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「若手・中堅社員を育てる」(3):通信研修を活用した階層別教育構築

中堅社員育成のポイントとは

前回のコラムでは若手社員の体系的育成について考えてきました。
今回のコラムでは階層を少し上げて、中堅社員の体系的育成について考えていきたいと思います。

企業の現場における実務的な活動は中堅社員が担っており、中堅社員の活躍いかんでその企業の業績や進展は大きく変わります。高い専門性を持ち、主体的に活動して成果を出し続ける。こうした強い実行力を持った中堅社員の存在は業績に直接良い影響を与えますし、経営者や管理者にとって非常に心強いものです。また、そうした社員が周囲に多くたくさんいると、職場に良い相乗効果が生まれるでしょうし、社員1人ひとりの働く姿勢にも良い影響を与えてくれるはずです。

では、こうした強い実行力を持った中堅社員を育てていくには、どのように考えていけばよいのでしょうか。そのポイントは次の3点です。

  1.安定的に成果を出す力を身につける
  2.他者と協働し、周囲に良い影響を与える力を身につける
  3.経営視点で考えられる力を身につける

中堅社員育成のポイント(強い実行力を育てる)

中堅社員育成のポイント(1)

それでは、早速それぞれのポイントを見ていきましょう。

第1のポイントは、「安定的に成果を出す力」を身につけるということです。

実務の最前線で活動している中堅社員には、まず何よりそれぞれの職務で成果を出すことが求められます。そのためには各職務における専門性を身につけることが欠かせません。営業職であれば、商品知識や業務知識、販売スキルなどが必要ですし、情報システム部門の社員であれば、システム設計やプログラミングの知識・スキルなどが必要でしょう。

しかし、こうした専門性だけあれば必ず成果が出せるというものでもありません。例えば、いくら豊富な商品知識を持っていても、それをお客様にきちんと伝えることが出来なければ、お客様にその商品やサービスを納得して購入していただくことは難しいですし、プログラミングの技術が優れていても、その技術を生かすいいアイデアが浮かばなければその技術も宝の持ち腐れです。

つまり、成果を出すためには、その職務の専門性に加え、その専門性を成果につなげる力(=成果創出能力)が求めらます。

成果創出能力

この専門性を成果につなげる力とは、具体的にどのようなものでしょうか。
産業能率大学では「考える力」「伝える力」「やり抜く力」の3つが必要だと考えています。

「考える力」とは、論理的に物事を考えたり、創造性豊かに発想したり、物事を解釈したりする力のことをいいます。このような論理的かつ創造性豊かな思考は、すべてのビジネス活動の基盤といえますし、自ら考えて活動することは自律的活動そのものです。

「伝える力」とは、考えや意見を的確に相手に伝えたり、コミュニケーションによって相手を動かしたりする力のことをいいます。ビジネスの世界において、およそ1人でできることには限りがあります。正確な情報伝達、人を巻き込む活動は、どんな仕事であっても必要な要件であることに異論はないでしょう。

「やり抜く力」とは、計画立てて仕事を進め、適切な判断のもと、最後まで気持ちを切らさず仕事をやり抜く力のことをいいます。どんなにいいアイデアを出したり、上司や顧客にうまく説明できても、最後までやり遂げなければ成果は出せません。仕事を進めていくとさまざまな問題が発生するものです。問題に正面から取り組み、困難を乗り越え、成果に結びつけていくことは実行力そのものともいえます。

この「考える力」「伝える力」「やり抜く力」の3つは、どのような職務でも共通して求められる力であるとともに、職業人として常に基盤となる力です。こうした能力は、出来るだけ早い段階で確実に身につけておくことよいでしょう。


中堅社員育成のポイント(2)

強い実行力を持った中堅社員を育てる第2のポイントは、「他者と協働し、周囲に良い影響を与える力」を身につけることです。

日本企業の伝統的な強みである「現場力」の根底には、社員1人ひとりの高い協働意識があります。目的や目標の共有と協働の推進を通じ、メンバー個々の能力の総和を上回る成果を組織全体で出していくためには、関係者と良好なやりとりを通じて結果を出し、相互の関係を強固にしていく行動が必要です。

しかし、今の職場の状況をみると「個人間、世代間、部門間、立場間などのコミュニケーション不全(阿吽(あうん)で伝わらない、認識の齟齬が起こる)」、「関係者をうまく動かせない(働きかけができない、当たり障りのない会話はできてもハードな対話に耐えられない)」、「多様な人々に関係を広げたり深めたりすることができない」といった形で協働を進める力の不足が顕在化しつつあります。

今後、厳しい経営環境が予測される中で、日本企業が強みの原点に立ち返ろうとする時、メンバー1人ひとりの協働を推進する力は組織にとってもビジネスパーソン本人にとっても関心の高い育成課題として認識されるはずです。

こうした協働を推進する力を身につけるためには、「通じ合う」「動かす」「広げる」という3つの視点を持つことが大切です。

「通じ合う」「動かす」「広げる」という3つの視点

協働を推進する第1の視点は「通じ合う」ことです。
顧客にせよ、チームの仲間や上司・部下にせよ、相手と的確な意思疎通が出来なければ何も始まりません。お互いの考えや意見、情報のやりとりがきちんとなされること、それが協働の出発点です。「そんなこと当たり前だ」「簡単に出来る」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、これが意外と出来ていないことも事実です。特に昨今の仕事環境を考えると、国籍や雇用形態が違う人とのやりとりが多くなるのは必然で、個々人の価値観や考え方もまた多様です。また、部署や部門あるいは業界の違い、世代の違いなども、考えや価値観に大きな影響を与えます。自分と同質な人とばかりではなく、多様な人と分かり合い、通じ合うこと。そうした力が求められているのです。

協働を推進する第2の視点は「動かす」ということです。
これは関係者に働きかけ、成果に向かって参画と貢献を引き出す力のことです。立場が違えば、主義主張も違う人が同じフィールドに集うのがビジネスの世界です。そこでは阿吽の呼吸も通用しませんし、何らかの働きかけがなければ、自分の期待する方向に動いてくれることなど稀でしょう。しかし、成果に向かって活動していくためには、関係者の同意を得て何らかの行動をとってもらい、支援してもらわなければなりません。そのためには、相手を動機づけ、説得して他者を動かし、協働のための参画と貢献を引き出すことが必要なのです。

協働を推進する第3の視点は「広げる」ということです。
これは人脈を広げ、深めていく力のことです。変わらぬ人間関係や環境の中で仕事をし続けていては発想や視野が広がらず、いずれ限界がきます。コミュニケーションのネットワークの広がりは、新たなチャンスや発想などを生むきっかけにもなりますし、周囲の支援を得ることで仕事における能力の限界を高めることができます。そうしたネットワークを広げて深めていくことが、より良い仕事のベースとなるのです。

中堅社員には、いろいろな人にうまく働きかけて共感を獲得しながら、新しい仕事にチャレンジして成果を出すことが求められています。何か新しいことをやる、しくみを変える、改善する、こういったいずれの活動においても他者とやりとりが発生します。「通じ合う」「動かす」「広げる」といった力を身につけ、協働を主体的に推進してリーダーシップを発揮し、新たな成果を導くことが中堅社員に求められているのです。


中堅社員育成のポイント(3)

強い実行力を持った中堅社員を育てる第3のポイントは、「経営視点で考えられる力を身につける」ということです。

企業の最前線で活動している中堅社員には、まず何よりその職務で成果を上げることが期待されますが、変化が常態化している現在のようなビジネス環境においては、地道に努力を重ねていくだけでは成果は出せません。何が効果的な活動なのかをしっかりと考え、そこに向かって努力を重ねていく必要がより高まっているのです。

中堅社員として活動を重ねていると、自分なりの仕事の進め方やセオリーを持つようになります。それはそれで尊いものですが、自分の経験だけで仕事を進めていくと必ずどこかで壁に当たります。自己流には限界があるのです。そこで、中堅社員の間に是非身につけておいてほしい知識が経営管理のフレームワークです。

経営管理のフレームワークは、ビジネスにおける先人達の努力と経験からなる偉大な知恵袋です。ビジネスの定石といってもよいでしょう。戦略に沿って「人」「モノ」「カネ」「情報」を考え、行動することは組織の成果達成の定石ですし、この考え方は現場の仕事にももちろん有効です。

また、先に中堅社員には協働を推進して成果を導くことが求められると述べましたが、自分以外の他者を納得させ、行動を起こさせるためには、まず相手に納得してもらうことが不可欠です。その際、独りよがりな考えや、自分の思い込みからくる話では、相手に納得してもらうことは難しいでしょう。特に、上司や他部門、他社の人を動かすためには、自分より“上”の視点でモノを考えて行動しなければなりません。そのような時にも経営管理のフレームワークが役立ちます。

経営管理のフレームワークは、ビジネスの世界ではある種の「共通言語」になっています。
例えば、マーケティングミックスと言えば、製品、価格、流通経路、プロモーションの組み合わせのことだと誰しもが分かりますし、損益分岐点と言えば、企業の費用構造の話をしているのだと分かります。このように、ビジネスの概念や言葉について、同じものを同じように理解し、言葉を交わすことで、コミュニケーションは格段に効率的になり誤解や齟齬(そご)を生む確率も減ります。これは、経営層や管理層、中堅社員といった組織の階層や業種業界を問いません。こうしたビジネスの共通言語(特に経営視点でモノを見る経営管理のフレームワークの知識)は、職業人として必ず必要になりますので、早い段階で理解しておくに越したことはないのです。

経営管理のフレームワークは奥が深いものですが、中堅社員であればまず、「経営戦略」「マーケティング」「財務・会計」「HRM(人的資源管理)」「IT(情報システム)」の基本的な知識から学んでいくとよいでしょう。

経営管理のフレームワーク

定石どおりにやれば必ずうまくいくというわけではありませんが、定石を踏まえた上で努力することで、活動の質は確実に高まります。また、定石を知ることで、自分の活動を後から評価することもできます。ビジネスの基本姿勢は若いうちに固める。そのための視点として、経営管理のフレームワークはとても重要なのです。

強い実行力を持った中堅社員を育てるためのポイントとして、
 「安定的に成果を出す力を身につける」
 「他者と協働し、周囲に良い影響を与える力を身につける」
 「経営視点で考えられる力を身につける」

ということについて考えてきました。

最後に、ここまでご紹介してきた能力を身につけるために本学からお勧めしたい通信研修コースをご紹介します。皆様の組織における体系的育成についてご参考になれば幸いです。

BFシリーズ(ビジネス・ファンダメンタルズ・シリーズ)

成果創出につながる基礎能力を“考える力”“伝える力”“やり抜く力”という3つの要素から体系的に整理したシリーズです。
⇒ 「BFシリーズ(ビジネス・ファンダメンタルズ・シリーズ)」の詳細はこちら

ビジネス対人力シリーズ

良好な人間関係の構築にとどまらず、「良好な関係を築き、一緒に成果を上げる」ことを目的としたシリーズです。
⇒ 「ビジネス対人力シリーズ」の詳細はこちら

SBCPシリーズ(次世代リーダー育成プログラム)

経営全体を見るために必要な要素である5つの専門分野(経営戦略、マーケティング、財務・会計、HRM、IT)に関する知識を体系化したシリーズです。
⇒ 「次世代リーダー育成プログラムSBCP」の詳細はこちら

以上、3回にわたり、若手・中堅社員育成にあたっての視点とポイントを述べさせていただきました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

「若手・中堅社員を育てる」


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