Backstage at the 3rd Place
Madame Chigusaのつぶやき…
(1ère nuit ~ 6ème nuit)
Written byChigusa TAKEUCHI

早いもので、「イブニング・ダイアログ@代官山」も2010年9月3日に第6夜を迎えました。今回からコラムを書くこととなり、SalonのMadameならではの視点から、「お洒落で、エスプリの利いた」内容にしていきたいと考えています。1日の仕事を終えられて、PCを閉じる前に、ちょっと目を通して頂ければ幸いです。
このSalonでは、自由かつ知的な雰囲気の中で、皆様にリラックスしてダイアログして頂ける時間と空間をご提供することを目的として開かれています。では、SalonのMadameというのは、具体的にはどのような役目を担っているのでしょうか?
「このSalonには、本当にMadame Chigusaは必要なのか?」自分を追い詰めるようなマゾヒスティックな命題に、敢えて初回のコラムで挑んでみたいと思います。
先ずは初心に戻り、「Madame」の意味を、現在私が所有している中でも比較的分厚い仏和辞典で調べてみました。
(1)奥様、…婦人、既婚婦人又は既婚相当年齢の夫人に対する敬称。
(2)《M~》既婚・未婚を問わず特別な地位にある女性の役職名につける尊称。
(3)《M~》…女史、ミセス…。
(4)貴婦人。
などなど…
フランスでは、madameはミセスという(1)の意味で使われるのが一般的なので、私はmadameであるのは確かです。(2)、(3)、(4)になると、残念ながらまだそのポジションには到達していないようです。
では、salonのMadameと限定した用法があるかというと、この「ロベール仏和大辞典」には残念ながら載っていませんでした。そこで、「サロンの女主人」という観点から様々な本を調べてみると…。
フランスにおける最初のサロンを開いたのは、1613年、ランブイエ侯爵夫人(1588~1665)のようです。その後も、ポンパドゥール夫人やラ・ファイエット夫人など、高い教養と富を誇る女性達がサロンを開いていくこととなります。17世紀フランスにおけるこれらのサロンで重要だったのは会話を楽しむことであり、女主人は私財を投げ打ってサロンに来られる方々のおもてなしをしたのです。おもてなしには、フランス人のことですから、もちろん美味しいお酒とお食事は欠かせません。そして、花を飾り、家を整える。最後に、ゲストを迎える女主人として化粧をし、精一杯着飾る。これらの要素が全て整えられなければ、salonのMadameにはなれなかったのです。
さて、以上のことがわかったところで、私に置き換えて考えて見ることにしましょう。
私は、私財は投げ打ってはいませんが、「相当の時間と労力をこのsalonに捧げている!」
と自信を持って言えます。サロンのリピーターの方はよくご存じのように、コスト削減のため某大手手芸用品専門店や日暮里繊維街までお得な生地を買い求め、ミシンで皆様のチーフを縫ったこともありました…(これを内職と言うのです)。第6夜に向けては、スタッフ3名と中華街まで遠征し、皆様へのプチプレゼントやベストドレスコード賞の賞品を買いに参りました…(フカヒレランチも食べたけど…)。
お酒とお食事に関しては、美味しいのはもちろんですが、各回のコンセプトに合った、ちょっと面白かったり、珍しいものをご提供できるよう打ち合わせを重ね、第4夜では、スイーツを求めて代官山を走り回ったりもしました。
花を飾り、家(場)を整える。これは、現代のフランス家庭でも大事にされていて、汚い家、整っていない家に人を呼ぶなどということは考えられません。最近日本では流行りの、お互いに料理を持ち寄って食べる、ということもあまり行われません。やはり、お呼びするからにはおもてなしをするというのが基本精神なのです。なので、私もsalonの場を整えることに関しては、第1夜からこだわりを持って行ってきました。教室という制限がある中で、試行錯誤をしつつ色々なアイデアを出すのは楽しい作業でもあります。
そして最後に、皆様を女主人としてお迎えするために、自分を綺麗に(?)装う。普段は殆どお化粧らしいお化粧はしないのですが、Madame Chigusaの時だけは違います。スタッフを手伝ってくれていたゼミ生に、「先生が、日頃どれだけお化粧に手を抜いているかがわかるね!」と言われた位、私としては頑張ってお化粧をし、第6夜などは殆どコスプレまがいだと自覚しながらも、chinoiserieに合った装いで皆様をお迎えしたのです。
まるで自分を納得させる材料を探すような文面となってしまいましたが、「このSalonには、本当にMadame Chigusaは必要なのか?」
という命題には、答えられたのでしょうか?
《 Non!! 》
この命題に関しては、今後のMadame Chigusaの働きを皆様に見て頂きながら、皆様からの回答を待つしかないようです。
…ということで、次回のsalonで、皆様のお越しをお待ち申しております。
2010年9月22日
武内 千草







サードプレイスの舞台裏(Backstage)で起きていることを紹介しながら、
私たちスタッフが感じたこと、気づいたことを綴っていきます。