【事例紹介】三菱UFJリース株式会社 全ての⼈が持てる⼒を存分に発揮して、組織に貢献できる環境をつくる取り組み

はじめに

潜在する価値を未来の価値へ⾼め、お客様の企業価値向上をサポートしたいという想いをコーポレートメッセージ“Value Integrator(R)”に込め、リース&ファイナンスという⼿法で事業を展開する三菱UFJリース株式会社。有形・無形資産だけでなく、⾃社の⼈材に関しても、その可能性を拡げるべくさまざまに取り組みをなされている⼈事部ダイバーシティ推進室の⾕⼝室⻑と⾏⽅⽒に公開セミナーの活⽤法についてお話を伺いました。

(左)三菱UFJリース株式会社 ⼈事部 ダイバーシティ推進室 ⾏⽅幸⾹さん
(右)同 ⼈事部 ダイバーシティ推進室⻑ ⾕⼝⿇⾐⼦さん

Q いち早くダイバーシティ推進への取り組みを始められましたが、その意図について教えていただけますか。

当社では2011年にダイバーシティ推進室を⽴ち上げ、性別、年齢、国籍、障がいや価値観、ライフスタイルなど、多様性をお互いに認めながらも、全ての⼈が「持てる⼒を存分に発揮して、組織に貢献できる環境をつくること」を目指し、⽇々活動しています。その中でも、⼥性の活躍推進というテーマは、社員の3割超を⼥性が占める当社にとって非常に重要なものです。
当社には、主にフロント業務を担当する全国型の総合職および勤務エリアを限定した準総合職とミドル・バック業務を担当する⼀般職の3つの職種があり、中でも⼀般職は⼥性が⼤半を占めています。⼥性活躍推進というテーマでの目標は、⼥性の管理職を増やすこと、そして、もうひとつは⼥性社員全体、中でも、⼥性が⾼い割合を占める⼀般職全体のさらなるレベルアップを図っていくことです。
かつては、⽇本社会の傾向と同様に、結婚や出産といったライフイベントを迎えると退職してしまうこともありましたが、育児両⽴⽀援制度の整備や制度を利⽤しやすい職場環境づくりを推進してきた結果、⼥性社員が⻑期にわたり活躍できる環境が整ってきました。制度の定着が進んだ現在は、次なるステップとして、中⻑期に渡り活躍できるフィールドの拡⼤、さらなる活躍推進に重きを置く段階と考え、⼀般職全体のボトムアップ、レベルアップを図るべく、スキル研修を導⼊しました。

Q 実際どのようなビジネススキルの向上を狙い、どのような仕組みで受講してもらっているのでしょうか。

グローバル化が進み、事業領域も拡がり、リースや割賦だけを⾏っていればよいという時代ではなくなってきている中で、多様な業務の事務⼿続きを⾏う⼀般職の能⼒をいかに⾼めて拡げていくかが課題になってきていると思います。
当社の⼀般職の業務は、簿記三級を必須資格とした上で、たとえば営業アシスタントであれば、お客様からいただいた決算書の転記、契約書や請求書の作成、法令対応、取引先との交渉、書類管理など、広範囲に及びます。それらの仕事を⾏う際、基礎知識を理解した上で業務を⾏うのと、知らずに単に作業として⾏うのとではアウトプットの質が全く異なります。
そのため、担当業務の遂⾏に役⽴つ「財務・計数」「法務」「ライティング⼒」「業務効率化」などのビジネススキルを強化する公開セミナーを受講してもらいたいと考えました。そのひとつが「カフェテリア研修」という公募型の公開セミナーです。⼀般職向けに16の公開セミナーを⽤意し、⾃主的に参加をエントリーする公募型の形態となっています。
この研修への参加は、⼀般職の社員が現状に満⾜することなく、⾃⼰研鑽を図り、いっそうのレベルアップを目指せるよう、また受け⾝でなく主体的な取り組みを推奨するため、指名制ではなく公募型にしています。
また、応募する際は「過去に実施した⾃⼰啓発」や「⾝に付けたいスキル」「取得したスキルをどのように業務に活かしたいか」などを記⼊するレポートの提出を求めています。何が⾃分に不⾜し、新たに得た知識・スキルを業務⾯でどのように活かせるかを考え、整理して⽂書にまとめることで、受講の目的や意識の明確化を図ることを狙いとしています。

Q 社員の⽅を外部のセミナーに派遣し受講させる際、重要と考えるポイントを教えていただけますか。

勤務時間内に参加してもらうため、できれば通学が1⽇程度のセミナーであることが望ましいですね。また、全国で事業カンパニーを展開していますので、東京・名古屋・⼤阪など複数の地域で開催しているかどうかもポイントです。また、以前に⽐べて事業領域も拡がっているため、社員はこれまで以上に分野ごとに⾃分で考え、⾏動することが求められています。そのためにも講座数が豊富で充実していること、内容に信頼がおけることが重要です。さらにビジネススキルだけでなくマインド系のセミナーも開催していることなどですね。そういった点から産能⼤を選定し、現在、産能⼤のセミナーを15コース採⽤しています。

Q どのくらいの⼀般職の⽅が参加され、実際に受講された感想がどうだったのかお聞かせいただけますか。

公募の定員枠を100名で募集したところ、実際には定員を超える106名の申し込みがありましたが、目指す⾃⼰啓発のきっかけになるよう全員受け付けて研修に参加してもらっています。
また部署によっては、上司が積極的に目標に設定するなど、部署単位で意識が⾼まっているところもあるようです。そういった部署では、公募を開始してからの申込みがとても早く⼿応えを感じています。
さらに受講した後にも、「研修で学んだ内容」や「学んだ内容をどのように業務に活かすか」などをまとめた「研修修了レポート」の提出を求めています。受講者のリアルな声としては「社外の⼈と交流して刺激を受けた」「次はこんなことを学びたい」といったステップアップを望む声が多く、おおむね好評です。
⼈事部としても「会社は意欲ある⼈を⽀援する」というメッセージを社員に⽰していきたいと思っていますので、その点は良かったのではないかと評価しています。今後は、現在のラインアップ以外の具体的な公開セミナーに関する要望をたくさん受けていますので、⾃⼰成⻑に向けた社員の要望に応えられるよう、さらにステップアップしたセミナーも検討していきたいと考えています。