通信研修総合ガイド2018
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小野 善生 氏今までの日本企業と言えば、新卒一括採用で年功序列、終身雇用、企業内組合。アメリカの経営学者アベグレンの言った「三種の神器」があって、それを前提に組織モデルができていました。しかし今では終身雇用制は維持できず、年功序列もダイバーシティ化する職場で機能しません。四の五の言わずにやれと若手に指導したり、分からないことがあったら聞きに来いというスタイルは、今がんばって働くと将来報われるという前提があったから通用した指導法です。今の若者は生まれてこのかた、ずっと右肩下がりのデフレを生きてきているわけですから、今厳しいということは来年はもっとひどくなると思っています。つまり、少々しんどくても今は我慢してと言っても、その先の未来は明るくならないと思っています。会社の人材育成や組織モデルが変わっているということも考えて、マネジャーたちは人材教育や指導の方法を変えていかなければなりません。若者は先ほども言われたように大事に育てられストレス耐性が弱い、あるいは安心・安定を求めるようになってきています。一方で、企業社会も変わってきて、組織と人との間に大きな日本型組織モデルが維持できない現状では、人材育成のあり方も変わらなくてはならないそうですね。リーダーシップという概念で言えば、今こそ、より求められてきていると思います。特に、新入社員から若手社員のタイミングで求められるようになってきています。正社員ということを前提とすると、入社するといきなりイノベーティブで、かつクリエイティブなことを多少なりとも要求されるようになってきている状況です。それに応えようとすれば、自分で考え、自分で課題を見つけ、自分で工夫していかなくてはなりません。自律型人材と言われるように、自分なりに、自分自身をもリードしていくことが必要ですし、「これが課題だと思います」「この仕事をやってみたいです」ということを先輩や上司に提案するタイミングがとても早いフェーズでやってきており、今まで以上にリーダーシップが求められています。時代とともにリーダーシップ自体も定義や考え方が変遷しています。リーダーシップは20世紀初頭くらいから研究がスタートして、1950年代以降は、決められた課題をいかに前に進めるかというところに関心がありました。何がモチベーションになるかと言えば、経済的報酬なのです。これだけの報酬が得られるから前へ進めという考えです。それが1960年代になると、自己実現欲求やクリス・アージリスの「成熟した個人」であるとか、その人間の主体性を重視しようという議論が出てきます。さらにその後アメリカの景気が落ちてくると、その中で企業再建を成し遂げるケースが出てきて、今度はカリスマや変革型のリーダーシップになりました。早い段階でのリーダーシップが必要な時代、リーダーシップのあり方も大きく変貌した前川小野前川--コミュニケーションや世代間ギャップの中でもがいているからこそ、若手社員にもリーダーシップが必要とも言えますね。--組織というのはやはり成果を求めます。グローバル化する厳しいビジネス環境の中で、若手社員に求められることも変化してきていますが、その辺はどのように見ていらっしゃいますか。すが、学生の傾向は変わりませんでした。こうした学生たちにどう向き合っていくかは、教える側としては課題です。乖離があります。この若者たちと組織の関係をどう紡いでいくか、ということが非常に重要になってきていると思います。 また、コミュニケーションのあり方も変化してきています。以前は職場にも少し余裕があり、夜まで残業したら、まぁ一杯飲みにいくかという部分もあったわけですが、今では働き方改革の一環として残業が否定され、時間を切り詰めて働いているので雑談するなどといった余裕がありません。ダイバーシティで年齢や世代がバラバラの職場環境の中で効率だけが求められ、かつコミュニケーションが乏しいため、すごく殺伐とした状況の職場が増えているのではないでしょうか。ビジネス環境の変化に即応する若手リーダーシップのあり方を探る。対談対談新コース・リニューアルコースのご紹介特集「働き方」「学び方」の温故知新学びの提案19

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