日本の知財立国とは~音楽で外貨を稼いでこられるか~(2)

日本の知財立国とは~音楽で外貨を稼いでこられるか~(2)

前回、ピコ太郎の『PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)』の話を書きました。日本にいると(そして多分世界中のほとんどの地域で)全世界を席巻するようなヒットソングは英語でうたわなきゃならない、と信じ込まれているようです。実際に世界中で日々ヒットしている曲は、その国の言語で歌われる曲と、海外から入ってくる英語で歌われている曲(日本でいう『洋楽』というヤツですね)に限られているように思えます。
しかし、歴史を振り返ってみると、たまに非英語圏で生まれた英語以外の言語で歌われたヒット曲があります。少し前になりますが、2012年に韓国人アーティストPSYが歌う『カンナムスタイル』という曲が世界中で大ヒットとなりました。2004年にはモルドバ共和国の男性3人O-ZONEの歌った『恋のマイアヒ』が、1996年にはスペインのおじさんデュオ、ロス・デル・リオの歌った『恋のマカレナ』が、そして1988年にはフランスのワールドミュージック系グループ、カオマによる『ランバダ』が、日本を含む世界中で大ヒットとなりました。
面白いもので、このヒットの系譜をみると8年ごとに非英語圏からの世界ヒットが現れていることに気づく方も多いと思います。偶然、、、ですよね。しかし万が一この8年周期が意味あるものだとすると、次は2020年、東京オリンピックの年です。ぜひ日本発で世界を席巻するような大ヒット曲を生み出したいものです。

また、この8年周期に絡めて『PPAP』のヒットを考えると、これも面白いことに気づきました。1984年にドイツのバンドNENAの歌う『ロックバルーンは99』が世界的にヒットしたのに続き、1992年にはスウェーデン出身ロクセットの『愛のぬくもり』、2008年にはバルバドス出身のリアーナによる『テイク・ア・バウ』が、そして2016年のピコ太郎『PPAP』と、これも8年周期で、しかも上述の非英語ヒット曲の間を縫うように非英語圏出身者による英語歌唱の世界ヒット曲が続いています。(残念ながら2000年のヒット曲が見つけられませんでした!どなたかご存知の方ご一報いただければ幸いです。)

さて、次回からは当初のトピックに戻り、日本の音楽が世界進出して外貨を稼いでくる可能性と、それにチャレンジしてきた過去の振り返りについてお伝えしようと思います。