⾃ら育つ若⼿社員をどのようにして育成するか 〜若⼿・中堅社員教育 B社 流通業の事例

やがて企業の中核となる若⼿社員をいかに育成するか。
それは経営・⼈事管理層にとって企業の成⻑⼒にかかわる重要な問題。
ここでは豊富な実績とソリューションの中から、ニーズに応えて問題解決に⾄った事例をご紹介します。

「指⽰待ちで、主体性がない若⼿社員が増えてきた。現⾏の教育の有り⽅を⾒直したい」
きっかけは、B社⼈事部⻑からのこのような相談だった。
主体性という⾔葉は曖昧であるため、具体的に「主体性がない」という状態を確認。若⼿層は、⾔われたことは、それなりにしっかりこなすのだが、⾃ら何か業務に関連して提案することもなく、仕事のやり⽅にも⼯夫が⾒られないことが分かった。また、率先してリーダーシップを発揮する姿もあまり⾒られず、採⽤担当者も「ここ数年、新⼊社員のリテラシーが低下している」という感覚を持っていることも分かった。

さらに現在実施されている教育の内容を確認すると、次のような状況が明らかになってきた

【1】新⼈〜中堅にかけて、最低限の業務に関する知識教育等は⾏われているものの、共通的なスキル教育は、⼊社時の「新⼈社員研修」(2⽇間)と、半年経過時の「フォローアップ研修」(1⽇)を実施するだけになっている。マネジャーに昇格した者には、新任管理職研修を受講する機会はあるが、それ以外の者には、ほぼ教育機会はない

【2】職場における育成は、仕事が忙しく、職場にゆとりがない状況。⼈間関係などの雰囲気は悪いわけではないが、成果プレッシャーもあり、コミュニケーションはあまり活発ではない。そもそもコミュニケーションが不得⼿な若⼿も多い。

【3】マネジャーも、プレイヤーである者が多く、育成の⼤切さは理解しているものの、メンバー1⼈ひとりへの指導が⼗分⾏き届いていない。

⾃ら育つ社員に仕⽴てていくことを⽬的に、新⼈〜若⼿〜中堅社員を段階的に育成する体系を設計する。また、上司の関わりを持たせる⽅針を打ち出した。まず、各階層(新⼈、若⼿、中堅)で求められる⼈材像を設定し、育成のゴールを明確にすると共に、各階層で学習しなければならないテーマを決定した。その結果、これまで実施していた「新⼊社員研修」および「新⼊社員フォロー研修」については、内容を⾒直した。

新たにチェックリストを作成し、成⻑度合いを⾒えるようにし、現場での指導ポイントを明確にした。⾃分⾃⾝の成⻑を、⾃分⾃⾝でマネジメント(キャリア⾃律)させる意識を醸成することを念頭に、キャリアデザイン研修を新たに導⼊した。マネジャーが、現場でメンバーの指導やキャリア⾃律⽀援を実施できるよう、サポートガイドを作成し、活⽤してもらうようにした。