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【第1回】サービスイノベーション~製造業復活の新たな視点~

2013/06/03

論旨

大手電機メーカーの巨額赤字決算が話題になるなど、わが国製造業の先行きの不透明感が増しつつある一方で、サービス産業の伸長は著しく、GDPに占める第3次産業の比率は7割を超える。

ハードからソフト、モノからコトへといったキーワードも言われて久しいが、改めて現代の製造業を概観するとサービス化への適応が明暗を分けていることに気づく。

そこで本稿では“製造業のサービス化”をひとつのゴールとして見据え、サービスとは何なのか、その本質を解き明かすことを目的としている。


著者:産業能率大学学長 原田 雅顕(公開当時)

はじめに

わが国のGDPの伸び率に比べて、サービス産業の伸び率は著しく高い。GDPに占める第3次産業の比率は、1999年に69.6%であったものが、2009年には74.9%と10年間に5.3%も増加した(国民経済計算)。

経済が成熟化したわが国では、生活者としての幸せや喜びの源泉が、「モノ」の所有からサービスを通じて得る経験や体験の豊かさへと比重を移してきたのである。サービス産業は成長産業である。

しかし、日本のサービス産業の生産性(従業者1人当たり付加価値)の伸び率は製造業と比べて低く、欧米と比べても劣位にある。すわなち、日本のサービス業の成長性は高いが、生産性は低いということである。

日本経済全体を再び成長軌道に乗せるには、GDPの7割以上を占めるサービス産業の生産性(従業者1人当たり付加価値)を飛躍的に高めることが不可欠である。
ただし、サービス業の生産性を上げる手立ては人減らしではない。新たなサービス価値創造である。