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データで読み解く “人材開発の過去、現在、未来” 【第5回 人材開発部門のこれまでとこれから】

はじめに

 前回まで4回にわたり、さまざまな角度から人材開発活動の現状と変化の兆しについて読み取ってきました。
 最終回の今回は、調査の結果を概観し、これからの人材開発活動で鍵となるものについて考えていきたいと思います。

人材開発活動の建て直し

 第1回のコラムでは、リーマンショック後に一旦縮小した教育投資額が増額傾向にあり以前の水準に戻りつつあること、しかも従業員規模の大きい企業ほど力を入れようとしている様子がうかがえることをご紹介しました。多くの企業は、人材開発活動の縮小を余儀なくされたものの、ここにきて改めて人材開発活動を中心におきはじめているものと推察されます。

 とはいえ、一旦縮小して弱まった活動の建て直しは容易ではないと思われます。活動を縮小している間は、現場との関係性が希薄になり距離が開いている可能性があります。そのため、現場の状況を正しく把握することも、現場ニーズを吸い上げることも、困難な状況にあるかもしれません。

新たな課題への対応

 また、人材開発上の課題についても変化の兆しが見受けられます。人材開発上の課題として多くの企業が挙げたのは、「管理職のマネジメント能力を高めること」であったことを第3回のコラムでご紹介しました。こうした普遍的な、永遠のテーマともいえるべき課題を挙げる企業が多い一方で、これまでにないような、新たな課題を挙げる企業も増えてきています。

 人材開発上の課題について規模別にみてみると(表)、1000人以上規模の企業では、「女性リーダー・管理職育成」や「グローバル人材育成」が上位にランクインしています。これらはいずれも、これまでにない新たな課題であり、従来のような人材開発活動を展開していては、効果は期待できません。同時に、これらは緊急性が高いテーマであり、課題解決にはスピードが求められます。だからこそ、第2回のコラムでご紹介したように、人材開発活動を、組織主導で組織の論理で行う、という企業が増えてきているのだと思われます。

【表 人材開発上の課題】

人材開発上の課題-01

人材開発上の課題-02

エビデンスベースの人材開発活動へ

 このように、人材開発部門は、活動の建て直しをはかると同時に、新たな課題にも対応しなくてはなりません。そして、こうしたニーズに対して、より組織的に、より計画的に、よりスピーディーに、より効果的な活動を展開することが求められているといえます。

 このような要請に応える上で鍵になるのが、“エビデンス”です。これまでのように、人材開発活動を経験や勘だけに頼るのではなく、事実やデータなどの、客観的かつ科学的なエビデンスに基づき行うことが求められているのではないでしょうか。

 エビデンスには、今回ご紹介したような複数企業を調査対象としたマクロデータはもちろん、モラール調査等の現場課題を把握することを主目的とした企業個別のミクロデータ、専門家の意見等様々なものがあります。これらのエビデンスを意思決定のための材料として積極的に活用し、それに基づく人材開発活動を展開することで、組織および現場ニーズや状況にマッチした、より効果性の高い教育の提供が可能になると考えます。


(学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 組織測定研究センター
プロジェクト・リーダー 田島 尚子)

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連載 テーマ 公開日(予定)
データで読み解く “人材開発の過去、現在、未来” 連載TOP 2016年8月19日
第1回 教育は投資かコストか 2016年8月19日
第2回 人材開発の主体は個人なのか組織なのか 2016年10月20日
第3回 人材育成の中心を担うのはOJTなのかOff-JTなのか 2016年12月26日
第4回 管理職に新たに求められる役割とは 2017年4月5日
第5回
(最終回)
人材開発部門のこれまでとこれから 2017年5月26日
テーマは若干変更することがあります。予めご了承ください。
著者の所属・肩書きは掲載当時のものです。

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