産業能率大学の海外研修プログラムとグローバル教育(2)~「異文化体験研修」~

2週間に渡る異文化体験研修のテーマとして5グループが各々設定したのが、以下の通りでした。

(1)日本とベトナム:マナーと行事の違い
(2)日本人とベトナム人:学生生活の違い
(3)ベトナム人の結婚・結婚観
(4)ベトナム料理~ゲテモノは本当にゲテモノなのか?検証~
(5)ベトナムにあったら嬉しい日本製品

帰国日前日に予定されているファイナルプレゼンテーションでは、このテーマについて調査・研究したことを英語で述べるため、発表の際に必要になる資料や物、そしてPCを持参するよう伝えてありました。そのためだけではないでしょうが、2月12日午後10時半、皆大きなトランクを引っ張りながら東京国際空港の待ち合わせ場所に集合しました。海外は初めてという学生も含め、期待にワクワクしている様子が顔に表れていました。
日をまたいで13日午前1時半、いよいよ飛行機がホーチミンに向けて飛び立ちました。ホーチミン タン・ソン・ニャット国際空港には、提携先、ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科大学(USSH)のInternational Exchange Club(IEC)メンバー2名が出迎えてくれ、バスへの誘導、今後2週間の予定などについての説明に続き、交流が始まりました。

2週間の我が家となるAU LAC HOTELに到着。窓のない部屋があったものの、まあまあ綺麗なホテルの様子に皆ほっとし、部屋に落ち着きました。到着日は、FREE TIMEとなっていたのですが、初日からいきなり自由行動は学生たちも困るだろう・・・という教員の配慮により、急遽、希望者だけを近隣スーパーに連れて行き、一緒にお昼ご飯を食べることになりました。
「近くのスーパーにお水とかを買いに行くよ!一緒に行きたい人はロビーに集合!」と声をかけると、何と全員参加!皆でぞろぞろと、バイクの多さにおののきながら徒歩10分のCOOP MARTでお水、お菓子、シャンプー、リンスなど日用必需品を購入し、道すがらラーメン屋やお洒落なカフェがあることを確認して深い安堵を覚え、ホテル前のベトナム料理レストラン(お昼は定食屋、夜はカフェバー)でランチを取りました。

お店のコップからスプーンまで全て拭いてからでないと衛生面が安心できず食べられない学生、英語もベトナム語も全くできないけれど既に土地に馴染んでどんどんオーダーする学生。異文化体験はもう始っていました。午後は手数料が安い両替屋まで皆で行き、そこからはグループごとに自由行動となりました。「大丈夫かな?」という教員の不安をよそに、それぞれお目当ての場所にさっさと散っていくのを見て、「意外とたくましいじゃない!」と拍子抜けしたのを覚えています。このプログラムでは、ホテルでの朝食と観光時の昼食が付いている以外、毎日の昼食と夕食は各自で自由に取ることになっています。到着初日、早速例のラーメン屋に行った者、ハンバーガーショップに行った者、ベトナム料理にチャレンジした者それぞれだったようです。ちなみに、教員2人は「視察」という名目で、料亭のように豪華だという噂の「大戸屋・ホーチミン店」で日本食を食べて、長い1日を終えたのでした。 2月14日、研修2日目。大学でのオリエンテーションとIECメンバーとの顔合わせです。大学までは徒歩20分、又はバスかタクシーでそれぞれ行くよう指示をしており、大学のD402教室に集合という荒療治でしたが、全員遅刻することなく集合しました。IECは国際交流を目的としたクラブで、USSHの中でも非常に英語が堪能で、海外や異文化に関心が高い学生たちが運営しています。
流暢な英語で我々を歓迎してくれ、2国間の学生たちが仲良くなれるゲームを行い、セッションが終わった頃には、それぞれの連絡先を交換している学生たちの姿も見られました。IECメンバーは常時さまざまな国の学生とこのような交流プログラムを実施しているので、本学の学生が少々シャイであっても英語ができなくても、常に笑顔で話しかけてくれ、こちらを受け入れようとする姿勢が表情や行動で見て取れ、緊張していた本学学生も徐々に打ち解けていきました。
このように、ホーチミンでの異文化体験研修は順調に始まりました。 次回は、2週間のプログラムの中で、学生たちの発見やそこから得られた学びが特に深かったプログラムをご紹介します。