機能するKPIマネジメントサイクルによって"グリーン企業"を目指そう~トップダウンとボトムアップの2つのアプローチ~

著 者

学校法⼈産業能率⼤学
経営管理研究所
主幹研究員 総合研究所准教授

本村 秀樹 ⽒

この連載について

グローバル化がますます進み、将来が⾒えにくい昨今、これまでの取り組みを継続していても、簡単に成⻑できる経営環境でなくなっていることは明らかです。今後の戦略と業績目標を中期経営計画として新たな⽅向性を明確化する傾向が強くなっています。⽇頃の研修を通じて、この中期経営計画⾃体は明確なフレームを使って良く練られているものが多いと感じます。しかし、いざ実践となるとKKD(経験・勘・度胸)をベースにとにかくがんばるという印象で、計画と実践の乖離を感じざるを得ません。

業績達成に向けてがんばっても、管理者もプレイングマネジャー化して目先の業務に忙殺される傾向が強く、そこには組織(マネジャーとメンバー)のハピネスが⾒えません。業績目標の達成は、企業にとって永遠のテーマです。目標達成のためには、業績に貢献する⾏動を導くマネジメントである業績管理が必要なことに異論はないでしょう。

働く⼈が目標達成を目指しながらハピネスを感じる状況を作れないか、という問題意識から今回のテーマを取り上げました。働き⼿が負荷で苦しんでいている姿と対⽐して、「グリーン企業」と表現したいと思います。この連載では、グリーン企業を目指すための、業績管理のアプローチを3回に渡ってご紹介します。
第1回目では、マネジメントコントロールのフレームをベースとした業績管理の考え⽅を紹介し、第2回目では機能するKPI(Key Performance Indicator)にするためのアプローチを取り上げ、第3回目ではKPIによるマネジメント実現⽅法(PDCAサイクル)について、ご説明したいと思います。