タンザニア国歳入庁,税務研修センター職員向け研修 実施報告

タンザニア国歳入庁,税務研修センター職員向け研修 実施報告


担当講師

内藤英俊(HIDETOSHI NAITO)
学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 主幹研究員
グローバルマネジメント研究所員

タンザニアについて

タンザニア連邦共和国(以下「タンザニア」)はアフリカ東部に位置し、北はケニア・ウガンダ、西はルワンダ・ブルンジ・コンゴ民主共和国、南はザンビア・マラウィ・モザンビークと隣接しています。当国の東側はインド洋が広がります。タンザニアという国名は、タンガニーカとザンジバルが1964年に統合しタンザニア連邦共和国となったことから来ています。

    タンザニアの人口は約4500万人(2012年の人口調査)であり、税務分野において現在国が登録している納税者人口は200万人弱です。この税務を担っているのがTanzania Revenue Authority (TRA:タンザニア国歳入庁)で、職員は5000名弱です。また、そのTRAの教育・研修期間であるInstitute of Tax Administration (ITA: 税務研修センター)には60名強の職員が働いています。

      TANZANIA REVENUE AUTHORITY, INSTITUTE OF TAX ADMINISTRATION DAR ES SALAAM TANZANIA

      研修実施の背景

      タンザニア政府は、経済成長の促進、税基盤の拡大を政策目標として掲げ、中でも、税務行政の強化および歳入増加は緊急性の高い重要な課題となっています。特にタンザニア歳入庁(TRA)職員および関係者の能力強化は、上記課題の実現のための重要な柱の一つと認識されています。
      このような背景のもと、本研修は、独立行政法人国際協力機構(以下JICA)が2012年から実施している技術協力プロジェクトである、「税務研修能力強化プロジェクト」の活動のひとつであるカウンターパートの皆さんが日本で研修を受ける「国別研修」の活動として実施されました。

      研修目的

      そもそも、タンザニア歳入庁(TRA)では、技能伝承の問題が顕在化していました。経験豊かなスタッフが大量に退職し、経験と専門性を習得しなければならない若手が多く残されるという事態です。退職を迎える職員は幅広い経験を有しており、研修を通じてこの埋め合わせをすることは容易ではありません。そのため、新入職員がベテラン職員のもつ経験と技術を得られるよう、引き継げるようにOJT導入が決定されたのです。
      研修プログラムの設計にあたっては、一般社団法人金融財政事情研究会の協力を得ながら、Practical Approach to Effective OJT の研修プログラムを開発しました。

      本研修の目的は以下の5つです。日本のOJTの背景から職場での実践スキル、さらには自組織に応用展開する際の問題や課題の検討までをねらいとしました。
      ①Understand the OJT concepts from the Japanese HRD aspect.
      ②Write OJT planning on the OJT sheet.
      ③Learn how to analyze and assess your team members.
      ④Acquire key skills required for OJT operation.
      ⑤Find possible solutions to surmount obstacles towards the installation of OJT system in TRA.

      研修の進め方

      日本の人材育成とOJTの考え方を理解するために、企業事例を踏まえたケース討議を行いました。OJTの進め方については、『OJT計画シート』に、実際の育成メンバーを想定し、記入していただきました。指導育成シーンに必要となるコミュニケーションスキルは、受講者間でロールプレーを行い、実践スキルの修得に努めました。また、帰国後にOJTを導入するためには、さまざまな諸問題を解決する必要があります。想定される課題については、全体討議で洗い出し、解決策を検討しました。

      研修プログラム

      TANZANIA REVENUE AUTHORITY,INSTITUTE OF TAX ADMINISTRATION DAR ES SALAAM TANZANIA

      研修風景(写真)

      受講者の反応、感想

      受講者の皆さんはとてもまじめで、自らもセミナーの講師経験があるためか、人の話をしっかりと聴こうとする姿勢に好感が持てました。また、受講生の皆さんは、基本的に明るく、意見も活発に発言され、自らも研修を楽しもうとしている点が印象的でした。
      実践的でインタラクティブな学習体験からOJTの手法のみならず学習プロセスからも学びがあったようです。帰国前の発表会では、「OJTの導入に向け上層部と折衝し、自らがリードイグザンプルになる」と宣言されていました。実践に向けた強い覚悟を表明されました。

      講師所感

      一国の発展に寄与するプロジェクトを支援させていただく機会をいただき、研修講師として大変光栄でした。今回のトレーニングを通じて、管理者における人材育成の重要性は普遍的なテーマであることを再認識しました。また、日本的な人材育成の手法はグローバルに充分通用することが理解できました。

      参考:TANZANIA REVENUE AUTHORITY,INSTITUTE OF TAX ADMINISTRATION DAR ES SALAAM TANZANIA
      税務研修能力強化プロジェクトに関するURL
      http://www.jica.go.jp/project/tanzania/020/outline/index.html



      2016年3月11日
      グローバルマネジメント研究所員 内藤英俊


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