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グローバル化時代における3つのリーダーシップ ~グローバル化がもたらす業務遂行力の低下を解決するためには~最近の傾向・ご支援から見えること

SANNOエグゼクティブマガジン


前稿(2012年6月Vol.10)『グローバル化 時代における営業活動の新しい思考プラッ トフォーム~業界・市場の垣根喪失による 営業担当者の思考転換~』では、営業担当者に焦点を当て、アドバイスさせていただきました。

今回は、グローバル化がもたらす業務遂行力の低下とその解決法について、議論したいと思います。

グローバル化は、業務範囲を拡大し、新たな業務を生み出す

最初に、下記「グローバル化時代における事業活動の概念図」をご覧下さい。 従来の業界・市場の垣根(際〔きわ〕)が消失した結果、企業には選択肢が広がり、そ の活動に自由度が増しました。点線は、垣根の消失を表しています。

グローバル化が進展すると、新たな顧客や新たな競合、新たなパートナーが出現し、それに伴い、企業内の業務範囲が広がり新 しい業務を生み出します。図表の点線からはみ出た、外側の矢印の部分が、増えた業務になります。これらは、時には業務分掌で既定されている範囲を超えます。

たとえば、「新市場の開拓」「オープン・イノ ベーション」「グローバル調達」という方針のもとで、新たな業界への参入に挑戦している自動車部品メーカーの場合について考えてみましょう。

今、営業担当者が新規開拓で医療機器 メーカーにアプローチしています。営業活動を通して、外装素材には、耐熱性や耐振動性は不要であるものの、耐薬品性(耐腐食性)が求められるということが判明しました。そこで、営業担当者は、関係部署に新素材での部品開発を提案します。しかし、購買担当者には「グローバル調達」にかかわる業務を遂行する責任があるものの、新素材の入手先や素材の評価方法などについて、皆目見当がつきません。一方、開発担当者は、医療機器向けの設計変更を経験したことがありません。結局、購買担当者、開 発担当者ともにまったく動かず、組織的な 対応がなされないまま時間ばかりが過ぎて いきます。営業担当者は、ついにしびれを きらして、仲間の情報をたよりに自ら新素材のサプライヤーを探索することになります。

増え続ける業務は、やがてグレー業務に

上記の例では、新たに出現したグローバル調達にかかわる業務を、購買担当者ではなく、営業担当者が個人的に遂行せざるを得ない状況が生じました。私は、このよう な、将来的に組織の利益に貢献する可能性が高いにもかかわらず、組織的に取り組まれることなく放置されてしまう業務を、“グ レー(灰色)業務”と呼んでいます。グレー業 務が発生する背景として、次のような要因が考えられます。

人員整理を行ったため、人員に余力がない。すでに多くの業務に追われており、新しい業務を引き受ける余裕がない

多くの業務を外部に委託したため、業務に精通した人員が組織内にほとんど残っていない。そのため、新しい業務に役立ちそうな知識や情報を、社内のどこ(あるいは誰)に問い合わせをしていいのかわからない

管理者も業務を担当しているので、 部下指導や他部門との調整作業に時間を割くことができない

行き過ぎた分業により職場がタコツボ化し、全体観が欠如している。そのため、他部門に対して要望を出したり支援したり協力体制を構築することが難しい

成果主義の弊害により、チャレンジよりもリスク回避の傾向が強くなっている。そのため、新しい業務に取り組む意欲があまり見られない

組織全体の方向性が見えず、新しい業務に対する正当性が見出せない

大胆な組織変革は、業務遂行の背景要因を壊す

こうして、グレー業務は、一部の優れた人たち(先の例でいえば営業担当者)によって 個人的にほそぼそと取り組まれることになりますが、彼らの努力だけでは、増え続ける業務にやがて対応しきれなくなります。グ レー業務で溢れかえった職場では、既存業務までもが滞るようになり、組織としての業務遂行力は著しく低下します。

こうした事態を打開するため、企業はM&A、アライアンス、リストラクチャリングなどの、大胆な組織変革を選択しがちです。しかし、そうした取り組みがうまくいくのは、ごくわず かです。なぜなら、十分な準備がないままに行うと、それまで同じ社員だからこそ共有 きていた暗黙の手続きや判断基準などの背景要因が失われる可能性があるからです。

業務遂行力を高める3つの リーダーシップスタイル

業務遂行力を回復するための有効な方法の1つに、リーダーシップの強化が挙げら れます。リーダーシップには、次ページの図 表のとおり、3つのスタイルがあります。

1つ目のトップダウン・リーダーシップは、 トップの強力な舵取りを前提にしています。 戦略策定や全般的な意思決定権はトップ が完全に握り、組織の方向性を末端まで浸透させます。そして、各現場が素早くかつ確実に市場に対応できるよう、個別の問題解決や作業手順などは現場に任せ、組織としての戦略遂行力を高めます。

2つ目のミドルアップダウン・リーダーシップ は、ミドルの協働力の発揮を前提にしています。ミドルが上下左右あらゆる方向に働きかけることで、部門横断的に業務を遂行できるよう組織の課題展開力を高め、出現した新業務に対して機動的に対応します。

そして、3つ目のオペレーショナル・リーダーシップは、外部組織の徹底的な活用を 前提にしています。社内業務の標準化・ オープン化を進めることで、業務の急激な 増減に柔軟かつ機動的に対応できるよう、オペレーション力を高めます。

現実には、どれか1つのスタイルを選択するのではなく、業界の競争環境や社風を勘 案した上で、3つのスタイルをうまくバランスさせることが必要です。


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