【事例紹介】灰吹屋薬局のサービス介助⼠を活⽤したCSRの取り組み

〜⽼舗の薬局がサービス介助⼠を活⽤して地域密着を強化〜

1765年(江⼾時代)、創業者が、東京四⾕の灰吹屋から暖簾分けし、溝の⼝に灰吹屋薬種店を開店して以来、240年以上の歴史をもつ灰吹屋薬局様。

その⻑きに渡り、薬屋(ドラッグストア)を続けてこられたのは、“みなさまのお薬箱”として「地域のお客様とのコミュニケーション」を何よりも⼤切にしてきたからでしょう。地域の⽅々、お祖⽗様・お祖⺟様からお孫様・曾孫様まで実に3世代、4世代のご家族に利⽤されています。

そんな⽼舗が「サービス介助⼠2級」を薬剤師と登録販売者に取得させ、さらなる地域密着をめざす様⼦を取材しました。
⼤⼭街道沿いに今も残る、かつて店蔵として使 われていた蔵

サービス介助⼠の活⽤を考えた理由は?

知⼈から話を聞く機会があり、歳を取ると若いときには気づかなかった、目や⽿などの体の不⾃由さがあると知りました。
⽐較的若い、元気なスタッフが多く、中⾼年のお客様が中⼼の当社にとって、中⾼年の⽅の気持ちをよく理解することが必要だと考えるようになりました。
そこで出会ったのがサービス介助⼠です。
サービス介助⼠を調べていくと、鉄道業など他の企業でも活⽤されていましたので、ある程度の効果が期待できました。
株式会社灰吹屋薬局
取締役副社⻑
薬剤師 鈴⽊ 孝寛 ⽒

調剤薬局の薬剤師にサービス介助⼠を取らせたねらいは?

地域に根付き、地域のお客様とよりよいコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていくことが当社の⽅針です。サービス介助⼠の考え⽅、「おもてなしの⼼」などは、それに通じるものがありました。
調剤薬局はドラッグストアより、⾼齢のお客様と接する機会が多いこともあり、調剤薬局の薬剤師からサービス介助⼠を取らせようと考えました。

サービス介助⼠取得の効果はありましたか?

サービス介助⼠取得の取り組みを、ポスターや名札でアピールしており、お客様から「サービス介助⼠とは何?」と尋ねられるなど、興味を持っていただきました。
また、地域の⽅へ栄養やバランスのチェックを無償で⾏う健康フェアの開催をきっかけに、サービス介助⼠取得の取り組みを、地域のフリーペーパーで取り上げられました。お客様から「記事を読んだよ」と声を掛けられるなど、⼤きな反響がありました。

今後の展望を教えてください

ドラッグストアの店⻑(登録販売者)にもサービス介助⼠を取らせようと考えています。
ドラッグストアの役割は病気になる前の健康の維持にあり、今後、健康で⻑⽣きされる⽅が増えていくと、その役割はますます⼤きくなっていきます。歳を取ると腰が悪い、ひざが痛い、視⼒が落ちたといった悩みがどうしても出てくるので、お客様の⾝になってサービスを考えることが重要です。サービス介助⼠はそのヒントを与えてくれる、よい学習プログラムだと思います。

続いて、実際にサービス介助⼠を取得された⽅にお話をお聞きしました。

サービス介助⼠を知っていましたか?

知りませんでした。サービス介助⼠を初めて紹介されたときには、「何それ」と思いました。
内容を聞くと、調剤薬局には⾞イスの⽅も、目や⽿の不⾃由な⽅もよく来ていたので、サービス介助⼠を取ってみようという気になりました。
株式会社灰吹屋薬局
薬剤師 菰⽥ いずみ ⽒

サービス介助⼠を取る前は、体の不⾃由な⽅へどう対応していましたか?

⾞イスの⽅は付き添いの⽅がいて、何とかなりましたが、⽿の不⾃由な⽅はお⼀⼈の場合が多く、筆談で対応していました。ただ勝⼿がよくわからず、⻑々と⽂章を書いてしまい思ったように伝わらないなど、とまどうことも多かったです。

通信研修の感想を教えてください

病態など医学的な部分は⼤学で学んだのでよくわかっていましたが、⾞イスの操作や目の不⾃由な⽅の⼿引き、サービス介助⼠の考え⽅、ホスピタリティマインドなどについて、新たに学ぶことができました。

実技教習の感想を教えてください

⾞イスについて、構造や重さ、⼒の⼊れ⽅など、実際に操作してみてはじめてわかったことが多かったです。

⽿栓、ゴーグル、⼿袋をつけた⾼齢者疑似体験では、全然⾳が聞こえず、他の⼈と話をする気がなくなりました。⾒る景⾊も違い、晴れているのに曇っているかのように感じ、⾃転⾞が近づいてきても気づきませんでした。
⾼齢者疑似体験のときに、偶然、体の不⾃由な⽅に会い、声を掛けられました。実習の様⼦にとても興味をもたれたようで、ご⾃⾝の苦労話などを聞かせてくれました。

資格を取って変わったことはありますか?

お客様に説明する際、⽿の不⾃由な⽅には、筆談で簡潔に書くようにしたり、目の不⾃由な⽅には、いきなり触れて驚かしてしまわないよう、⼀声かけてから触れるようにしたりしています。
また、⾜の不⾃由な⽅がいれば、投薬のときにカウンターから出て、席までお持ちしています。

【株式会社灰吹屋薬局 プロフィール】

◆創 業
江⼾時代 明和2年(1765年)
◆本 社
神奈川県川崎市⾼津区溝⼝3-14-19
◆資本⾦
1,400万円(授権資本⾦2,000万円)
◆従業員
正社員65名 パート85名(2009年5⽉度)

灰吹屋薬局ホームページ
灰吹屋 溝⼝調剤薬局

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