日本にこそいま必要な「ニューノーム」経営論

クラウド・コンピューティングの勢いが止まらない。クラウド・コンピューティングとは雲(クラウド)の中のコンピュータをインターネット経由で利用する新しい情報処理の形態である。

旧知の友人でありシリコンバレーで急成長している企業向けパブリック・クラウド・コンピューティング会社の創業者CEOであるマーク・ベニオフ氏によれば、クラウド・コンピューティングはコンピュータ業界における一時的な流行ではなくニューノームになるという。

日本ではノーム(規範、標準)という言葉はあまり使われていない、むしろノーマル(正規の、標準の)という言葉の方がポピュラーである。ただしノーマルは形容詞であるのでニューノーマルだと「新しい標準的な」になってしまい違和感を覚える。よってここでは名詞であるノームとニューを組み合わせ「新しい常態」を意味するようニューノームという言葉を用いることとする。

本コラムでは3回に分けて、コンピュータ業界におけるクラウド・コンピューティングの現況とその業界とユーザーへのインパクトを考察したい。併せてニューノーム論が示唆する一般的な経営論についても触れてみたい。

プロフィール

浦野 哲夫 (うらの てつお) 氏

ベイ・フィールド・インターナショナル代表
株式会社セールスフォースドットコム顧問
産業能率大学 客員教授

富士通株式会社 経営執行役常務・常任顧問、富士通フロンテック株式会社 監査役など歴任後、ベイ・フィールド・インターナショナル代表に就任。
富士通株式会社在職中に、通算25年の欧米在住経験を持つ