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【第2回】進化系ビジネスシステム構築に向けたTRIZ・VEの思考法の適用~基本スキーム構築に向けての考察~

2013/06/17

論旨

本論は、TRIZ(Τеория Решения Изобретательских Задач:ロシア語、トゥリーズ【treez】と発音する)の進化トレンドとVE(Value Engineering)の機能的思考法とその表現としての機能系統図(機能モデル)を、「進化系ビジネスシステム」の創出に適用する方法について考察したものである。



著者:学校法人産業能率大学 総合研究所 主幹研究員 吉澤 郁雄(公開当時)

はじめに

技術革新、系列の崩壊と業界の再編、競合間の競争と協調、雇用形態の多様化による労働市場の流動化、規制緩和やグローバリゼーションの進展等、事業を取り 巻く環境は、多くの要因が絡み合って変化し続けている。このことから、イノベーション(革新)という言葉がどの組織にも当てはまる今日である。

このような非連続・不確実性の強まる経営環境下においては、経営者主体の今までの経験や見識では対処が難しく、事業に関わる多くのメンバーの固有の能力や 異質な価値観をうまく引き出し、組織内に分散する意思を結集した独自性のある企業行動の創造が必要とされている。いわば、進化したビジネスシステムやビジ ネスモデル等、筋の良いビジネスのストーリー創出を要求されていると言ってよいのではないだろうか。

そこで、本論においては、TRIZ(発明的問題解決の理論)の方法論や手法を、「進化系ビジネスシステムや進化系ビジネスモデル」の創出に適用できないか を試みたものである。本来、TRIZは、技術システムを対象とした問題発見と問題解決の方法論である。その根底に、技術システムは、市場が受け入れる特有のパターンに従って進化することを見出し、そのパターンを技術システム進化のパターンとして提示していることである。

今回の試みは、技術システム進化のパターンを拠り所にして、VEの機能的思考を駆使し、「進化系ビジネスシステム」の構築に向けたスキーム(枠組み)の創出とビジネスシステムの「機能モデル」による表現について考察することである。スキームの構築にあたり、そのアプローチ方法として、「機能重視型アプロー チ」と「意味変革型アプローチ」を設定する。

本論においては、「機能重視型アプローチ」に主眼を置くこととする。進化系ビジネスシステム構築の試行対象として取り上げる技術進化のパターンは、Darrel Mann氏のTRIZのビジネス・マネジメントへの適用として提示している32の進化トレンドとした。

キーワード

【ビジネス(事業)】
ある一定の目的の達成のために行う協働活動(新版 ビジネス・経営学辞典 中央経済社)

【ビジネスシステム】
企業(または事業)において、顧客に価値を届けるために行われる諸活動を組織化し、それを制御するシステムをビジネスシステムまたは事業システムと呼ぶ(経営学大辞典2版 中央経済社)

【事業構造】
特定事業での資源獲得・蓄積と資源配分・運用の仕方や組織構造(管理階層、権限関係、手続きやコミュニケーションシステム等)

【TRIZ(Τеория Решения Изобретательских Задач)】
発明的問題解決の理論

【システム進化のトレンド(進化トレンド)】
TRIZの主要な要素で、システムの進化を予測する戦略的なツール、問題解決を助けるツール

【VE(Value Engineering)】
価値工学

【SSM(Soft Systems Methodology)】
意味のモデル化の方法論