総合研究所の概要

お問い合わせ

資料請求リスト

企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~        【第1回 さまざまな人材育成手段の導入状況・導入目的と教育費の配分】

 学校法人産業能率大学では、2016年3月に「企業・団体内教育における通信教育の活用実態調査」を実施しました。この調査の目的は、組織における通信教育の活用実態や、他の人材育成手段と比較しての位置づけをはじめ、通信教育をより有効活用していただくヒントをご提供することです。

<回答概要>
【調査期間】 2016年2月22日~3月4日
【調査対象】 日本企業の人事部門、人材教育部門、経営企画部門、事業部門のご担当者
【調査方法】 インターネット調査
【回答企業数】回答数592件、有効回答数545件(企業重複回答なし)

 今回は、その結果から、人材育成の各種手段、中でも社会人の通信教育がどのように位置づけられ用いられているか、およびそうした教育の基盤となる教育費の配分についてお伝えしたいと思います。


(1)現在導入している教育手段&今後導入したい教育手段(自己啓発学習)

 まず、自己啓発学習(組織が用意あるいは支援して、従業員が選択して受講する学習)のために現在導入・支援している教育手段は図1のとおりです(棒グラフの上段)。

図1

 現在最も多く使われているのは、「外部セミナーへの参加」69.5%、僅差で「通信教育」69.1%でした。

 その後に、「組織外の勉強会、研究会への参加」61.0%、「組織内の自主的な勉強会、研究会への参加」51.8%と続きます。これら以外の手段も、いずれも20%以上で導入・支援されており、自己啓発の手段は多岐にわたっていることが示されました。

 一方、今後導入・支援したい手段(棒グラフの下段)として最も回答が多かったのは「通信教育」62.6%、次いで「外部セミナーへの参加」56.4%、「組織外の勉強会、研究会への参加」50.4%でした。いずれも現在導入・支援している手段と同じであり、この3つは自己啓発の手段の“定番”と言えるでしょう。
 そのほか、現在の導入・支援率と比べて今後導入・支援したいとの回答の伸びが顕著だったのが、「eラーニング」40.3%→49.4%(9.1ポイントアップ)と「モバイルラーニング」28.4%→38.7%(10.3ポイントアップ)の2つでした。

(2)現在導入している教育手段&今後導入したい教育手段(必須教育)

 一方、組織が受講を義務づける必須教育では、用いられる教育手段はある程度絞り込まれています。

図2

 現在最も多く導入・支援されている教育手段(棒グラフの上段)は「内部講師による集合研修」77.4%、次いで「外部講師による集合研修」72.3%と、自社・組織内で実施される集合研修が群を抜いて高いという結果でした。続いて「外部セミナーへの参加」38.5%、「eラーニング」37.3%、「組織内の自主的な勉強会、研究会への参加」32.6%、そして「通信教育」27.7%でした。

 このラインアップは、今後導入・支援したい教育手段(棒グラフの下段)においても、おおむね同一です。そうした中で異なるのは2点で、ひとつは「内部講師による集合研修」と「外部講師による集合研修」の順位が入れ替わること(「外部講師による集合研修」が今後導入したい1位になる)、もうひとつは、2種の集合研修を導入したいとの割合が現在の導入状況より少し減少して、代わりに「外部セミナー」「通信教育」「eラーニング」「モバイルラーニング」「組織外の勉強会、研究会への参加」を導入したい割合が高まることです。

(3)教育目的および用いたい教育手段

 ここで、別の設問でたずねた「教育目的と用いたい教育手段」の対応の結果をご紹介します。各手段について、有効回答の3分の1以上が回答した教育目的を表示しています。

通信教育

 通信教育を用いたいとの回答が最も多かった教育目的は、「多くの従業員に、広く学ぶ機会を提供するため」56.5%でした。3番目に回答の多い「自ら学ぶ風土を醸成するため」46.6%を含めて、メンバーの自律的な学びを促進する“学ぶ風土づくり”を目的とする場合は、教育手段として通信教育がより多く想定されるようです。また、「福利厚生の一環として」との回答が多い(47.5%、2番目)ことも通信教育に特徴的です。

 また、「昇進・昇格で進む職位・職能資格に応じた知識・スキルを身につけてもらうため」や「部門や職種等で異なる多様な能力開発ニーズに柔軟に対応するため」など、組織内での成長・育成において重要な“節目での個別ニーズに応じた学び”にも、通信教育は有力な手段と考えられているようです。

eラーニング

 eラーニングを用いたいとの回答が最も多かった教育目的は、「教育対象者を一箇所に集めての研修・教育が難しいことに対応するため」56.1%でした。
 ほか、通信教育と共通の項目が多いのですが、2つの手段の違いとして、通信教育は学ぶ風土を能動的に生み出す、また昇進や昇格、職務につながる学びの手段と捉えられている側面があり、eラーニングは時間や場所、教育予算等の制限の中で必要な教育を実施するための手段と位置づけられている側面があるようです。

集合研修&外部セミナー

 集合研修と外部セミナーも、用いたい教育目的の多くが共通しています。違いは、集合研修では「広く一斉に学ぶ必要のあるテーマを学ぶため」「多くの従業員に、広く学ぶ機会を提供するため」という目的が挙げられていること、外部セミナーでは「部門や職種等で異なる多様な能力開発ニーズに柔軟に対応するため」という目的が挙げられることです。

 教育手段は、それぞれの性質をよく把握した上で使い分けられていることが、教育目的と手段の対応への回答からもうかがえます。

(4)業績と教育費の関係

 ちなみに、こうした教育手段を用いるための“教育費”の状況はどうなっているのでしょうか。

 今回の調査では、過去3年間、上昇傾向なのか、下降傾向なのか、横ばい傾向なのか、一定傾向なしで変動しているのかをたずねました。売上高や経常利益の状況とクロス集計した結果を図でご覧ください。

 教育費の過去3カ年の変動傾向は、売上高別に見た場合も、経常利益別に見た場合も、おおむね同じでした。これらの業績指標が上昇傾向にあるほど、教育費も上昇傾向にあるようです。

 注目したいのは、業績指標が「一定傾向なく変動している」場合、教育費も同様に「一定傾向なく変動している」が多いかと思いきやそうではなく、「上昇傾向」との回答が4割超に上る点、および、業績が「下降傾向」でも教育費は「上昇傾向」との回答も2割ほど見られる点です。

 業績がダイナミックに動く状況にあるからこそ教育に力を入れているのか、教育に力を入れているからこそ業績もダイナミックに上下動しているのかは、残念ながらこのデータからだけでは判断できません。ただ、昔から「業績が悪化すると真っ先に削減されるのが教育費」と言われることについて、すべての企業にあてはまるわけでもないことが分かる結果となりました。

 今回は、現在の通信教育の位置づけをさまざまな角度からご覧いただきました。次回からいよいよ、通信教育の活用実態について解説していきたいと思います。

(学校法人産業能率大学 総合研究所 
普及事業本部 マーケティングセンター 末廣 純子)

各テーマをクリックすると、内容ページへ遷移します。

連載 テーマ 公開日
企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~ 2016年9月27日
第1回 さまざまな人材育成手段の導入状況・導入目的と教育費の配分 2016年9月27日
第2回 企業・団体内教育での通信教育利用状況 2016年10月20日
第3回 「自己啓発受講」のより詳しい活用実態について 2016年11月21日
第4回
(最終回)
自己啓発受講での通信教育の役立ち度調査 2016年12月19日
テーマは若干変更することがあります。予めご了承ください。
著者の所属・肩書きは掲載当時のものです。

ページ先頭へ

  • 導入のご相談、提案のご依頼、各種ご質問はこちらからどうぞ
  • 資料をご希望の方はこちらからどうぞ(無料)
  • デジタルカタログはこちらから
  • 官公庁・自治体職員向け研修案内
  • 総合研究所 経営管理研究所
  • グローバルマネジメント研究所
  • サンノーWebサポート
  • SuperGrace Web成績管理システム
  • マナビバサンノー
  • sannoメール登録