【SANNOエグゼクティブマガジン】ビジョンを基点にしたビジネス~社会動向から世の中を見る

企業のあり方、社会のニーズの変化

最近、企業組織の方々で、“社会の幸福”“グローバルレベルでの幸福”へ向けて、自分たちの組織は何をすべきか、ということに関心を持つ方が増えてきています。以前は“自社の成長”“自社の利益創出”にフォーカスした関心が多く、このような表現はあまり聞くことはありませんでした。

日本は、モノづくりと技術立国を標榜してきたものの、グローバル・ビジネスにおいて後塵を拝することが多くなっています。巻き返しを図ろうにも、環境の変化が激しい昨今、将来を切り開く明るいビジョンが見えてきづらいものです。「分析や予測に偏ったスタイル(“分析型”と表現します)」でビジネスを構築することが難しくなってきています。 

一方で、「将来は自分たちの意思が創る、将来は人々の能動的な協働で創り上げる、というスタイル(“創造型”と表現します)」でビジネスを構築する必要性が高まってきています。

“分析型”と“創造型”の違いの一つが、「ミッションの捉え方」です。“分析型”は自社を中心とし、ミッションカバーエリアが限定的になりがちですが、“創造型”は、社会の幸福といったところまでミッションを上げるため、広さを持ちます。利益を求める、などではなく、人類にどう貢献するか、といった、もっと広く社会的あるいは地球規模までいったん上げたものです。

このレベルでの“ミッション(使命)”を明確にすることで、自ずから行うべきことが見えてくることも多いものです。そして、“ミッション(使命)”をきちんと見定めることができれば、他と手をつなぎながら進める大切さも理解できてきます(開かれたネットワーク型社会が前提)。

世の中のニーズ(震災以降、一般消費者を含めて)が、この観点とつながってきました。自分だけの利益というのではなく、応援消費やボランティア活動などに見られる行動です。