【第1回】ATDの概要
はじめに
2019年5月19日(日)~22日(水)、アメリカのワシントンD.C.にて開催されたATD2019に参加してきました。
1回目となる今回は、ATDの概要について紹介します。
1.そもそもATDとは
ATDは1943年に設立された非営利団体で、世界中の企業や政府等の組織における職場学習と、従業員と経営者の機能性の向上を支援することをミッションとした会員制組織です。
2014年までASTD(American Society for Training & Development)の名称で親しまれてきましたが、現在はATD-ICE(Association for Talent Development – International Conference &EXPO)に改称されています。
全世界で41,000人余りの会員(100カ国以上、20,000を越える企業や組織の代表が含まれる)をもつ、訓練・開発・パフォーマンスに関する世界最大規模の組織です。
2.ATD2019のプログラム構成
基調講演(General Session)
カンファレンス2日目から最終日までに3つの基調講演があり、様々な領域の著名人が登壇します(昨年はアメリカ前大統領のバラク・オバマ氏が登壇しました)。
講演者の言葉に耳を傾けていくと、ATDが今発信したいメッセージが浮かび上がってくるとも言われています。
今年はオプラ・ウィンフリー、セス・ゴーディン、エリック・ウィテカーの3名が登壇しました。
同時セッション(Concurrent Session)
12のコンテンツトラックと3つの産業トラックから構成され、全部で300以上のセッションが開催されます。
講演会形式やワークショップ形式など、さまざまなタイプのセッションがあり、人材開発や組織開発、リーダーシップなどのトレンドを把握することができます。
エキスポ(EXPO)
スポンサー企業などから例年、400を超える出展があります。
トレーニングコンテンツや評価ツールなど、学習とパフォーマンス向上をサポートするさまざまな商品・サービスが紹介されています。
3.コンカレントセッションの主要テーマ
Content Tracks(12)
- Career Development(キャリア開発)
- Global Perspectives(グローバル視点)
- Instructional Design(インストラクショナルデザイン)
- Leadership Development(リーダーシップ開発)
- Learning Measurement & Analytics(学習の測定と分析)
- Learning Technologies(学習テクノロジー)
- Management(マネジメント)
- Managing the Learning Function(学習機能のマネジメント)
- Sales Enablement(売上達成)
- Science of Learning(学習の科学)
- Talent Management(タレントマネジメント)
- Training Delivery(トレーニングデリバリー)
Industrial Tracks(3)
- Government(政府)
- Healthcare(ヘルスケア)
- Higher education(高等教育)
今年は2つのトラック(Global Perspectives/Managing the Learning Function)が新設されていました。
4.ATD2019の参加者・参加国
※カッコ内は2018年の人数
参加者総数:13,500名(13,000名) | |||
● | アメリカ以外からの参加 2,300名(2,450名) | ||
● | 参加国数:88カ国(93カ国) | ||
● | 国別の参加者数 ※アメリカを除く | ||
韓国 | 369名(298名) | ||
カナダ | 337名(349名) | ||
日本 | 227名(269名) | ||
中国 | 163名(180名) | ||
ブラジル | 118名(123名) |
カンファレンスには、前回を上回る13,500名が参加していました。
日本からの参加者は前回よりも40名ほど少なくなりましたが、アメリカを除く国別の参加者数では3番目に多い人数でした。
また韓国からは、韓国企業の事例紹介セッションがあった影響もあるのでしょうか、昨年よりも70名ほど多い人数が参加していました。
ここまで、ATD2019の概要についてご紹介してきました。
次回は、カンファレンスに参加して見えてきた、人材開発の潮流についてご紹介したいと思います。