【事例紹介】株式会社JR東⽇本パーソネルサービス "異業種交流"で⾃⼰の⽴ち位置を再認識することも⼤切

企業事例インタビュー

(2010/01/06現在)

3つのミッション およびシェアード・サービスとしての機能

弊社は、JR東⽇本の⼦会社として2002(平成14)年10⽉1⽇に設⽴されました。

JR東⽇本からは3つのミッションとして、

1. グループ内の⼈材育成への貢献
2. 業務品質の向上
3. グループ内の⼈事セクションへのサポート

を果たす役割を求められております。
主な業務としましては、JR東⽇本グループ内はもとより他企業様に対する『⼈材サービス(⼈材派遣など)』『教育・研修サービス』『⼈事・厚⽣ソリューションサービス』を⾏っております。
株式会社JR東⽇本パーソネルサービ ス HRD事業本部副本部⻑ オフィ スサポート事業部⻑ ⾦杉 利昭 様

その中の⼀つ『教育・研修サービス』は、グループ各社の「社員研修の企画・運営受託」「能⼒開発・職場活性化のためのコンサルティング」「その他各種セミ ナー・研究会の企画およびコーディネート」を⾏っている部署でして、簡単に申しますと、グループ各社への『教育⽀援』を⾏っている、いわゆる、シェアー ド・サービスという機能を司っています。

『教育⽀援』の概要は、以下の図をご参照下さい。

グループ各社から相談を受け、当社にて業種・業務形態・社内環境などの細部に渡りリサーチ、分析を⾏った上で各社に応じた教育プログラムをご提供するというのが我々の任務であり、業務です。状況によっては、各教育機関様にも協⼒を求め、それぞれの得意分野(教育⼿段)をご提供いただいたりもしています。
(例:通信研修、公開セミナー、講師の派遣 など)

我々が『教育⽀援』を⾏っていくに当たり特に重視している点としましては、

Ⅰ 教育・研修目的の明確化
Ⅱ 教育・研修カリキュラムの構成
Ⅲ 講師の選定

が挙げられます。
“何のために教育・研修するのか”といった「目的の明確化」は特に重視しており、何度も各社の担当者とすり合わせを⾏います。この目的部分が曖昧であったり、認識の誤差がありますと、ご提供する教育・研修プログラム⾃体が意味をなさない無駄なものになってしまいがちです。

また、教育・研修を⾏えば、すぐに成果が現れる、業績に反映されるという認識をお持ちの担当者様も多くございます。そのような⽅々には、「教育・研修は継続、フォローが⼤切」ということを何度も、⼝が酸っぱくなるくらい申し上げます。1回の教育・研修ですぐ成果が現れるならば、我々も万々歳なのですが(笑)、現実はそんなに⽢いものではありません。今まで各⼈が蓄積してきた経験なり物の⾒⽅・考え⽅なりが⼀朝⼀⼣に変るものでなく、教育・研修という⼿段は、今の⾃⼰を⾒つめ直し、もっとこんな視点があるのでは、こんなアプローチをしてみてはどうかといった新たな“気づき”を得る場であると、私⾃⾝は捉えています。今まで頑なに⾃⼰のやり⽅・考え⽅に固執していた受講者が、教育・研修を受けたことで、従来とは異なった視点で物事を⾒ていただくきっかけになれば、それだけでも成功といえるのではないでしょうか? あとは、学習した内容が⽇常業務の中で活かされているかどうかをフォローしていく、あるいは少しレベルを上げた内容を改めて受講することで、“わかる”レベルから“できる”レベルへ、更には“やってみてできた”段階へたどり着き⾃信につながればと常々考えています。

JR東⽇本グループ経営における“⼈材⼒向上”の位置づけ

上の図は、「グループ経営ビジョン2020-挑む-」にて発表されたものです。JR東⽇本グループ全体として「組織の⼒、⼈材の⼒の向上」に取り組んでいるのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

当社も、当然この位置づけをしっかり理解し、JR東⽇本グループ各社の⼈材が少しでも向上できるよう、また、当社の社員⾃⾝も、当業務を通じて⾃⾝の能⼒向上に繋がるよう、⼀⼈ひとり目標を掲げ、達成に向けてあの⼿この⼿とアイデアを駆使しながら、⽇々業務に励んでおります。

公開セミナー活⽤の⼤きなメリットとは…

ここ近年、産能マネジメントスクール主催の公開セミナーを活⽤しているグループ会社の主なものを整理したのが上の表です。

やはり、“他社(者)の⽅との異業種交流”を目的の⼀つとして活⽤されておられます。
⾃社内の研修ではどうしても、井の中の蛙になりがちですが、様々な業種、業態といった企業からの参加がある公開セミナーでは、同じ質問に対しても返ってくる回答は⼀つではありません。
中には、⾃⼰とは全く異なる視点からの回答(正反対の回答)があることもあります。そのような⽅々と同じグループ内で課題(テーマ)に取り組み、グループとしての⾒解を導きだしていくという過程には、当然苦労もありますが、逆に新たな発想、発⾒をしていく機会、良い意味での刺激を得る機会でもあります。まさしく、“新たな気づきを得る場”といえます。このような体験が出来るのは、公開セミナーならではのものではないでしょうか。

グループ各社は、そのあたりを⼗分理解し、公開セミナーを有効活⽤されておられるようです。⾃⼰の⽴ち位置を再認識し、他社(者)からの刺激を受けたことで、新しいことに積極的にチャレンジしてみようという意欲喚起のトリガー(引き⾦)になるのであれば、これからも社外公開セミナーは活⽤するだけの価値あるものだと、私⾃⾝感じています。

(上記内容は、2009年6⽉30⽇に開催しました『2009 SANNOセミナーの効果的活⽤を考える︕』イベントにてご講演頂きました内容をもとに⼀部加筆・修正をさせていただきました。)