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中国の経済と商機を追う(第1回)

中国経済はいま転換を迎えている。
「豊かになれる者から豊かになれ」から「和諧社会」へ、短期無秩序成長型から持続可能成長型へ、投資・輸出牽引型から内需拡大重視型へ、重厚長大型からハイテック型へ、製造中心から創造型へ、量から質へ、環境破壊から「美しい中国」へ、沿海地域から内陸地方へ、規制から規制緩和へと課題が山ほどあるが、商機も課題と同様にあると考える。

2015年まで、中国は第12次5カ年計画に入っている。第11次5カ年計画に引き続き「持続成長」を目標にしている。30年間、中国の経済は、ハイスピードで走っている列車のようなもので、所々レールを敷きながら走ってきた。
2006年から金利の引き上げなどで、猛スピードの経済列車や無秩序の成長にブレーキをかけてきたが、2008年の世界金融危機で4兆元等の経済刺激政策を打ち出し、危機による経済への打撃が避けられたが、バブル再燃という副作用も引き起こした。
これは12次5カ年計画で、成長目標を7%(前回は7.5%)と人為的にさらに低くしている故である。

経済の継続的暴走を防ぐために、一方、政府の過度の干渉による歪みを是正するために、2013年9月に、李克強総理は「景気刺激策」を使わないと新たに断言し、低スピード成長をキープしようとする決心が見られる。
この間、政府機能の簡素化といった改革や、市場本来の調整機能と創造力による構造改革と成長などを推し進める。
いまは、金利の自由化、民間資本の活用および上海自由貿易試験区の設置といった動きも見せ始めている。

構造改革や転換期とはいえ、中国は大きいので、沿海地域と「第3、4級都市」や内陸部では、が抱える問題と戦略が違う。
前者は環境や、不動産バブルの圧力、労働力不足の問題があるのに対して、後者は豊富な労働力を有し、潜在力を持っているところもあれば、40-60%の不動産の在庫を抱える温州市、神木県、オルドス市のような都市もある。
地域戦略として、沿海都市は、文化産業、新産業育成、金融の中心、貿易・物流の中枢を目指し、内陸部は、低炭素社会を条件に製造業シフトの受け皿を狙う。

日系企業も、今まで、「世界の工場」として中国進出をしてきた。
今は、「巨大な消費市場」をインバウンドとアウトバウンドの両方から狙って、中国戦略の転換点を迎えている。
多くの日系企業が進出する沿海大都市では、人件費の上昇、消費者の成熟という変化に直面している中、各業界にとって、新たな商機と課題が生まれるだろう。
大都市では、産業の構造転換を急ぎ、モノの普及期から、高品質や優れたサービスの欲求が強まっているので、日系企業はコスト・パフォーマンスに加え、本来得意としている質の高いビジネス能力の発揮が期待できる。

日系企業は、中国を世界の工場として、現地の安価な労働力に教育訓練をし、現場を日本化することで、この威力を完璧に近いほど発揮してきた。
今後、従来の強みに加え、現地の消費者にとって魅力的な商品・サービスの開発や提案力を含めたマーケティング能力が要求され、現地に合う商品の開発からアフターサービスに至るまで、新たな経営ノウハウが必要になる。これが中国戦略転換のポイントであると思う。

次回は、中国市場の動きと商機を追う。

(産業能率大学 経営学部 教授 グローバルマネジメント研究所 所員 欧陽 菲)

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