~厳しい市場環境を⾔い訳にしない~ミドルマネジャーを育成する本質的アプローチ

はじめに

企業・組織を取り巻く環境が⽇々激しく変化する中、組織の要となるミドルマネジャーが果たすべき役割は、さらに複雑化・⾼度化してきています。今⽇のミドルマネジャーには、「チームの目標達成・成果の向上」はもちろん、「部下の育成・マネジメント」「組織の活性化・モチベーションの維持向上」「経営戦略・ビジョンの具現化」など、実に様々な役割が期待されています(注1)。

しかしその⼀⽅で、厳しい競争環境に晒され、組織が期待するような役割をなかなか果たすことができないでいるミドルマネジャーも、少なくないのではないでしょうか。『これだけシビアな市況の中では、成果が上がらないのもやむを得ない』『だいたい、本部が全うな戦略や⽅針を打ち出さないから、厳しい業績に陥るのだ』といった評論家や責任転嫁の思考回路に陥ってしまう(または「思考停⽌状態となる」)、結果として、そうした事象に対して具体的な⼿が打てないでいる、といったケースが少なくないようです。

それでは、どのようにすれば、こうした状況を打開することができるのでしょうか?

注1 『⽇本の⼈事部「⼈事⽩書2015」』
※ 著者の所属・肩書きは掲載当時のものです。

ポイントは、ミドルマネジャーが、⾃⾝の「認識の枠組み」に気づくこと

私たちは、⽇頃無意識のうちに、それぞれの「認識の枠組み」を通してものごとをとらえ、解釈しています。たとえ同じ状況に直⾯したとしても、⼈により解釈が異なるため、その結果として取る⾏動や成果に差が⽣じてきます。
例えば、部下育成のためのコーチングスキルを学んだという同じ状況にあっても、それをすぐに実務で活かす⼈がいる⼀⽅で、“仕事というのは教わるものではなく、⾒て盗むものだ”と強く考えている⼈にとっては役に⽴たないスキルとなり、具体的な⾏動には結びつきにくいでしょう。
つまり、いくらマネジメント知識やリーダーシップスキルを学んだとしても、それらを使いこなせない(または実践に移せない)のは、目前に広がる事象に対する認識が、実⾏動に結びつきにくいものとなっていることが要因のひとつと考えられます。

そこで本学では、ミドルマネジャー⾃⾝が持つその「認識の枠組み」に着目し、⾃分は果たしてどのような思考回路に陥っているのかを明らかにしていきます。まずもって、⾃分⾃⾝がとらわれていた認識の枠組みに気づくことが、変⾰への第⼀歩となるからです。
これまでとらわれていた⾃⾝の「認識の枠組み」に気づき、真に取り組むべき課題を形成していく、これが『認識成⻑のマネジメント研修』です。

<研修プログラム例>

1日目 ■オリエンテーション
■ミドルマネジャーの⽴場と独⾃の機能
■課題形成⼒を⾼める
・斬新で建設的なマネジメント課題の形成のために
・事例研究によるイメージ化(演習)
■課題共有⼒を⾼める
・コンセンサスの形成に必要な対⼈能⼒
・⾃他のパーソナリティの違いを乗り越える
・事例研究によるイメージ化(ロールプレイング演 習)
2日目 ■1⽇目の復習
■課題解決⼒を⾼める
■総合演習
・⾃職場のマネジメント課題に取り組 む
・相互発表と相互アドバイス
■まとめ
研修では、ミドルマネジャーが、⾃⾝の固定観念に気づくための「受講者同⼠の対話の場づくり」を、何よりも⼤切にしています。
⾃分の考え⽅に真摯に向き合い、また他者と「本⾳」で対話することを通じて、新たな「認識の枠組み」を獲得し、業務や職場を変えていくための実践的な課題づくりに取り組んでいきます。

おわりに

研修を受講された⽅からは、『⾃分がどのような認識に陥っているのか、これまでは無⾃覚であったが、演習を通じて真正⾯から向き合うことで新たな認識の枠組みを⼿にすることができた』『主体的な認識によってはじめて、現場をよくしていく有効な課題が形成できることを体験できた』『管理者こそ、スキル習得ではなく、ものごとのとらえ⽅を望ましいものに変⾰していくことが何よりも重要だと再認識した』といった声を多く頂戴しています。
ぜひこの機会に、皆さまの企業・組織でも本研修をお役⽴ていただければ幸いです。

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