【第4回】駐在妻の過ごし方 ~語学学習とボランティア活動~

【第4回】駐在妻の過ごし方 ~語学学習とボランティア活動~ 【第4回】駐在妻の過ごし方 ~語学学習とボランティア活動~

今回は、私の帯同生活での過ごし方についてご紹介します。

1つめは現地語の語学学習、2つめはボランティア活動についてです。
これら2つのコミュニティは、私の帯同生活の土台であり、生活の幅を広げてくれている場でもあります。

現地語の語学学習。どうやって学ぶ?学ぶモチベーションは?

台湾では共通語である中国語(ただし字体は独特の繁体字)と、昔から使われている台湾語を話す人々が多いです。よって、私はまず中国語の勉強を始めるところからスタートしました。

学習方法としては、大学の語学教室もしくは語学を専門とした学習塾に通うことが一般的です。
大学の語学教室は週5日通う必要があり、乳幼児を持つ人には難しい選択です。よって、私はマンツーマンレッスンの塾を選択しました。現在は1回1時間、週2回の授業を受けて1年半が経ったところです。

語学学習テキストの写真
左手の水色のテキストは、塾オリジナルです。日常生活でよく使う会話がまとまっています。
右手のテキストは、台湾で中国語を学ぶときによく使われるものです。大学の語学教室でも同じものを使用しています。英語で中国語を学ぶ内容です。

塾のマンツーマンレッスンに通うメリットは、大きく2つあります。
1つは、自分の生活環境に必要な言葉を中心に学ぶことができるので、すぐに使える言葉、今知りたい言葉を学ぶことができる点です。
そしてもう1つは、先生が生活全般の世話役も担ってくれている点です。

台湾に来て初めてコミュニケーションを取れる現地の人が先生でした。病院に付き添ってもらったり、ネットショッピングの会員登録を手伝ってもらったりと、生活の基盤ができるまでのフォローをしてもらえたことはとても感謝しています。
語学学習は、帯同家族の自立的な生活をサポートするという役目とともに、現地コミュニティと繋がる手段としての役割も果たしていると実感しています。

語学習得の面では、なかなか思うようには、マスターできていないというのが実感です。
そんなときに、若い世代の台湾人と接すると、ごく身近に海外の存在があり、彼らにとって外国語を学ぶことはとても実学的で、使うことが前提であるように感じます。そのため、彼らは英語であっても日本語であってもコミュニケーションを取るために積極的に使ってきてくれます。
そのような彼らを見ていると、さまざまな言語を使うことに積極的な気持ちになりますし、中国語だけでなく英語学習についても必要性を感じたりするのです。

ボランティア活動で仕事脳を使う

現在、私は2つのボランティア活動をしています。
1つは、オンラインサイト「駐妻café」の企画・運営で、すべてリモートワークで活動しています。
そしてもう1つは、現在住んでいる台中市で未就学児の親子が交流する日本語サークルの活動です。

駐在妻による駐在妻のための情報発信・交流サイト「駐妻café」

「駐妻café」とは。

カフェでおしゃべりするように、駐在妻が気軽に集まり、出会い、思いを共有できる情報・交流サイト。プレ駐在妻向け渡航前オリエンテーション・キャリア体験談などの情報発信・無料のオンライン交流会などを実施。

駐妻café:https://cz-cafe.com/

このボランティア活動を始めたのは、退職して帯同することを決意したタイミングでした。
そのころの私は、時間があれば「駐在妻 キャリア」とネット検索をしていて、主宰者・飯沼ミチエさんがサイト立ち上げのためにボランティアメンバーを募集することを知り、応募しました。そのときは、仕事に向けていたエネルギーを何かに向けたい、そして同じことで悩んでいる方々と交流したいという想いでした。

現在活動は2年半ほどになります。
運営メンバーは入れ替わりながら現在15か国約40人で活動をしています。活動方法は、グループチャットが可能なオンラインワークスペースを使って業務や連絡のやりとりをし、ビデオ通話でミーティングをしています。
メンバーに時差がある中、すべてリモートワークでサイトをつくり上げていくという経験はとても刺激的です。

オンラインのボランティア風景のイメージ写真
オンラインのボランティア風景(画像はイメージです)

この活動を通じて、得られる経験は次のようなことです。

  • 世界中にいる駐在妻の人たちと交流できる
  • バックグラウンドの全く異なるメンバーと1つのものをつくり上げていく中で、自分の得手不得手に気がついたり、自身の固定概念に気がついたりする
  • やってみたいことに手を挙げ仲間を募り、トライ&エラーを繰り返しながらチャレンジができる

私にとって、この活動を通じた仲間との交流が、帯同生活の不安やモヤモヤを軽減し、前を向く力になりました。
そして、みんなで1つのサイトをつくり運営していく過程で、仕事の仕方や働き方などを考える機会にもなっています

未就学児の親子が交流する日本語サークル

このサークルは、月に2回、駐在家族や日台国際結婚家族の方が、気軽に乳幼児を連れて交流できる場をボランティアで運営しています。
予約不要で参加ができ、日本語の歌を歌ったり、絵本の読み聞かせをしたりしつつ、お母さん同士がおしゃべりできる場となっています。

子育てサークル活動の写真です。
10月ハロウィンの様子です。日本の季節を意識したイベントや歌を用意して楽しんでいます。

私は参加者であり、スタッフとしても参加しています。
なぜスタッフになったかといえば、このサークルにとても助けられたという気持ちと、この場所を継続していくために少しでも力になれればと思ったからです。

渡航前にブログでサークルの存在を知り、どれだけ安心したことか。このサークルを通じて友人ができ、育児や出産事情なども教えてもらうことができました。
現地の情報はやはり口コミが頼りです。夫がすでに生活してはいましたが、特に子どもに関することの情報収集には限界があり、先輩駐在妻の方に会って話せば一発で分かるということもたくさんありました。

駐在妻コミュニティの宿命は、「人の入れ替わり」です。
そのため、このサークルも代々いろいろな方がスタッフとなり繋いできています。私もその1人として恩送りができればと活動しています。

ボランティア活動のよさは、次のようなことだと思います。

  • 約束のいらない居場所がある
  • 同じ目的を持つ人たちと交流し、小さなゴールを刻みながら過ごせる
  • 仕事脳を働かせることができる
  • 誰かの役に立てていると実感できる

今回は、私の過ごし方をご紹介しましたが、駐在妻は十人十色。
駐妻caféではさまざまな生活体験談を発信しています。よかったらのぞいてみてください。