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58.WBS【Work Breakdown Structure:作業分解図】 - 5.構造化の手法

58.WBS【Work Breakdown Structure:作業分解図】

1.目的

WBSとは、システムの構成要素または一連の業務あるいはプロジェクトの最終成果物を生み出すために必要となる要素をすべて抽出し、階層構造で表した一覧表です。活動全体の最終的な目的を達成するため必要な構成要素や作業を、その全体の構成から下位構成さらにその下位構成といった形で展開して全体の構成を示した図として表現します。

これにより、活動全体のスコープ(=範囲)が明確化されます。WBSの作成は、なすべきこと全体を階層に分解して、管理可能な大きさに細分化するために行います。つまり、WBSの最も重要な目的は、活動全体で必要となる作業を網羅的に識別することにあります。
また、現状の業務の全体像を、要素構成を把握する観点から明確化するために利用することも考えられます。

2.考え方

WBSでは、システムでとりあげるべきレベル、または一連の業務あるいはプロジェクトにおいて実行しなければならないすべての要素を特定し、計画や管理、実行できるレベルまで階層構造にブレークダウン(=細分化)します。
したがって、結果的にすべての作業がWBSに網羅されると言えます。逆にいえば、WBSに記述されないプロセスは、その活動全体において実施すべき作業の範囲外ということになります。

またWBSには、上位レベルの要素は下位レベルの要素をすべて含んでいるという前提が成立するようにします。つまり、親にあたる項目(上位レベルの要素)と子にあたる項目群(下位レベルの要素)の間で、MECE(モレなくダブりなく)の観点から整合性がとれるように表記する必要があります(図表9)。

WBS例

WBSの最下位の要素をワーク・パッケージと呼びます。作業計画やスケジュールを作成する場合には、これを元にさらに細分化して、具体的なアクティビティ(=作業単位)に落とし込んで行きます。WBSにどの程度詳細な項目を含めるかは、一概には言えません。
ここでは、便宜的に、ワーク・パッケージは明確に定義できてコントロールが容易な管理単位、対してアクティビティは動作表現を伴う具体的な作業単位、と捉えておくことにします。

なおWBS作成にはいくつかの注意すべきポイントがあり、これらを押さえていないと活用しにくいものが出来上がってしまいます。WBS作成上のルールおよび留意点は、以下の通りです。

 [1] 各レベルの要素の和は、親レベルの要素の全てを表す(100%ルール)
 [2] WBSにない作業はスコープ外である
 [3] ステークホルダーは、WBS作成あるいは承認のプロセスに参加する 
 [4] 承認済みのWBSの変更は、公式な変更手続きを経て行う
 [5] 組織構造やリソース、スケジュールなどを意識しすぎない
 [6] WBSの最下位レベルの要素は、アクティビティの親レベルになる
 [7] 最下位レベルの要素は、監視やコントロールに適切なサイズとする
 [8] 第二階層にマネジメント要素をおく
 [9] 最下位レベルの階層の深さは、WBS内で同じでなくて良い

3.活用方法

WBSによって洗い出されたワークパッケージは、スケジュール・アクティビティの元になるものです。
よって、第一の活用方法としては、これから行う活動の作業計画/スケジューリングのインプットとすることが挙げられます。
作業計画には、誰が実施するのかという情報がつきものです。WBSに“人”を割り当てるようにすれば、要員計画の骨格としての機能も果たすことができます。また、同様に“金”を割り当てるようにすれば、要素ごとの費用を足し上げていく形のボトムアップ見積もりができます。つまり、コストマネジメントのツールとしても活用することが可能です。
実際の活動段階においては、WBSの要素単位で進捗を把握し、ステークホルダーと進捗情報の共有を行うと効果的です。すなわち、進捗把握のためのコミュニケーション・ツールとしても活用可能なのです。

また、ワークパッケージの単位で品質管理を行うと、ヌケモレのないQC活動を実施することが容易になります。同様に、リスク識別のフレームワークとして活用すれば、リスクマネジメント活動の遺漏防止にも役立ちます。
さらに、活動の一部をアウトソーシング(=外部委託)する場合には、WBSを活用して委託範囲を明示すると誤解を生む余地が極小化できます。

このように、ひとくちにWBSと言っても、実に様々な活用の場面が考えられるのです。
WBSがシステムを対象とした場合、ワークパッケージがハードウェアとして表現されることがあります。作業の場合と同様、コストマネジメントやコミュニケーションツール、品質管理などに活用できることは言うまでもありません。

4.事例

WBSの中でも、特に業務の関係について示したものを業務体系図と呼びます。一般的なWBSは縦方向に展開されることが多いのですが、業務体系図は横方向に展開して描画されることが多いようです。
業務体系図は左にあるほど粗く、右に行くほど細かい捉え方になります。したがって右に行けば最終的には業務の手順が記述されると言えます。左から右に向かって一次レベル、二次レベルとレベルの概念があります(図表10)。

ここでは、業務体系図を業務の革新活動に適用する例を見てみることにしましょう。業務体系図の業務革新への適用目的は次の二つに大別できます。

 [1] 改善したい業務の範囲を確認する
 業務体系図は業務革新の着手点を定める際の活用すると効果的です。これから変革していく範囲を明確にできるというメリットがあります。たとえば、生産管理業務といえば工程設計、負荷計画など大変に広範囲な業務から成り立っています。また人によって捉え方も違うでしょう。生産管理業務を対象に変革するといった場合、解釈がずれていては効果的な革新活動は困難を極めるでしょう。このような場合には業務体系図を作成し、理解の違いを修正するとともに、対象とする範囲を確定すると良いでしょう。

 [2] 分析のレベルを決める
 業務体系図から直接に変革案をつくる事はむずかしいため、その後さらに調査・分析を進めていくのが一般的です。このとき、調査・分析の細かさについて業務体系図を元に決めていくとよいでしょう。

業務体系図の一部


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