【インタビュー】2回目:知らなかったではすまされない!SNSの利⽤の注意点

SNSの種類と特徴

コミュニケーションツールとしてSNSはすっかりあたりまえのものになりました。その便利さから数多くのSNSが⽣まれていますが、その特徴をよく知らずに使うと、後々⼤変なトラブルを引き起こす原因にもつながります。そこで、まずSNSの種類とそれぞれの特徴を確認することから始めましょう。
いま4⼤SNSと⾔われているのが「Facebook」、「Twitter」、「LINE」、「Instagram」です。「Facebook」と「Twitter」は主に画像/動画+テキストで情報が投稿され、企業アカウントも多く様々な情報のやりとりがされています。「Instagram」は写真や動画を投稿し、友達のみで情報の共有ができるSNSです。「LINE」はチャットがメインで、⽂字やスタンプでスピーディーに2⼈から数⼈のグループトークができるのが特徴です。

SNSではありませんが、最近はインターネット動画共有サービス「YouTube」に動画を投稿し、情報を共有する⼈も増えています。「Youtuberになりたい」という子どもがいるほど若い世代には身近なサービスです。
ほかにも「mixi」や「アメーバピグ」、「GREE」など古くからありゲームも楽しめるSNSもあります。どのSNSもパソコンでもスマホでもつながることができるので、⾃分が今していることや、どこにいるか、感じてることなど、さまざまな情報提供や情報収集ができます。写真や動画、そういうものも受け渡しが可能なので、そうしたメリットを誰もが気軽に享受できるのが魅⼒でもあります。
反対にデメリットは、⼀度投稿すればほとんどのSNSが無制限に多くの⼈に情報が伝わってしまうということです。拡散性や速報性が非常に⾼く、⼀度流出した情報は削除することがほぼ不可能です。⾃分では何気ないつもりで投稿した情報によって、会社も個⼈も思わぬ被害にあう可能性をはらんでいることを忘れてはいけません。

SNSで問題になった事例

問題となった事例は数多く、いずれも刑事罰や⺠事訴訟の対象になるなど重⼤な結果を引きおこしています。目⽴つ事例としては、組織の内部情報や機密情報を投稿してしまったというもの。会社訪問や説明会、打ち合わせに⾏ったときも含めて全てが会社の内部情報の対象になります。

「●●研修を受けました」、「△△の打ち合わせがありました」「今⽉は新商品の企画開発で毎⽇徹夜が続いている」
こういった⾃分の私⽣活とからめたことを投稿する⼈も多いのですが、書くだけで企業情報漏洩とみなされる場合があります。

「今、有名⼈の●●が来ている︕」「今、芸能⼈の△△と××がチェックインした」「○○は次にX日に予約したよ」
次に多い事例は、社員や職員が顧客の個⼈情報を書き込むことです。銀⾏やホテル、レストラン、ショップなど接客業に従事する⼈が、著名⼈をはじめとするお客様の個⼈情報を得意げに投稿してしまい、騒ぎになった事例が数多くあります。

「○○商事の△△部⻑様、昨⽇はお忙しい中、⻑時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました」
個⼈的なメッセージのやりとりでなく、不特定多数の目に触れる場所に取引先の情報を投稿するケースも多く⾒られます。悪意はなくとも、社名や名前を出された取引先にとっては⼤変な被害を被る場合があります。

「うちの会社の上司はパワハラでむかつく」「あの客はクレーマーで、うちの会社のブラックリストに⼊っている」
上司や顧客、同僚などに対する誹謗中傷もよくあるケースです。これらの投稿や発⾔は、企業の信⽤を失墜させたり、場合によっては倒産を引きおこす重⼤な事件につながっていることを忘れてはなりません。

「採⽤⾯接で試験官にこんなことを聞かれた」「こういう会社だった。楽勝︕」
就職活動中の学⽣も他⼈事ではありません。よくやってしまいがちなのは友⼈向けに気軽に訪問先の企業情報を投稿すること。⾃分の投稿が友⼈以外にも共有され、知らないうちに企業の担当者が目にすることも⼗分あり得るということをしっかり認識しないと、後々とんでもない結果を引きおこしてしまいます。ついうっかりでは済まされないということを肝に銘じておきましょう。

SNSを利⽤する⼼構え

⼼構えとして⼤事なのは、1点目はまず著作権の侵害をしてはならないということ。違法アップロード・違法ダウンロードは絶対にやってはいけないことです。テレビ番組や映画をアップロードする、著名⼈の公式サイトから写真をダウンロードやスキャンして別サイトに載せる、こうした⾏為はすべてNGです。この程度なら⼤丈夫などと絶対に思わないこと。常に不特定多数の⼈が⾒ているということを忘れてはいけません。

2点目は、秘密事項の厳守です。仕事をしているとさまざまな個⼈名、会社名、さらに契約内容や新しい企画案、クレームの内容など秘密事項に触れることが多くあります。こうした情報をSNSに投稿する⾏為は絶対にやめましょう。保険会社や銀⾏といった⾦融系などでは、SNSを全⾯的に禁⽌している企業もあるほどです。

3点目は、プライバシー情報の投稿には注意するということです。⾃分たちの仲間うちで公開しているつもりでも、それが閉じたグループ内だけでなく外に漏れてしまうことが非常に多くあります。
「Twitter」はリツイートされれば⾃分の知らない⼈々にまで届いてしまいますし、「Facebook」なら⾃分は友達限定で公開範囲を設定しても、写真は⾃由にコピーすることができます。その写真を他のところで使われてしまったら、もう拡散を⽌める⼿⽴てはありません。特に問題がないと思った写真をアップする場合でも⼀緒に写っている⼈に必ず許可を得ましょう。また写真の位置情報などにも注意が必要です。
最後は、誹謗中傷などの投稿は決してしないということです。企業や商品などのイメージを損ねるような批判や、攻撃的な内容を書かないこと。激⾼して感情的なことを書いたりすると、内容によっては賠償責任を問われることにもなりかねません。⾃分の投稿で、周囲にいる⼈や勤め先、相⼿先企業に迷惑がかかるのではないか、本当に投稿して⼤丈夫かという意識を常に持っていることが⼤切です。公開範囲を限定したから安⼼とは決して思わずに、誰が⾒ても適切な投稿かどうかを必ず⼀度確認しましょう。重⼤な結果を引きおこすかもしれないということに常に留意して使⽤することがとにかく⼤切です。

外国⼈との連絡⼿段としてのSNS

時差や地域差を超えてコミュニケーションできるのはSNSの⼤きなメリットですが、海外の⼈とやりとりをするときは時間や相⼿をよく考えて連絡をとる必要があります。⽇本国内の感覚でコミュニケーションをとると、思わぬ時間帯に連絡をすることになってしまったり、宗教など相⼿の外国⼈のタブーに触れてしまうようなことがある可能性があります。ビジネスでコミュニケーションをとるような場合は、必ず相⼿の⽂化的・宗教的背景をよく調べ、理解したうえで連絡するようにしましょう。例えばイスラム圏との連絡においては、重要な宗教イベントであるラマダンの時期は避けるといった配慮が必要です。
SNSは基本的に⾔葉でコミュニケーションをとりますが、⽇本語であっても⾔葉のちょっとした⾏き違いやニュアンスの受け⽌め⽅でトラブルになったりするものです。まして外国語を使ったり、⽇本とは異なる⽂化的背景を持つ外国⼈とのコミュニケーションには、⼗分な注意をもって臨むべきであるということを忘れてはなりません。