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テクノロジーマネジメント・ソリューションセンター研究報【第9回】

コストエンジニアリング技術による技術者のコスト意識向上
~技術者のコストを見る目を養う~


本稿では、コストエンジニアリングの技法をコストの専門家のためのものとしてではなく、一般の技術者(ここでは、製造業における設計、調達、製造の担当者を広く技術者と捉える)を対象とするコスト意識の向上、コスト削減などの改善の促進のための教育ツールとしての有効性について考察する。

    学校法人産業能率大学 総合研究所 主任研究員  神戸 正志

    学校法人産業能率大学 総合研究所
    主任研究員  神戸 正志

    はじめに

    「技術者にはコストを見る目が必要だ」と言うと「そんなことは当たり前ではないか」と思われるかもしれない。しかしながら、コンサルティングや企業研修の現場を見るとその当たり前がなかなかできていない現状に直面する。

    例を挙げると、

    • 設計担当者は、自分の書いた図面の製品や部品のコストがいくらになるのか。また、形状や寸法を変えることでどれくらいのコストインパクトがあるのか。そのような意識を持って設計をしているだろうか。図面を書き終わった後に目標コストをオーバーし設計を見直さないといけないといった状況が発生しているのではないだろうか。
    • 調達担当者は、外注する部品のコストを取引先の見積書に頼っていないだろうか。取引先の見積もりが高いのか安いのか判断基準を持っているだろうか。複数社での相見積を行い、価格競争をさせ、価格交渉の結果、安いほうに発注する。そのような価格決定を長年続けていないだろうか。
    • 製造担当者は、作業者を1分間手待ちにするといくらのコストのムダになるのか。毎日使っている設備は1時間使うといくらのコストが発生しているのか。不良品やスクラップ、あるいは在庫品をどれくらいのコストがかかっていると認識しているだろうか。

    多くの企業では、若手の技術者にコスト教育を実施したり、現場にコスト意識を持たせるような掲示を貼り出したりしているが、技術者個々の業務においてはコスト意識が発揮されず、十分なコスト削減効果を生んでいないように思われる。
    そこで、コスト意識を向上させるための教育ツールとして、コストエンジニアリング技術の活用法を提案する。

    コストエンジニアリングには、以下のような活動の主目的がある。

    (1)コスト基準の作成とコスト見積・評価
    (2)利益の追求、コストダウンのためのロスの発見と経済性の評価
    (3)コスト基準を維持するための活動
    (4)コスト見積および評価システムの設計、実施フォロー
    (5)コストの教育・啓蒙、および人材の育成

    本稿では、“(1)コスト基準の作成とコスト見積・評価”の技法を使い、“(5)コストの教育・啓蒙、および人材の育成”を果たす方法について論ずる。対象者はコストの専門家だけでなく、技術者全般を想定している。

    本稿の構成として、最初に、コストの全体像(モノを対象としてのコストの構成)を理解する。
    その中で、各コスト要素の違いを認識する。次に、そのコストの詳細内訳を見ながら、コストがどのように発生しているのかをコストの積み上げ方法を辿りながら理解する。最後に、実際にコストを計算することにより、何が変化すればコストがどれくらい変わるのかを実感し、コスト削減の改善案につながる目を養う方法を紹介する。

    今回の内容に関する全文はこちらからダウンロードできます

    テクノロジーマネジメント ソリューションセンター研究報 Vol.1(2013)

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