【事例紹介】株式会社浜⽥ ⼈材育成のありかた

はじめに

産能マネジメントスクールでは、⼈材育成にご熱⼼な企業様にお伺いしてインタビューを⾏っています。
今回は、⼤阪⾼槻を本拠地にしている環境ソリューション企業の株式会社浜⽥の総務部部⻑末光様と係⻑の今井様にお話をお伺いしました。

株式会社浜⽥ 総務部 部⻑ 末光 純志 ⽒
株式会社浜⽥ 総務部 係⻑ 今井 浩⼈ ⽒

まず会社概要をお伺いします。

当社は1973年に⾦属リサイクル会社として⼤阪府⾼槻市にて設⽴しました。社名をシンプルに「浜⽥」とした理由は、事業を⾦属リサイクルだけに限定するのではなく、これからの社会に求められることであれば、どんなことでも挑戦していこう、という創業者の想いの表れです。

環境に関するお客様の「困った」を解決するため、「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」をキーワードに、「解体⼯事業」、「産業廃棄物処理業」、「ソリューション事業」へ事業展開し、川中から川上を目指すとともに、M&A・海外進出による拠点展開への挑戦を⾏っています。

経営ビジョンを「環境ソリューションのファーストコールカンパニー」とし、お客様から最も信頼される環境顧問会社となるため、⻑期目標として『浜⽥の30年ビジョン』を策定しました。将来、当社の経営を担えるような⼈財を採⽤・育成することで、環境ソリューションにおけるNO.1企業を目指しています。

社員の⽅々の構成はどのような状況ですか?

従業員数は約100名在籍しており、男⼥⽐7:3で平均年齢31.6歳となっています。若い企業といっても差し⽀えは無いでしょう。
営業系・管理系・現場系といった役割で、⼤きく4つの部署から構成されています。
従業員は現在、4つの部署と5つの役職区分で定義されていますが、従業員の働き⽅がますます多様化する現状を受け、柔軟性のある⼈事制度に変更する予定です。それに伴い、キャリア選択を複線化したり、役職区分を増やしたりといった⼿直しを⾏います。

⼈事ポリシーや⼈財育成の目的はどのようなことでしょうか?

細かいところは今後もどんどん詰めていきますが、⼈事ポリシーは次の6つです。

ヒトづくりに⼒を注いでいます。
端的には、最低10億円規模の事業を任せられる従業員が10⼈育ってほしいと思っています。勿論そのためには⼈財の層を厚くしなければそういった者は⽣まれないという側⾯もあります。

新規事業を創るうえで必須となるのは、アイディアをどんどん出していく「創造⼒」と「発想⼒」です。
「ヒト・モノ・カネ」の経営資源で、モノとカネについては、中⼩企業はどうしても⼤企業に劣ってしまいます。
結局、我々のようなサービス化した中⼩企業は「ヒト」で勝負する。そのため、「ヒト」を育成することに⼒を注いでいます。
それは採⽤時から意識してチェックしており、新卒採⽤する際は、「浜⽥に⼊社したら挑戦してみたいこと」を事業計画として提出してもらい、最終的な審査の判断基準としています。

⼈財育成の主たる対象者やテーマは何でしょうか?

当社は従業員数がそれほど多くないので、当然ながら全従業員が⼈財育成の対象となります。「事業」を伸ばすため、従業員の「創造⼒」と「発想⼒」を伸ばしつつ、全従業員が世間で通⽤する⼈財になるための育成は重要です。

特に、従業員育成のバックアップを推し進めていただく管理監督職の⽅々に、マネジメントに関してのセミナーに参加していただいております。
管理監督職の「マネジメント⼒」は非常に重要です。「マネジメント⼒」と⾔っても「職場づくり」「問題解決」「目標達成」「部下指導・育成」「財務・計数」等々沢⼭あるのですが、現時点での重点テーマは「育成」だと考えています。

⼈財育成の⽅法はどのようなことをしていらっしゃいますか?

階層別の研修⽅法に関しましては公開セミナーを⼗分に活⽤しています。
また、従業員はもとより契約従業員の⽅々も含めて通信研修を活⽤しています。通信研修ガイドの内容を各⾃が⾒て、必要と思われるコースを選び受講してもらうようになっています。
その後、きちんと修了すれば受講料を全額補助するようになっています。

他にも、社内研修制度という従業員相互で⾃発的に⾏うスキル研鑽の仕組も⽤意しています。

公開セミナー活⽤の目的としてはどのようなことにポイントを置いていますか?

現時点での課題をどうすれば解決できるのか?という仕事に必要な能⼒(知識、スキル、態度)をセミナー⾃体から吸収する事は当然ですが、他社の参加者の⽅々との交流やネットワークをつくることも⼤きな目的です。
また、公開セミナーを活⽤する団体を選定する際は、「他にどのような企業様が参加しているか」を特に重視しています。そのため、歴史ある専門の団体を中⼼に、かつ内容的にマッチするかなどを⾒させて頂いて従業員を参加させています。

公開セミナーの効⽤はありますか?

現在は産業能率⼤学さんの階層別セミナー「課⻑実践セミナー」「係⻑実践セミナー「中堅社員実践セミナー」等に核となる従業員を参加させています。
⾊々な会社から派遣してこられる同レベルの⽅々と研修を通じて議論などをすることで、世間のレベルを感じ取っていると思います。他社の⽅々と⾃分⾃⾝を⽐較して、何が異なっているのか?他社が抱える問題は何なのか︖それはどのように解決しているのか︖そういった事を直接聞いたり話し合ったりできる機会は滅多にありません。
また、セミナーの時はビジネスに繋がる話はしづらいものですが、知り合った⽅にセミナー終了後に連絡を取ってビジネス上の相談をすることで思いがけない情報を得られることがあります。そういった機会を上⼿に活⽤できると⾃分⾃⾝の仕事にも役⽴つ事になります。私⾃⾝セミナーに参加して他社の参加者の⽅と親しくなり、後⽇お伺いし、仕事の相談に乗ってもらったことがあります。今でもお付き合いさせていただいております。

今後の課題としてどのようなことが考えられるでしょうか?

従業員には、セミナーで学んだ内容をしっかり業務に活⽤している者もおりますが、中には参加したことで満⾜してしまい、時間の経過とともにせっかく学んだことを忘れてしまう従業員もいます。
直近の課題と致しましては、セミナー参加後のフォロー研修を整備することで、学んだことを腹落ちさせる仕組みを構築することだと考えています。

今後、当社は急激な環境変化に柔軟に対応し、従業員の個性と会社が目指す到達点をうまくマッチングすることが求められています。そのために従業員の働き⽅の変化に対応した⼈事制度や⼈財育成のしくみの変更も⾏う必要があります。

末光部⻑・今井様、お話ありがとうございました。
環境ビジネスは今後も⼤きく伸びると思います。
そのために「創造⼒」を持った社員の⽅々の⼒でユニークな事業を⽴ち上げることができるといいですね。

(2015/2/6現在)

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