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第 22 号 IT系リスクに有効な逆転発想による創造的リスク対策( 2005 年 8 月)

TRIZ Letter 第 22 号掲載

IT系リスクに有効な逆転発想による創造的リスク対策

学校法人産業能率大学 総合研究所 教授
TRIZスペシャリスト 澤口 学

1.企業が直面する多様なリスク
情報技術分野を司る領域で、特にコンピュータとネットワークを利用したデータ収集や処理にまつわる損失という“悪い結果”と、その結果をもたらす“原因”が存在する社内外の特に情報通信に関連した状況あるいは環境のことである。IT系リスクの代表例としてはスキミング被害とフィシング詐欺がある。

2.逆転発想アプローチの特徴
従来のリスク管理手法であるKYTやKYKは、そのほとんどが現場作業の危険回避を目指したものである。このような思考訓練では「(過去に)なぜそのような不具合が起こったのか?」が思考の出発点になるので、場合によっては「自身の過去の狭い範囲の経験・知識に基づいた原因追求型思考に陥る危険性」がある。とくに、IT系リスクの場合は、前にも触れているように、適応技術の新陳代謝が激しくその環境変化も早いので、過去の検証型アプローチでは対策が後手に回る可能性が高い。 不具合現象を過去の事故(不具合)から見つけ出すのではなく、不具合現象を“一種の実現したい事柄(各々のリスクに対応)“として捉え、その実現方法を基本的に機能分析手法(目的-手段の論理)によって創造する。これが逆転発想アプローチの最大の特徴である。

<逆転発想アプローチの実施手順>

分析段階:

1.対象システムの情報収集・確認
2.リスク状況の整理
3.有害機能の体系化
4.対象システムのリスクネックゾーンの把握

創造段階:

5.有害機能達成のアイデア発想
6.リスク発生に必要なリソースの把握

対策段階:

7.リスク発生シナリオの作成
8.リスク回避対策案の検討

3.意思決定者としての自己対応能力
人間は仕事の遂行上の意思決定者として、企業活動の中で常に重要な役回りが与えられているが、時としてリスクを引き起こす危険なリソースと化し、ヒューマン・エラーを引き起こしてしまうこともある。したがって、本手法(逆転発想アプローチ)の実践を通して、リスクに対する感受性を高めることは当然大切であるが、その大前提として、一人ひとりの社員が、意思決定者として、どんな場面に遭遇しても決して危険リソース化しないように普段から心がけることが重要である。
そのためには、意思決定過程の中で、常に人間は完璧ではないということを大前提に自分自身を戒める習慣も重要である。筆者は、主に意思決定過程の3段階に対応した能力の欠如と意志決定者自身の体調不良がヒューマン・エラーに結びついているのではないかと考えている。この3段階の能力とは、それぞれ「分析(思考)力」、「創造(思考)力」、「評価(思考)力」である。

本要約は、極めて簡単に要約したものですべてをお伝えしていないことをお含みおきください。

設計におけるTrade onに向けた矛盾発見と解決

学校法人産業能率大学 経営管理研究所 主幹研究員
TRIZスペシャリスト 吉澤 郁雄

(1).設計部門および設計者の抱える問題
技術者は、専門領域の知識で問題を解決できると思い、試行錯誤をするが、あながちそのヒントは他の分野に存在することが多い。
2.「理想性の追求」と「妥協の排除」
技術システムの究極の理想状態とは、構造化された技術システムがなくても「要求機能」を達成することである。コストを低減すれば、信頼性の悪化や性能の低下につながる可能性が高い。設計過程では、競合する要因間の矛盾は、これらをTrade offすることにより最適化を図ることが一般化しているように思われるが、十分な解決策を得られないことが多い。
「妥協を排除」していくには、理想性の要素である消費する資源や害の総量を低減もしくは無くす方法を思考すればよい。
3.技術的矛盾と物理的矛盾
TRIZで言う2種類の矛盾とは、技術的矛盾と物理的矛盾である。技術的矛盾は「システムのある特性を改善・改良することが別の特性の悪化につながる」状態である。
物理的矛盾とは自己対立、すなわちある機能を実現させるために必要な特性Aは、他の機能を実現するために必要な特性Bと対立する状態を言う。

(2).矛盾解決の視点
1.技術的矛盾解決の視点
TRIZにおける技術的矛盾解決方法としては、特性(パラメータ)を二次元のマトリクスに展開し、該当する矛盾間に40の発明原理のうち、最適な原理を適用した「技術的矛盾マトリクス」の活用を推奨している。
2.物理的矛盾解決の視点
TRIZにおける実際の解決方法として「分離の原則」および「代替システムへの移行」を活用することを推奨している。

(3).矛盾発見と解決への考察のポイント

  • 技術的矛盾から物理的矛盾を見出す
  • 技術的矛盾から物理的矛盾を見出す方法
  • 物理的矛盾における技術特性の種類とTRIZが推奨する物理的矛盾解決の方法

(4).矛盾発見と解決の有効性
TRIZの創始者であるアルトシュラーは、異なる技術分野におけるいくつもの発明が同じ基本的な問題(矛盾)を扱っていることを認識していた。問題発見の視点・視座として、日常的な会話の中から、技術的矛盾を明確に認識し、さらに推し進めて、物理的矛盾を見出すことにより、技術システムに潜む矛盾の根幹に迫ることができる。とりわけ、開発期間の短縮を迫られる設計者にとって、試行錯誤やTrade offの繰り返しよりは、Trade onを目指して、技術システムの理想性の増加に向けた妥協の排除と固定観念の打破が、より良い成果を導くものと思われる。

本要約は、極めて簡単に要約したものですべてをお伝えしていないことをお含みおきください。

TRIZで数億円の経営成果の実績、特許網の構築にも貢献

日経BPコンサルティング
シニアコンサルタント 篠原 司

韓国SamsungグループがTRIZの導入で効果をあげている。2003年にはDVDプレーヤーのDVDピックアップとCDピックアップの光学系を簡素化したケースでは、3年間で1億米ドルのコスト削減効果をサムスン電子にもたらしサムスン電子の社内賞であるSamsung Technical Bronze medalを受賞している。

・QFDや田口メソッドとつなげる
TRIZを導入する場合,企業によってその位置付け方が異なる。多いタイプは,QFD(品質機能展開),田口メソッド,3次元CAD/CAMとのセットの中でTRIZを位置付ける例である。三洋電機,日立製作所がその代表的な企業である。この一貫した流れということをそれほど強く意識していないのが松下電器産業グループである。

『1テーマで億円単位の経営成果』
松下電器では白物家電,AV機器,システム設備,ソフトウエア,半導体,環境機器などかなり多くの商品にTRIZの適用事例があるという。TRIZを指導できる“分身”を各事業部に育てる。そうした“分身”は,今では松下グループ全体で数十人育っている。

『未来の車両トイレを先取り』
東日本旅客鉄道(JR東日本)は「鉄道車両用快適サニタリースペース」を,TRIZなどを用いて開発した。
TRIZの導入を始めるまで,JR東日本はVEを活用して開発案件の検討を行ってきたが,従来の経験からVEには以下のような弱点があると認識していた。

(1)将来を見据えたアイデアが出にくい。ブレーンストーミングの場合,創出できるのは現状改善的なアイデアにとどまりがちである。
(2)多面的なアイデアが出にくい。担当者の知識範囲のアイデアとなってしまいやすい。

JR東日本は,VEとTRIZを両輪として,同社独自の「価値創造技術」「バリューマネジメント技術」を構築しようと試みている。

『特許出願件数が過去最多』
日産自動車は知的財産部の主導でTRIZを導入。1999~2000年当時の年間の特許出願件数は1800件にまで落ち込んでいた。2004年には特許出願件数は3千数百件と過去最多を更新し,同件数の増加は一定の成果を収めるに至った。

本要約は、極めて簡単に要約したものですべてをお伝えしていないことをお含みおきください。

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