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グローバル人材育成で重要な “相手を動かす”ビジネス英語研修のあり方

欧米中心の国際ビジネスからアジアや新興国を巻き込んだグローバルビジネスへの経営環境の変化が予測される中、日本企業がグローバルに事業を展開・推進し、成果を上げていくためには、グローバル環境で活躍できる人材の育成・活用をいかに進めるかが重要なポイントとなります。

そこで、グローバル人材育成で重要な、“相手を動かす”ビジネス英語研修のあり方について、約30年間に渡りグローバル人材の育成に従事してきた定森幸生氏にお話を伺います。

    グローバル・プラットフォーム 代表 元三井物産 東京本社人事総務部 グローバル人事推進室マネジャー定森 幸生 氏


    本編は2013年7月4日のヒューマンキャピタル EXPO Tokyo 2013でのセミナー(日本英語検定協会、産業能率大学協賛)にてご講演いただいた内容を編集したものです。

    ビジネス英語の目的は理解して話すことではなく相手に自分の望む行動を取ってもらうこと

    はじめにビジネス英語と学校英語の違いについてお話しします。
    学校では常に英語の成績が優秀だったのに社会に出たところ、思うように結果を出せないという事例を私自身、数多く見てきました。その理由はどのようなものでしょうか。

    そもそもビジネス英語の役割とは自分の望む行動を相手に起こしてもらうことです。
    例えば、「モノを売りたい」と思ったら相手に“買う”という行動を起こしてもらう、また、「ジョイント・ベンチャーをやろう」と思ったら、相手に“手を組む”という行動を起こしてもらわなければなりません。
    つまり、相手にこちらが望む行動を取ってもらえて、はじめてビジネス英語は機能したと言えるのです。

    その一方で、学校でこれまで強調されてきたのは「学問としての英語」「芸術としての英語」「義務感としての英語」です。
    「学問としての英語」とは、研究する・分析する・文法的に説明するといった英語です。
    また「芸術としての英語」は、格調高い表現を指します。
    「義務感としての英語」はTOEIC500点、600点、700点を取らなければという考えだけで学ぶということです。
    そうした英語で、ビジネスの相手をその気にさせるのは難しいでしょう。

    繰り返しになりますが、ビジネス英語の基本は相手の心に訴えかけて、相手をモティベートして、相手を動かすこと。そのための技術を学ぶ必要があるのです。

    日本人の特性である“仲間意識”を生かした研修でグローバル人材を育成

    企業の英語学習やグローバル・ビジネス・イングリッシュのお話しをするにあたって、日本人の気質を考え、それを生かしていくことが非常に重要であり、高い戦略的価値を持っています。

    日本人の気質をビジネス英語の観点から見た場合、一部の例外を除き、非常に真面目だと言えるでしょう。
    そして、企業忠誠心を持っています。忠誠心という言葉は“同僚思い”や“仲間意識”と言い換えてもよいでしょう。
    このあたりは、海外から「日本人はすぐ日本人同士で固まる」といった批判につながることもありますが、ビジネス英語の企業研修においては“真面目” “企業忠誠心” “仲間思い”という特性を生かしていくのは有効です。
    「これを覚えるとここまで昇進できる」「給料はこのくらい上がる」といった功利的・実利的な動機づけではなく、「会社のために」「ビジネスを成功に導くために」「後輩の指針となるために」といった、“会社を思う”気持ちを動機づけとして研修の中に盛り込んでいくことが大切です。

    もう一つ、グローバル人材の位置づけについてお話しさせていただきます。私個人の考えですが、グローバル社会というのは、「ともに寄り添い」「ともに助け合い」、そして、「ともに競い合う」ものではないでしょうか。
    困っている人に対して知恵や力を貸してあげようという美しい動機があっても、それに見合う力がなければ助けることはできません。だからこそ、助け合いながら競い合うことが大切になる。つまり、人を助けるために競うという特性こそが、グローバル人材に求められるということです。

    ビジネス英語の研修で陥りやすい3つの誤り

    一般的に行われているビジネス英語の研修の中には、3つの誤りがあると感じています。
    1つめは、子供が自然に言葉を覚えるように、ネイティブ英語のCDを聞き流す訓練を重ねれば、そのうちに話せるようになるというもの。
    2つめは、TOEICのスコアで高得点(850~900)を取ればビジネスにおいて英語で苦労しなくなるというもの。
    そして3つめは、海外ビジネスにおけるコミュニケーションでは、英語力よりも異文化理解のほうが重要であるというものです。

    特に、3つめについては注意が必要で、例えば、ビジネスをグローバルに展開する際に、インドネシアの人に会ったとして、その人は2億人のインドネシア国民を代表する人物ではあり得ません。
    つまり、異文化理解という括りで「平均的なインドネシア人はこうだ」というパターン化は、目の前にいる相手へのバイアスとなってしまうのです。
    「インドネシアは」「中国は」「アメリカは」といったときの相手はいわば三人称。しかし、コミュニケーションを取るべき相手は二人称でなければなりません。

    もう一つ気をつけなければならないのが、「英語を磨くのはいいけれど、異文化を理解しないとビジネスでは通用しないよ。だから異文化のことをもっと勉強しておきましょう」という言葉の罠です。
    「英語のトレーニングはひとまず置いておいて、先に異文化を勉強しよう」と、英語からの逃げ口上に使ってしまうということがあるのです。
    異文化であることに気をまわすのは、相手と二人称の関係が築けた後でも遅くありません。入口から異文化を持ち出して英語の勉強を後回しにして、さらには交渉がうまくいかない口実として異文化を持ち出すのは、ビジネス英語からの逃げと言ってもよいでしょう。

    ビジネス英語研修で陥りやすい3つの誤り

    自社での実務に即した教材を使用することで「相手の心を動かす」英語力を身につける

    では、企業における実用的・実践的な英語研修とはいかなるものなのか。
    ひと言で言えば、ビジネス戦略の塊でなければ意味がないということです。
    用法や文法、慣用句などを詰め込めばTOEICなどの点数は上がるでしょうが、相手の心を動かす力には結び付きません。
    もちろん覚え込むこと自体は無駄ではありませんが、重要なのはそれをどのタイミングで、どんな組み合わせで発信するのかということです。
    相手と自分の距離感、お互いの会社の力関係、さらにはライバル会社の存在など、さまざまな要因を考慮しながら場に合わせた表現を選んでいかなければなりません。
     
    そうした力を養うためには、研修で使う教材の中に自社の業務に関わるシナリオを盛り込むことが効果的です。
    テキストを手にした受講者に「これ、今抱えている仕事と似ている」「自分が欲している英語力や表現力はまさにこれだ」と思ってもらえるようなテキストを使うことで、はじめて自社で英語研修を行う意味が出てくるのではないでしょうか。

    実務に即した教材を作るには、研修を企画する部署の方々が自社の企業活動すべてを把握するのが一番ですが、中規模以上の会社では、それは現実的とは言えません。
    ではどうするか。教材を作る際に現場の協力を求めればいいのです。「うちのメンバーをグローバル人材に育て上げて、海外でバリバリ仕事をしてもらいたい」という要望があれば、その部門のメンバーがおかれる状況、競合相手との力関係、海外市場を拡大するための課題など、現場からの情報をできる限り集めて、それに即したシナリオを教材に盛り込んでいく。

    すべての社員に対応した内容にするのは難しいですが、ぜひ6~7割の社員に自分のこととして受け止めてもらえるような内容をめざしてください。

    ビジネス英語研修に必要な戦略性

    ネイティブにこだわらない柔軟な体制で競争優位性のある英語を学習させる

    相手の心を動かすためには、先に述べた状況や相手に合わせた話術に加え、競争優位性のある英語を話すのが効果的です。
    グローバルビジネスの世界では、よく「競争が大切だ」という言葉を耳にします。それはビジネス英語においても同じというわけです。

    競争優位性のある英語を話すには「よりパワフル」「よりスピーディー」「より簡潔」な発信とともに、「より厳選された英語」を選択するのが有効です。
    研修を行う際は、それら4つに焦点を当てると同時に、なるべく受講者の負担にならないような指導法を取り入れる必要があるでしょう。

    競争優位性のある英語の条件①

    また講師についてはネイティブにこだわる必要はありません。日本には「ネイティブの先生に教えてもらえば安心」という風潮がありますが、実は数年前にアメリカの調査機関が出したデータによると、世界のノンネイティブのビジネス・エグゼクティブの数は約10億人。
    つまりビジネス・エグゼクティブの3人に2人はノンネイティブなのです。

    大切なのは自社のビジネスを熟知した人材を講師やインストラクター、リーダーとして起用することです。
    社内にいらっしゃる自社のビジネスを熟知した中堅社員やシニア社員などが適任かもしれません。
    多少、ジャパニーズなまりであったとしても、製品特性や競争条件を理解し、何をすべきか分かっていることのほうがはるかに重要です。そうした方々に足りない部分をネイティブで補う。そのような姿勢が求められています。

    競争優位性のある英語の条件②

    グローバルビジネスを成功させるビジネス英語の研修を

    英語教育の基本として絶対に忘れてはならないものの一つに契約条文の作成があります。
    なぜならばビジネスとは文書化することで帰結するものだからです。
    商談内容を契約書に落とし込んでいく中で、それまで曖昧のままになっていた部分が浮き彫りになることがよくあります。ビジネスを成功に導くためにも、精度の高い契約条文の作成スキルをしっかりと身につけることが大切です。
    最初は10ページほどのものでもよいので、契約までの経緯を踏まえた正確なものが書けるまで何度でも練り直す。
    出来上がったものは必ず指導者がチェックして、必要があれば修正指示を入れて本人に戻す。そうした一連のライティングメニューをぜひ取り入れてほしいと思います。

    オールラウンドなビジネス・パーソンになるためには、スピーキングはもちろん、リーディングやライティングといった英語に関わるすべての力を駆使できなければなりません。
    その上で現場の状況や相手との距離・力関係を考慮しながらタスクを積み上げていくことで、はじめてビジネスは成立します。

    現場に即したホットなテーマを扱った教材と、自社のビジネスを熟知した指導者やリーダーによるビジネス英語の研修体制、その実現に向けては人材育成担当の方々が常に取り組みの中心的役割を担うことが重要だと考えています。

    ※本コラムに関するご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

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