を挙げることができます。

技術の発展における法則性(繰り返し起きる変化の形)
技術や製品の進化、改良をもたらす方法の定石
技術や製品の進化、改良に活用できるリソース(資源)の探し方
技術分野を問わず利用できる物理・科学・幾何的な現象、効果
問題の核心を理解し、考えるべき対象を絞り込み、発想を広げるためのテクニック


TRIZ というのは、上にあげた5つの要素を、前回の最後のところで触れた用途に合わせた手順に従って用いることで、アイデアを得る方法と言い直すことが出来るのです。

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