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「管理者を育てる」(3):通信研修を活用した階層別教育構築

第2回では、管理者の成長要件について述べましたが、基本的な考え方が中心であったぶん、話が多少、抽象的になりました。
第3回は、具体的な管理者育成策の設計を検討したいと思いますが、今回は特に通信研修の有効活用を中心に取り上げたいと思います。

第1回.理想的な管理者とは
第2回.管理者の成長とは
第3回.管理者の体系的育成施策と通信研修の活用ポイント(今回)


    (1)管理者育成における通信研修の役割(効用)

    最近マネジメントに必要な知識を一通り学習する通信研修コースの利用が伸びています。各階層とも人数を増やしている中で、2010年度に特筆すべきは「監督者層(係長相当)」対象コースの伸びが著しいことです。
    第1回の冒頭でも触れましたが、現場を強くする重要性が各組織で再認識されてきたのではないでしょうか。管理者教育において通信研修が果たす役割は、第2回で述べた「経験学習の効果を高める知識学習の効用」とほぼ一致しています。

    改めて管理者向けに表現を修正して掲げておきましょう。

      a.新任管理者が初めてマネジメントを行うときの指針になる
      b.日々の経験を振り返り意味づけ、教訓を引き出すときの材料となる
      c.管理者同士が議論したり協働したりする際の共通言語となる

    マネジメントという暗黙的で体感的なワザに熟達していくための事前準備として必要十分な知識を習得しておくことは有意義だと考えています。新任管理者やその候補者に通信研修を導入する意義は、まさにこの点にあるのです。


    (2)階層別通信研修 導入時のポイント

    次に、具体的にどのようなコースを選定すればよいか、そのポイントをご紹介します。

    以下に例示するのは、産業能率大学の階層別通信研修「革新管理者基本」コースです。

    本コースは新任の初級管理者(係長相当)を対象としたものですが、カリキュラムをご覧いただけば、初めて管理者になる人が押さえておきたい必要十分な知識・スキルが網羅的に取り上げられていることがわかります。もちろん、網羅的である分、ある程度「広く、浅く」学ぶことにはなりますが、先述した「最初にやってみるときの指針」「振り返りの材料」という目的は十分に達成されるはずです。得られた広汎な知識を出発点に、実践を重ねたり、特定領域の知識をさらに深めたりしていけばよいでしょう。

    革新管理者基本コース 学習のフレームワーク

    革新管理者基本コース 学習のフレームワーク

    革新管理者基本コース カリキュラム

    革新管理者基本コース カリキュラム

    経験学習の効果を高める知識学習

    産業能率大学では、中堅リーダー、監督者、管理者の各階層別に役割遂行のための前提知識をパッケージ化した各種の通信研修プログラムを用意しています。

    下図をぜひ参考にしていただきたいと思います。

    通信研修プログラム

    各階層にふさわしいコース選定ができた後は、対象者全員がある節目で一斉に受講できるような仕組みにしておくことが大切です。これは先述した「共通言語の獲得」に影響します。役割や期待を同じくする者同士、共通の知識基盤の上に立ってコミュニケーションを交わしながら仕事を進めていくことによって、組織内にさまざまなノウハウが蓄積されていくことにもつながります。

    具体的な方法として、昇進前後に通信研修によってこうした知識習得を義務付けるやり方が多くの組織でなされています。知識の定着度を高いレベルで揃えるために、通信研修修了後に社内テストを実施することも多く見受けられます。


    (3)「実践の場」「交流の場」を演出する

    通信研修は、受講者にきちんと最後まで修了してもらうことをゴールとみなされがちですが、本来は「学んだ知識やスキルを実践につなげる」工夫が求められています。
    そのために必要なフォロー策が「場の設定」です。
    場とは、「実践の場」であり「交流の場」を意味します。

    第2回で述べたとおり、知識や理論はそれ自体では管理者の成長につながりません。
    『仕事で試す⇒成功/失敗を受け止める⇒振り返り、分析する⇒マイセオリーを言語化する』という経験学習があって初めて知識がその人の血肉になりますし、この経験を同じ立場の同僚と共有することで経験学習効果は増大されます。

    従来の教育では、ともすればこうした「実践」や「交流」は本人任せになりがちだったと思います。
    実際、経験学習が起こるのは一人ひとりの勤務時間帯ですから、本人の取組みに依存すること自体は間違いないのです。ただ、初めて自転車にのるときに補助輪が欠かせないのと同様、管理者になりたてのときに「知識⇔実践」の経験学習サイクルを意図的に踏んでもらうようなしかけを教育プログラムに埋め込むことが必要です。

    2つの学習を教育プログラムの中に埋め込む

    経験学習を促進するための2つの場作りに向けた具体的なフォロー策としては、以下のような方法が考えられます。

     a.集合研修による実務演習の場面設定・・・
    通信研修受講と並行、もしくは修了後にフォローアップの集合研修を実施する方法です。単なる知識定着のために集まるのではなく、実務を想定した演習と受講者相互のディスカッションを通じて、各自が「自分なりのコツ」を会得することを集合研修のゴールに設定する必要があります。

    例 「マネジメント実践」コースの受講とフォロー研修の実施フロー

      b.事後リポートによる実践展開・・・
    通信研修修了後に、組織独自の「実践展開リポート」を設計する方法です。具体的には、通信研修で学習したことを活かして実務上の目標設定をしてもらい、4半期程度の実践期間をおいた後の振り返りを行うような「実践展開リポート」を設計し、一斉に取り組んでいただくやり方です。受講者の上司や人材開発部門が取り組みに対するフィードバックを行います。

    例 企業独自の「実践展開リポート」の流れイメージ

    企業独自の「実践展開リポート」の流れイメージ

    2つの方法をご紹介しましたが、他にもさまざまな工夫を凝らして「実践の場」「交流の場」を設定することによって、「知識を実践に活かす」「実践を通じて新しい知恵を得る」ことを体感してもらい、以後習慣になるように方向付けることが大切です。

    以上、3回にわたり、管理者教育の基本的な考え方と通信研修の活用方法について述べさせていただきました。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

    「管理者を育てる」

    連載 テーマ
    はじめに
    第1回 理想的な管理者とは
    第2回 管理者の成長とは
    第3回 管理者の体系的育成施策と通信研修の活用ポイント

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